任天堂「スーパーマリオ ラン」先行体験プレイレポート

任天堂は12月15日(太平洋標準時)にiOS用アクションゲーム「スーパーマリオ ラン」をリリースする。
ダウンロードは無料で、収録されている3種類のコンテンツのうち「ワールドツアー」ならワールド1−4の途中まで、「キノピオラリー」および「王国づくり」に関しても、特定の範囲までは無料で楽しめる。
アプリ価格は1,200円となっていて、1度購入すれば追加の課金要素などは一切ない。

本作は、誰もが知っている有名ゲームキャラクター「マリオ」が主人公として活躍するいわゆるランニングアクションゲームだ。
このランニングアクションというジャンルについては耳慣れない人もいるかと思うのであらためて説明させていただくと、「走りつづける主人公にアクションをさせつつ先に進んでいくゲーム」を指すことが多い。
主人公は原則として止まることがないので、アクション操作で障害物を回避あるいは排除しながら進んでいくことになる。

「スーパーマリオ ラン」も、そういったランニングアクションと同様に、方向キー入力などの操作はなしでマリオがひたすら右へ向かって走りつづけ、それに合わせて画面もスクロールしていくゲームとなっている。
プレーヤーが行なえる操作はジャンプのみだが、そのジャンプを応用したアクションがいくつも用意されていて、シンプルながらもしっかりと「スーパーマリオ」らしさが出ている印象だ。
わかりやすく言えば「シリーズを遊んだことのあるプレーヤーならば誰もがすぐになじめる作品」というところか。
今回は、そんな「スーパーマリオ ラン」を先行体験できたので、さっそくそのプレイフィールをお届けしていこう。

■3種類のゲームモードはどれも遊び心満点!
「スーパーマリオ ラン」はシリーズのお約束的な流れというべきか、今回もクッパにピーチ姫をさらわれるというストーリーが用意されている。
また、同時にキノコ王国も大きな被害を受けており、その結果、王国民たるキノピオたちも散り散りとなってしまい、ゲーム開始時のキノコ王国は閑散とした状態だ。

そんな本作には、「ワールドツアー」、「キノピオラリー」、「王国づくり」の3種類のモードが用意されている。
いずれもユニークなゲーム性を持っているが、これらをうまく遊び分けていくことで「スーパーマリオ ラン」の世界を徐々に復興させていく、という大きな目標も掲げられている。

これらのコンテンツ内容を端的に述べると「ワールドツアー」でピーチ姫を救う冒険に向かい、「キノピオラリー」で王国民たるキノピオを集め、「王国づくり」でキノコ王国の設備を再建していく、という形だ。
各コンテンツの概要については以下で解説していこう。

□時間内にステージを走破せよ! 「ワールドツアー」
メインのゲームモードとも言えるのがこの「ワールドツアー」で、その内容はマップの右端にあるゴールを目指し、制限時間内に走り抜けるというもの。
ゲーム画面は「スーパーマリオブラザーズ」同様のカラフルな色使いをしており、デザインも従来のものを継承している印象だ。
それを見て、安心感とともに「新しい『マリオ』がやって来た!」という期待感も出てきて、思わずワクワクしてしまう。

最初に「おや?」と思ったのは、スマホを「縦持ち」にして遊ぶ点だ。
筆者がそれほどランニングアクションに通じていないところもあるが、これまでプレイしたランニングアクションはどれも「横持ち」タイプのタイトルばかりだった。
縦画面の横スクロールゲームだと画面も狭く感じるのかと思ったが、各キャラクターが小さめに作られていることで見渡せる範囲も広くなっており、プレイ中に不便を感じるようなことはなかった。
むしろ縦画面にしたことで、レイアウト的に余った画面の下部分をタッチスペースとして使うこともでき、ゲーム画面を指で覆ってしまうことがなくてプレイしやすくなっている。
また、これだと通常の携帯の持ち方で、しかもタッチのみの操作なので、片手で遊べる点もうれしい。

ゲームが開始されるとマリオは右へ向かって自動的にダッシュしていく。
この速度はいわゆる「Bダッシュ」よりは遅いゆるやかなもので、落ち着いてプレイができるほどよいスピードだ。
また、マリオは2ブロック分ぐらいのちょっとした落とし穴や、クリボーやノコノコ程度の小さなテキ(敵)なら、勝手に乗り越えてくれるため、簡単にはミスをしないようになっている。
このあたりは、ゲームに慣れていないプレーヤーでも楽しく遊べるように調整をしたということだ。

