<PS4>ハイエンドモデル「Pro」 初週6万5000台販売

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PS4Proの発売日と同じ10日、任天堂のゲーム端末「ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ」(5980円)が発売され、10〜13日の4日間で約26万3000台を販売した。

文・取材:編集部 ロマンシング★嵯峨、撮影:カメラマン 和田貴光
●VRをけん引する各企業は、VRの未来をどう捉えている?
2016年11月16日、グリーと一般社団法人VRコンソーシアムが、Japan VR Summit 2を共同で開催。
VRコンテンツに携わるキーマンたちが、多彩なテーマのもとセッションを行った。
本記事では、セッション“VRトッププレイヤーが描く2020年のビジョン”をリポートする。

このセッションの登壇者は、下記の4名。
なお、モデレーターはカドカワ取締役 浜村弘一ファミ通グループ代表が務めた。

・Oculus パブリッシング部門長 ジェイソン・ホルトマン氏
・HTC Vive VRコンテンツ担当ヴァイスプレジデント ジョエル・ブレトン氏
・ソニー・インタラクティブエンタテインメント グローバル商品企画部 担当課長 高橋泰生氏
・Google Inc. チーフゲームデザイナー ノア・ファルシュタイン氏
●“VR元年”と呼ばれた2016年は、どんな年だったか
最初のテーマは、“VR元年”と呼ばれた2016年の振り返り。
VRが各地で広まった今年に対し、キーマンたちはどんな印象を抱いているのか? ホルトマン氏は、“各企業が取り組んできたことが前進した年”だと回答。
VRにとっては転機となる年であり、数年後に2016年を振り返ったとき、「あのジャンルが始まったのは2016年だった」と思うはずだと語った。

ブレトン氏も“2016年はエキサイティングな年だった”とホルトマン氏に同意。
20年前、VRコンテンツを体験するための設備には約150万ドルもかかったが、そこから約1500ドルまで価格が下がったと語り、“プラットフォーム、マシン、テクノロジーが揃い、消費者がVRコンテンツを手に取れる状況が訪れた”、“今後さらに発展があるはずだ”と述べた。
また、ユーザーがアクションの中心にいて、ユーザーの周りをVRの世界が囲んでいるというコンテンツを作れるのは、長年ゲームに携わってきたブレトン氏にとって、夢が叶った状況であるともコメントした。

高橋氏は、VRのおもしろさを伝えるため、2014年から試遊会を開催して取り組んできたこと、同時に、VRをどう作っていけばいいかを多くの開発者たちとともに検討してきたことを振り返り、2016年はようやくハードとコンテンツを展開できた年だ、と語る。
ハードが普及することで、VRコンテンツクリエイターが伝えたいことを伝えられる環境がようやく整ったという。
これからコンテンツがさらに広がっていくことが楽しみだ、と今後への期待を表した。

ファルシュタイン氏も、“たくさんの人たちがVRを楽しめたすばらしい1年だった”、“さまざまなものを試せて、意見を言い合える状況ができた”とポジティブな意見。
一方で、ユーザーが自分自身が何を欲しいのかを決めることを忘れてはならず、世界中のたくさんの人たちが何を欲しがっているのかを知り、コンテンツを開発していくことが大事だという冷静な意見も。
これからの取り組みによって、今後の10年が作られるとコメントした。

●2020年に向けて、取り組むべきこととは?
続くテーマは、“2020年までのビジョン・ゴール”。
ホルトマン氏は、やるべきことはたくさんあると述べつつ、大事なことのひとつとして“インプット”を挙げた。
人間は“手”というものが好きであり、手を使うことで多彩な行動、コミュニケーションをとれる。
この手による操作をVRで実現するモーションコントローラが、12月に発売する“Oculus Touch”であるとアピールした。
また、VRコンテンツを通じて、友だちを作ったり、仲を深めていったりすることが今後増えていく――“今後はVRが社会的体験のエンハンサーになる”ともコメント。
さらに、VRコンテンツは、短時間で体験するものから、長期的に体験できるものになっていくだろうと述べた。

ブレトン氏は、ハードウェアに関して要望を受けることが多いものとして、“全身トラッキング”、“ケーブルをなくすこと”のふたつを挙げた。
前者については、2020年までの提供を目指し、エンジニアが楽しみながら取り組んでいるとのこと、ケーブルをなくすことについては、“来年の第一四半期に、ワイヤレスのものを、アドオンとして(Vive用に)導入できる”と回答。
期待に応えるべく取り組んだ結果、予想より早く実現できることになったという。

