人気過ぎるポケモンGOが世界各地で大騒動 ホロコースト博物館や病院内では遊ばないで、強盗被害も…
米国などで人気が過熱しているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」が世界各地で騒動を引き起こしている。
ゲームキャラクターを集めるために現実の街中を移動する利用者たちによるマナー違反への懸念のほか、犯罪に巻き込まれるケースも判明しているためだ。
一方では開発に関わった任天堂の株価が急騰するなど、経済面でのインパクトにも注目が集まっている。
「神聖な場所でポケモンGOを遊ぶことは適切だとは思えません」
バージニア州内にあるアーリーントン国立墓地は12日、ツイッターで利用者に対してポケモンGOで遊ぶことを控えるよう呼びかけた。
ワシントン市内の「ホロコースト記念博物館」もメディアの取材に対して、「ナチズムの犠牲者を追悼する施設でゲームをすることは極めて不適切だ」と表明している。
ヨーロッパの報道では、オランダのアムステルダム大学付属病院で、ポケモンGOの利用者が立ち入り制限区域に入り込む問題が相次ぎ、病院内でポケモン探しをしないよう訴えた。
同院はツイッターに「病気のポケモンはわれわれがお世話をするから、面会に来ないで」と書き込んだ。
ポケモンGOでは、各地のランドマークとして知られる施設がゲームで利用できる道具を入手できる場所や、ポケモン同士を戦わせる場所として指定されている。
このためスマホの画面を見つめた利用者たちの格好の目的地となっており、施設の本来の目的そっちのけでゲームに興じる利用者たちのマナー違反への懸念が拡大している。
またゲームに熱中する子供を持つ保護者からは「子供が危険に巻き込まれるのでは」といった不安も噴出。
ゲーム画面の地図上に表示されるポケモンの「気配」を追いかけて、川や見知らぬ民家の裏庭などに入り込むといったケースが出ているからだ。
実際、ワイオミング州では8日、水辺で暮らす設定のポケモンを見つけようと川沿いを歩いていた女性が偶然、本物の死体を発見。
またミズーリ州の警察当局は10日、ポケモン探しに興じている利用者を狙った強盗事件が起きたと発表した。
犯人たちはアイテムを使ってポケモンをおびき寄せ、そのポケモンを狙って集まった利用者に対して強盗を働いていたという。
ポケモンGOは現実世界を移動しながら、スマホの画面上の地図のなかに潜んでいるさまざまなポケモンを捕まえてコレクションするゲーム。
見つけたポケモンの姿はスマホのカメラ機能で映し出された実際の風景と合成して表示され、ポケモンが現実世界に存在しているかのような感覚を演出している。
6日に米国、豪州、ニュージーランドの3カ国で配信が始まり、翌日には配信数ランキングのトップに躍進。
英国の調査会社は、基本ソフト「アンドロイド」を搭載したスマホ利用者の約3%が毎日遊んでいると分析し、すでに10年前にサービスが始まったツイッターに匹敵する人気ぶりだとしている。
東京株式市場の任天堂の株価は11日にストップ高を付け、米国でも大きな注目を浴びた。
株価は12日も急上昇し、時価総額3兆円を回復している。
任天堂はスマホ向けゲームでの出遅れなどで業績不振が目立っていたが、ポケモンGOが完全復活への足がかりになるとの期待が高まっている。