画面をタップするとジャンプすることができるが、これはテキを踏みつけて倒したり、避けたりするだけでなく、障害物を飛び越えたりするときにも必要な操作だ。
また、少し特殊なテクニックとして、ジャンプ時のタップの長さでより高くジャンプができたり、ジャンプ中にもう1度タップをすることで、少しだけ滞空時間を延ばせる、といったものもある。

さらに、ジャンプ中に壁に突き当たった際、タイミングよく再度画面をタップすれば壁を蹴って反対側にジャンプすることもできる。
これを利用すると、近い距離で壁にはさまれた場所なら、左右の壁を交互に蹴りながら高い場所へと登っていけるようになる。
操作として難しいものを要求されることはなく、単純にタイミングよくポンポンと押していれば成功するようになっているので、プレイしているうちにコツをつかむことができるだろう。

また、道中には「スーパーマリオ」らしく多様なギミックも用意されている。
たとえば、「ハテナブロック」を下からジャンプで叩けば「スーパーキノコ」や「コイン」、「スーパースター」など、おなじみのアイテムが出現。
スーパーキノコを獲得したならマリオがスーパーマリオになり、コインを獲得したならその枚数に応じたコインを得られ、スターを獲得したなら一定時間無敵&コインを大量に獲得しやすくなる、といった効果を得ることができる。

そのほかにも、上を通りかかると画面をタッチするまではマリオが停止するブロックや、通常よりもはるかに高くジャンプできるジャンプ台、つかまって移動ができる天井など特徴のあるギミックが用意されており、その種類はここでは書ききれないほどに豊富だ。
それでも今回体験したなかで理解しづらいようなものはなく、どれも1度見れば、あるいは触れてみれば何となく使い方がわかってくる直感的なギミックばかりで、すんなりとプレイを進められた。

コースの途中で触れてはいけないテキに触れたり、穴に落ちてしまうとミスとなり、マリオが泡に包まれてミスした場所より前の位置に戻されていく。
このとき画面をタッチするまでは戻りつづけるので、態勢を立て直しやすい場所を選んで再スタートが可能だ。
ちなみに、同ステージ内において3回ミスをするか、制限時間がゼロになるとゲームオーバーとなる。
慣れていないと再スタートの場所を選ぶときに戻りすぎて制限時間が足りなくなる、といったこともあるので、その点は注意しつつプレイしたいところだ。

「ワールドツアー」の主目的は道中の困難を乗り越えつつゴールに到達することだが、その途中には大量のコインが配置されていて、それらを集めながら進むのも楽しさの1つとなっている。
ステージ中にどれだけのコインを集めたかは、各ステージのハイスコアとしても登録されるため、プレイを進める上での目標ともなってくるはずだ。

さらに、ステージ内には通常のコインのほかに、ピンクのコインが混ざって配置されている場所もある。
ピンクコインはステージ内に5枚用意されており、いずれも獲得するのにちょっと工夫がいるようなところにあるのが特徴だ。
ちなみに、ピンクのコインのほかにもパープル、ブラックのコインがあり、これらも獲得するのに頭をひねる必要があるなど、パズル的な要素があって楽しめる。

そうしてステージのラストにあるおなじみのポールまで到達すれば晴れてステージクリア。
このポールは従来のシリーズと同じく、より高い場所につかまることで多くのコインを獲得できる仕組みとなっているが、もっとも高い場所につかまるには足場や、滞空時間を延ばせるジャンプ(スピンジャンプ)などを活用する必要があるようだ。
ゴール直前の地形が訪れたら油断なく進み、なるべく高い場所からポールにつかまって華麗にフィニッシュを決めたい。

なお、各ワールドの最後のステージにはボスが登場するようだ。
かつてのシリーズであれば、左右に動き、あるいはジャンプしながらボスと戦うこともできたが、本作の場合は基本的にマリオが右に向かって突き進むため、その状況を踏まえてボスに対処することになるようだ。
このあたりを詳細に触れると実際に出会ったときの楽しさが激減してしまうので、これについてはぜひ自身のプレイをもって体験していただきたいと思う。

