「スーパーマリオラン」ついに発売、DeNAの株価はどうなる?
2016年12月15日の配信開始と1200円という価格が決定した「スーパーマリオラン」。
任天堂の株価を爆発的に上昇させた「ポケモンGO」と同じ働きをするか否か、その動向に注目が集まっています。
■「スーパーマリオラン」への期待値がそのまま株価に反映
2016年12月15日の配信開始が決定したiPhoneアプリ初のマリオシリーズ「スーパーマリオラン」。
参考:スーパーマリオラン 公式サイト https://supermariorun.com/ja/
ポスト「ポケモンGO」との呼び声が高いこともあり、リリースが発表された9月8日、任天堂 の株価は前日の2万4695円から2万7955円へ大幅に上昇しています。
その後、株価はゆっくり落ち始めますが、11月10日から再び上昇へ転じ、同25日には2万7865円まで上昇。
印象としては、「ポケGO」のブームが落ちついて一時高騰した株価がグッと下がったところに底支えをして、ある程度まで上げ直した印象です。
それだけ「スーパーマリオラン」への期待値が大きいということでしょう。
一方、今回「スーパーマリオラン」を任天堂と協業開発したDeNA の株価を見ると、リリース発表の9月8日に前日の3255円から3600円へ上昇。
9月20日に3820円に達し、上下しつつも11月25日の時点で3545円と比較的高い株価を維持しています。
やはり、「スーパーマリオラン」の存在が株価をグッと押し上げている印象です。
※編集部注:DeNAについては、運営する健康情報サイト『WELQ』による、他メディアからの記事盗用、誤情報発信問題という材料も出ています(2016年12月9日現在)
参考:DeNAが謝罪会見10のまとめサイト全て閉鎖被害者窓口を開設、第3者委は調査書公表へ
http://www.sankeibiz.jp/business/news/161207/bsj1612071655005-n1.htm
■ 任天堂のキラーコンテンツ「マリオ」はiPhoneでどこまで勝負できる?
この「スーパーマリオラン」は、任天堂のキラーコンテンツであるマリオシリーズ初のiOSアプリですから、期待値が大きいのも当然のこと。
リオ五輪フィナーレで安倍首相がマリオに扮したことが話題になりましたが、裏返せば日本が誇る世界中に通用するキャラクターこそがマリオということでしょう。
当然、このゲームが配信されると「ポケGO」のように世界中で話題になるに違いありません。
そのゲーム内容はマリオが走り、ジャンプし、土管に入り、コインやキノコをゲットし、クッパを倒す、というファミコン世代にとって懐かしいもの。
ただし、iPhoneアプリということもあり、片手で操作できる工夫がなされています。
たとえば、マリオは横スクロールする画面の中をひたすら走り続けるので、プレイヤーが「前へ進む」動作をしなくていいのです。
プレイヤーは画面をタップするタイミングによって変化する多彩なジャンプを決め、コインを集めながら各コースのゴールを目指します。
「スーパーマリオラン」には、ファミコン版と同じくいろいろなコースをクリアしていく「ワールドツアー」のほか、遊ぶたびにコースが変わる対戦モード「キノピオラリー」、そして、獲得したコインで交換できる建物や飾りで自分だけの王国を作るモード「王国づくり」という3つのモードが用意されています。
■1200円という価格がネックとなる
では、この「スーパーマリオラン」は「ポケGO」並みの、あるいはそれを超えるヒット作となりうるでしょうか?答えはフタを開けてみないことには分かりませんが、「ポケGO」が「街を歩き回りながらプレイする」というそのプレイスタイルにより社会現象となったようには一般の話題に上らないでしょう。
その点では、爆発的なブームや株価上昇にはつながらないと思われます。
また、「ポケGO」が基本プレイ無料でアイテム課金制というビジネスモデルであるのに対し、「スーパーマリオラン」は一部のプレイのみ無料で、それが気に入ったら1200円(税込)でフルゲームを購入する買い切りタイプとなっています。
これには、子どもが遊ぶ場合に意図しない高額課金を避けられるというメリットのある反面、購入時に一度に多くの金額を支払うことになるデメリットもあります。
1200円というと昔のファミコンカセットに比べてだいぶ安く感じられますが、無数のゲームが基本プレイ無料で遊べる現代にあって、この金額は購入にブレーキをかける十分な理由となるでしょう。
ある調査では「ポケGO」でアプリ内課金をしているプレイヤーは全体の10パーセントほどで、うち1000円以上課金しているのは全体の4パーセントほどとなっています。
参考:ポケモンGOにかけたお金は? – 課金ユーザーは9.5%、交通費などリアル出費もhttp://news.mynavi.jp/news/2016/08/15/371/
それを考えると、「スーパーマリオラン」については「ポケGO」のようなヒットは難しそうですが、購入時に1200円支払われるということは、収支的にスタートダッシュの勢いは期待できるわけで、当然、株価の上昇もそれなりに期待できるのではないでしょうか。
イツキヒカル
ライター。
オルタナティブな知の探究の一端として、また、人の心の奥深くにあるメカニズムを解き明かす一つのヒントとして、中立的な視点を保ちつつ、長年、占星術や神秘主義に触れてきた。