PS4「GUNDAM VERSUS」ファーストインプレッション
「2016 PlayStation Press Conference in Japan」で大きく発表されたPS4向けチームバトルアクション「GUNDAM VERSUS」。
11月末にはユーザー向けのクローズドαテストが行なわれた。
今回、メディア向け体験会も行なわれ、αバージョンを触ることができたので、明らかになった本作の概要、感触をお伝えしたい。
「GUNDAM VERSUS」は、今年で15周年を迎えた「機動戦士ガンダム VS.」シリーズの最新作。
「機動戦士ガンダム」から、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」までの様々なMSやキャラクターが登場し、プレーヤーは2on2での戦いを繰り広げる。
「GUNDAM VERSUS」においては、ゲームエンジンを一新し“第5世代”となった。
PS4の性能を活かしたグラフィックス表現・演出も大きな魅力だ。
今回は制作担当の安田直矢氏(バンダイナムコエンターテインメント)と、ディレクターの福崎恵介氏(バンダイナムコスタジオ)に話を聞いた。
ゲームの特徴、開発スタッフが本作に込めた想いもお伝えしたい。
■ハイディテールのMSが戦う! 戦局を左右する「覚醒」など新システムも導入
「機動戦士ガンダム VS.」シリーズは、その名の通り「ガンダム」シリーズをモチーフとしたチームバトルアクションゲームである。
プレーヤー達は様々なMSを使って、2on2での戦いを繰り広げる。
本シリーズのユニークなところは「戦力ゲージ」というシステムと、MSの“コスト”だ。
ゲームでは敵MSを撃破すると戦力ゲージがコスト分下がる。
ゲージを0にした時点で勝ちとなる。
高コストの機体は強いが撃破された時の被害が大きく、低コストは非力な機体が多い。
そして2on2だからこその駆け引きも深い。
コストと組み合わせも大事だ。
前衛として敵を積極的に攻撃するか、後衛として支援に回るか、MSの組み合わせで大きく変わる。
MSやキャラクターをどのように表現しているか、プレーヤーがそれをどう使いこなすか、様々な要素が盛り込まれたゲームである。
シリーズの直近のタイトルはコンシューマーではPS3版の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト」、そしてPS Vita向けに初の家庭用オリジナルとして1on1での戦いを提示した「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フォース」が発売されている。
またアーケード版では「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON」が稼働中であり、アップデートをくり返している。
第五世代の最新作として「GUNDAM VERUSUS」は”第5世代のベース構築”を目指していくという。
現状では発売時期は未定であり、まだまだ開発に時間はかかるのだが、今回のテスト及びこの体験会は、”2on2のチームバトルアクション”というシリーズでの最大の特徴であるコンセプトを、きちんと継承するための土台となるバトルシステムをより良いものにしたいしたい、という意図があるとのことだ。
ボタン配置などはこれまでと変わらない。
「射撃」、「格闘」、「ジャンプ」に加え、「ターゲット切り替え」、「指令・通信」に加え、「SP」が追加された。
PS4コントローラーでさらに「覚醒技」用にR3ボタンが割り振られている。
もちろん大きく手を入れたところもある。
これまでのシリーズと違うところが「戦力ゲージ」の上限が1,000になるというところだ。
MSのコストも、500/400/300/200になった。
操作方法では後述する「ストライカー」が「SPボタン」と「射撃」や「格闘」を使った操作になったことと、「SPボタン」と「ジャンプ」で直前の行動をキャンセルし高速で降下できる「ブーストダイブ」の導入が大きな変化となる。
覚醒ゲージを消費して行なう「覚醒システム」は、特徴の異なる2タイプから選択できる。
攻撃力や突破力がアップする「BLAZE GEAR」と、長時間立ち回れる「LIGTNING GEAR」がある。
今作ならではの要素としては、「覚醒システム」に自分の強化だけではなく、僚機を支援する効果もあるとのことだ。
このため、自身は逃げ回りながら仲間を支援するために覚醒を使う、と言う戦い方も可能になるかもしれない。
注意したいのはブーストゲージ。
これが切れて「オーバーヒート」状態になると行動不能になってしまうところだ。
オーバーヒートになると機体にエフェクトが出て他のプレーヤーも状態が確認できる。
今作での注意点の1つだ。
今回体験できた機体は12機体。
コストが500の「ユニコーンガンダム」、「シナンジュ」、「νガンダム」、「ウイングガンダムゼロ」。
コストが400の「ガンダム」、「トールギス」、「フルアーマー・ガンダム」。
コスト300の「ガンキャノン」、「ガンダムエクシア」、「ガンダムキュリオス」、「ガンダム・バルバトス」。
もちろん今後もさらに機体は追加されていく予定だ。
■各MSならではの技の応酬、スピード感のある戦いが楽しい
実際にゲームをプレイしてみた感想を語っていきたい。