今回、主人公キャラクターとして使用できたのはマリオのみだったが、ほかにもルイージ、ヨッシー、キノピオといったキャラクターを使ってプレイすることも可能という。
これらは、ダッシュのスピードやジャンプの性能が異なっているようだ。
こちらはリリース後にプレイできるタイミングを楽しみに待つこととしたい。

□ライバルとテクニックを競いキノピオたちを奪い合う! 「キノピオラリー」
「キノピオラリー」は、他のプレーヤーのゴーストと「キノピオラリー」専用コースを走り抜け、制限時間内にどれだけコインを集められるか、どれだけクールなアクションをきめられるかを競う対戦型のコンテンツで、プレイするためにはゲーム内で獲得できる「チケット」が必要となる。

「ワールドツアー」との大きなちがいはステージに終わりがなく、どんなにミスをしても制限時間いっぱいまでプレイできること。
また、コースはコースパーツの組み合わせによって変化するため、無数のコースを楽しめるのもうれしいところだ。
最終的に、お互いが獲得したコインの数と、プレイ中に華麗なアクションを披露することによってキノピオたちの支持を得た数を合計し、その数が多い方が双方の得たキノピオを総取りできる。

最初に対戦相手を選択することになるが、これは冒頭でも触れたように他のプレーヤーのゴーストであり、リアルタイムでの対決ではないので気楽に挑戦してほしいところ。
また、相手の強さは、それまでにそのプレーヤーが獲得しているキノピオの数を見てだいたい把握できるので、腕に自信がないうちはキノピオの数が少ないプレーヤーを選ぶのが無難だ。

プレイ中は、獲得したコインやスタイリッシュなプレイによって専用のゲージが貯まっていきゲージがたまれば青いスターが出てきて自動的にスターラッシュに突入。
この要素をうまく活用してスコアを延ばしていくことが、勝利するための秘けつとなりそうだ。

制限時間いっぱいになるとその時点でゲームは終了。
以後は獲得したポイントの判定に入り、相手よりも多くのポイントを得ていれば、自分が獲得したキノピオと相手の獲得したキノピオを自分の王国民として迎え入れられる。
なお、敗北時は自国民たるキノピオがちょっとだけ減少するので、あまり気軽に負けてはいけない……のかもしれない。

□破壊されたキノコ王国の復興を目指す! 「王国づくり」
「王国づくり」は、先に紹介した2つのコンテンツと異なってアクション要素がなく、のんびりと施設の設置を楽しむためのコンテンツだ。
これまでに他のコンテンツで獲得してきたコインを使って好きな設備を購入し、それらをお気に入りの場所に配置していく、という流れになる。

設備によっては多額のコインが必要だったり、ある程度の数のキノピオが揃わないと購入できないものもあるため、「ワールドツアー」や「キノピオラリー」をプレイしながら、その合間に「王国づくり」も楽しむ、というプレイスタイルが基本となるのだろう。
キノコ王国も最初は閑散とした土地だが、発展によってどんどんカラフルかつにぎやかになっていく。
プチ箱庭ゲームのような趣があるので、そのタイプのゲームが好きなプレーヤーならよりいっそう楽しめそうだ。

今回、プレイ前には「スマホアプリとなった『スーパーマリオ』はどういう形に変化するのだろうか」と、そこはかとない不安があった。
しかし実際に遊んでみて、レスポンスのいいアクションやプレーヤーを楽しませるギミックの数々を体験し、まったく心配なく楽しめるゲームであることが確認できた。
また、同時にランニングアクションとしての新しい形を見られたような気もして、いちゲーマーとして大変満足できたのもうれしいところだ。

結論として「スーパーマリオ ラン」は、スマートフォンで手軽に「スーパーマリオ」の世界を味わいたいプレーヤーに向けて文句なしにオススメできる1本、と言って問題ないだろう。
無料で楽しめる部分だけでもその雰囲気は十分に味わうことができるので、12月15日になったらまずはダウンロードし、ぜひ新たな「スーパーマリオ」を楽しんでみてほしい。

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2位スーパーマリオメーカー for ニンテンドー3DS(3DS)

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