残念ながら失敗してしまった、80年代の革命的ガジェット達
失敗の代名詞として、誰もがVHSに負けた「ベータマックス」の名前を聞いたことがあるかと思います。
しかし、ベータマックスを単なる失敗と呼ぶことはできません。
コンシューマ市場では大敗を喫しましたがVHSに画質で勝るので、SD収録の為にプロの世界では使われ続けていました。
どれくらい勝っていたかというと、ソニーは2015年までベータマックスのカセットテープの生産を止めなかったほどです。
しかし、「ベータムービー」は話が別です。
1984年に1,596ドル(約18万2千円)で発売されたベータムービーは、カセットテープのデッキをカバンのようにぶら下げて持ち歩くのではなく、直接カメラの中に入れた画期的な、いわゆる「カメラレコーダー」の初世代の製品です。
Popular Scienceの1984年6月号によると、VHSより高い画質で、3時間の撮影(VHSは30分でした)が可能であり、充電は一時間もったそうです。
また、同誌は「VCRとカメラを繋ぐぶらぶらしたケーブルの欠如」を評価していました。
しかし、デジタルビューファインダーが無かったので、撮ったものを確認する為には5.5ポンド(約2.5kg)のカメラをわざわざテレビまで担いで繋がなければなりませんでした。
値段、重さ、そして致命的な機能の欠如が原因で大ヒットとはならず、発売から3年後の87年にソニーはベータムービーのラインナップを静かに廃止しました。