筆者は「機動戦士ガンダム VS.」シリーズは初心者で、事前にPS3版の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト」を数時間触った程度である。
そのため「GUNDAM VERSUS」ならではのMSの感触、といったシリーズの“違い”はわからないが、前作のルールを知っていれば全く戸惑わずにプレイすることができた。
「GUNDAM VERSUS」はプレイしていて気持ちの良いゲームである。
MSはきびきびと動き、ド派手な技を繰り出す。
少ないボタンで多彩な技を繰り出すし、MSのアクションもいい。
そのレスポンスは操作していて楽しい。
そしてこれまで同様に“モデリング”がいいのだ。
「νガンダム」の腰アーマーのパーツの重なり具合など、各MSは出来のいい立体物を見ているかのような精密な作りがとても良くて、じっくり見たくなってしまう。
技のモーションも“原作”を思い起こさせるものが多く入っていて楽しい。
また光の表現はMSの金属感を際立たせるものがある。
グラフィックス表現は新エンジンならではというところだろう。
使った機体の感触も語りたい。
接近戦オンリーに思えた「ガンダム・バルバトス」でも弾が少ないなりに射撃攻撃ができ、「射撃系のストライカー」を組み合わせることでオールラウンドに戦う事ができた。
そして接近戦での突進力がいい。
格闘機体だが、思ったよりずっと素早く距離を詰められるので、戦いやすく感じた。
「νガンダム」はオールマイティーに戦える機体だが、特にファンネルはクレーターの中のような遮蔽物がある地形を越え、敵の死角から攻撃できるのが楽しかった。
「グフ」はサブ射撃でヒートロッドが使えるのだが、これは当てるのにかなり慣れが必要だと感じた。
「ガンダムエクシア」は接近できると嵐のように激しい格闘戦ができるのが気持ちよかった。
こちらも突進力があり、相手に肉薄してプレッシャーを与える機体だ。
サブ武器でGNビームダガーを投げるところも良い感じだ。
「トールギス」は移動速度が早く感じた。
遠距離のドーバーガンも使いやすくバランスの良い機体に感じた。
特に面白かったのが「ガンキャノン」だ。
特殊射撃で“岩”を投げるのである。
アニメにもあり、過去作でも採用されており、一見ネタのような攻撃だが実は追尾性能が高く、当たり判定も大きいので、使いやすい。
今回は4人がガンキャノンで岩を投げ合うという戦いもしてみた。
岩は敵の岩と相殺もでき、攻撃だけでなく防御的な使い方もできる。
さらに「覚醒技」を使うと巨大な岩を投げつけるという「どれだけ岩が好きなんだ」とツッコミを入れたくなるようなこだわりだった。
覚醒時の演出として面白かったのは「ガンダムキュリオス」だ。
パイロットのアレルヤは覚醒すると第2の人格ハレルヤが姿を現わす。
パイロットのセリフも注目点だ。
感心したのはレバー2回で行なうブーストステップ。
格闘攻撃を回避して敵の背後を取るアクションは決められるとかなり悔しかった。
ぜひ覚えたい駆け引きだ。
体験したあと少し話も聞いた。
「第五世代の最新作として、これまでのシリーズユーザーにとっても、このタイトルからプレイしていただくユーザーにとっても、間口の広いオンライン2on2バトルを目指していきたいです」と安田氏は語った。
シリーズはユーザーの意見を取り入れながら進化を遂げてきた。
特に現行のシリーズである「EXTREME VS.」シリーズは6年にもわたって進化を続けてきた結果、ある意味“とがった”ゲームになっているという。
開発側では「GUNDAM VERSUS」で、より幅広いユーザーに触れて貰いたい、という狙いがあるという。
もちろんこれまでの経験を活かすことはできるし、そこからの楽しみもある。
コアに楽しむことができる一方で、技がよくわからなくてもガチャガチャプレイし、他のプレーヤーやCPUと連携を楽しみながらゲームを理解していくというカジュアルな楽しみ方も楽しいと感じた。
覚醒技や射撃など、1つ1つのアクションに“元ネタ”があり、ガンダムファンは色々なところで楽しめる。
もちろん対戦が大きな楽しみとなる本作だが、カジュアルな遊び方でも充分楽しめると感じた。
最後にユーザーへのメッセージとして安田氏は「今回のクローズドαテストでは、2on2バトルの基礎部分となるバトルシステムを重点的に体験していただきました。
いただいたご意見をもとに調整を重ねたバージョンを皆さまにプレイしていただける機会をまたどこかで用意したいと思っています。
楽しみにお待ちください」。
福崎氏は「PS4で、2on2で第5世代のベースとなる作品をきちんと作る、というのが『GUNDAM VERSUS』の至上命題です。
その上で新しさを見せていきたい。
まだまだ新しい要素を用意しています、ご期待下さい」と語った。
ファンは常に「機動戦士ガンダム VS.」シリーズの最新作を求める。
その上で変わって欲しい部分、変わらないでいて欲しい部分は、人それぞれである。
開発チームはそこから多くのファンが満足してくれるものを模索していく。
「GUNDAM VERSUS」が今後どのようになっていくのか注目していきたいし、収録機体も気になるところである。
今後の情報に期待したい。
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