つぎの挑戦は“高い解像度”だと語るブレトン氏だが、それは、ケーブルをなくすことと簡単に両立はできないともコメント。
解像度はHDから2Kまで上がることが期待されるが、それはケーブルなしにはできないかもしれない。
とはいえ、ブレトン氏は“非常に難しい挑戦だが、エキサイティングだと思っている”、“没入感を高めるために解像度は重要”と前向き。
今後の改善が期待される。

高橋氏は、日本でカラーテレビの普及が進んだ背景に、1964年開催の東京オリンピックの存在があったことに言及。
2020年の東京オリンピックが、VRにとってキラーコンテンツになるかはわからないが、やはり今後はコンテンツが重要になってくると述べた。
重要なのは、コンテンツの幅とクオリティー。
ゲームではないもの――たとえば旅行体験ができるコンテンツや、「VRを毎日使いたい、この世界に行きたい」と思えるコンテンツが生まれることが重要であり、また、そのコンテンツの中に入っていったときのクオリティーを高めたい、と高橋氏。
先日発売されたPS4 Proに、PS VRのコンテンツ側が対応すれば、より映像表現がリッチになることにも触れ、“VRコンテンツを楽しめる環境を強化していきたい”と語った。

加えて高橋氏は、インタラクションの重要性についてもコメントした。
現在PS VRのコンテンツはDUALSHOCK 4、PS Moveに対応しているが、それに加え、『Farpoint(仮題)』用にシューティングコントローラを開発中。
コンテンツによっては、専用コントローラを使ることで、そのコンテンツをより楽しめる状況を作っていけると語った。

ファルシュタイン氏は、VRの今後については、さまざまなビジョンが存在しており、それぞれ具現化、収益化への道が見えていることにワクワクするという。
ここでファルシュタイン氏、Googleが手掛けるVRプラットフォーム“Daydream View”について、“さらなる没入感を楽しめるように”という思いから、体験した人の意見を聞き、商品化に向けて当初の仕様から変更があったことに触れた。
体に装着するものであるならば布のほうが心地いいはずだ、と材料を変更したり(布は、熱の分散にも役立つ)、軽い部材を採用したりしたという。

スマートフォン用向けVRコンテンツは、PCのものに比べ処理能力が弱いというデメリットはあるが、新しいPCや高いヘッドセットを買わずとも楽しめる点が魅力で、ポテンシャルがあると語るファルシュタイン氏。
今後の課題としてはオーディオを挙げた。
音声には大きな課題があるは、ここから大きな一歩を踏めれば、とのこと。
また、VRが人間の感情に働きかけることについても研究していくという。

●エンタテインメントに留まらないVRの可能性
最後のテーマは、“VRによって、今後世界はどのように変わるか?”。
ホルトマン氏は、VRはすばらしいエンタテインメントデバイスになり、かつ、ゲームや物語を楽しむだけのものに留まらないという。
何にいちばん役立つか、それはまだ見えてないものだと述べつつ、人間は日々生産性を上げようとしているが、その営みの一部をVRが置き換えることができるのでは、と語った。

ブレトン氏は、デザインに利用することで、革新が起こるのでは、という考えを披露。
たとえばジェット機の座席をデザインするとき、どのくらいまでなら乗客の席を近づけても不快にならないかを検証できるのでは、とのこと。
医療や教育、訓練などにも有効だろうと述べた。

高橋氏は、アーティストの活動に影響があるのではないかとコメント。
これまでアーティストが平面上で表現していたものを、空間の中に表現できるようになり、それを鑑賞者が自宅から楽しめるようになるという未来予想図を披露した。
また、VR空間でショッピングをすれば、商品のスケール感がわかり、自分のアバターに着せたりもできておもしろいのでは、という意見も。

ファルシュタイン氏は“新たな物語の伝えかたが生まれてくると思う”と答えた。
また、医療分野でも、高所恐怖症や、たとえば虫が怖いといったトラウマを克服するのに役立っていくのではという考えを披露した。

各分野で模索が続いているVRの未来。
どのようなジャンルでVRが大きく花開くかはまだわからないが、ホルトマン氏が述べたように、「あのジャンルが始まったのは2016年だった」と思うときが将来やってくるのだろう。
人間の生活に、VRがどのように影響していくのか、今後も注目していきたい。

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