「ストリートファイターV」、「バイソン」の性能をチェック!

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ガイルが解放されて2カ月余り、ついに新たなる戦士が姿を現わした。
去る7月1日に解放されたのは「いぶき」と「バイソン」。
これまでとは異なり、同時に2人のキャラクターの追加となる。
それにともない、3月末と4月末に解放されていたアレックスとガイルの無料解放期間が終了。
今後、いぶきとバイソンを含む4人の追加キャラクターは、ショップでファイトマネーを消費するか直接ショップで購入することで使えるようになる。
価格は10万ファイトマネーか、600円(税込)。

今回は、20余年にわたって溜めキャラをメインで使用してきた筆者が、バイソンを使用。
さまざまなキャラクターと対戦したうえで、本作のバイソンの使用感をレビューしていく。
「ストIV」時代から性能がどう変化したのか、それによって本作ではどのような戦法が有効なのかも併せて記載するので、バイソンを使う上での参考にしていただきたい。
なお「いぶき」については先行体験の記事を参考にしていただきたい。

■VスキルとVトリガーの追加で戦闘スタイルが大幅に変化
バイソンは、初代「ストリートファイターII」でシャドルー四天王の1人として登場。
当時はCPU専用のキャラクターで、プレーヤーが使うことはできなかった。
その後、ユーザーたちの“四天王を使いたい”という熱き要望を受けて「ストリートファイターII’」ではプレイアブル・キャラクターに。

「ストリートファイターII’ TURBO」までは基本技の種類が少ない(相手との距離で変化しなかったり同じグラフィックスの技が多かった)せいで使い勝手がイマイチだったものの、「スーパーストリートファイターII」で無敵技のバッファローヘッドバットが追加。
さらに「スーパーストリートファイターII X」ではゲームスピードの加速化により、最強キャラクターの1角として君臨。
まさにバイソンの成り上がりストーリーを地で行っていたと言える。

キャラクターとしては攻撃力が高く、リーチの長い技や判定の強い基本技と、猛スピードで突進するダッシュ攻撃でラッシュを仕掛けていくタイプ。
「ストIV」ではダッシュグランドスマッシュやダッシュスウィングブローといった新必殺技が追加されたものの、戦闘スタイルに大きな変化はなかった。
そんなバイソンが、本作ではどんなキャラクターになったのか?基本技、特殊技、必殺技、そして本作の新要素であるVスキル・Vトリガーの順に見ていきたい。

□待望の特殊技が追加!必殺技にも大きな変化が!
基本技については、もともと遠近の差がそれほど大きくないキャラクターだったせいか、「ストIV」とほぼ同じ感覚で使っていける。
あえて気になった部分をあげるとすれば、全体的にリーチが短くなり、接近戦で小技を2発刻むと3発目が届かなくなる点と、しゃがみ弱Pの発生が遅くなった点くらい(発生3フレームから4フレームになった)。
とくにしゃがみ弱Pの発生鈍化は、前作ではしゃがみ弱Pをこすっているだけで安易な投げを防げていたため、違和感を受ける人がいるかもしれない(前作のしゃがみ弱Pが強すぎただけなのだが)。

そして、特殊技には大きな変化が! これまでバイソンには特殊技が一切なかったが(4ボタン制だった初代「CAPCOM VS. SNK」をのぞく)、本作では4つのターゲットコンボが追加された。
いずれもそれほど大きなダメージを与えられるわけではないが、タメがないときのとっさの反撃やクラッシュカウンター発生時の追撃として重宝する。
Vゲージが満タンまでたまっているときはターゲットコンボの途中でVトリガーを発動し、高威力の連続技に切り替えることも可能だ。

しかし、もっとも大きく様変わりしたのは必殺技。
最盛期は5つもあったダッシュ系の必殺技は、ダッシュストレートとダッシュグランドブロー(過去作でいうダッシュグランドストレート)の2つだけに。
また、無敵技のバッファローヘッドもVリバーサルへまわされ、そのかわりにスリークォーターアッパーのスクリュースマッシュが追加された。
↓溜め↑の必殺技だが、無敵時間があるわけではないため、バッファローヘッドのような使い方はまず無理。
一応、EX版はスーパーアーマー能力を持っているものの、切り返しとしての性能はイマイチだ。

□必殺技キャンセルVスキルで接近戦でのラッシュがより強力に!
バイソンのVスキルはKKB。
何の略かはわからないが、回避行動のあとに任意で攻撃をくり出す、バルログのマタドールターンと似たタイプだ。
ただし、回避できるのは飛び道具判定の技だけで、それ以外の攻撃は避けられないどころか、カウンターを取られてしまうこともあるので注意したい。

KKBの最大の特徴は、スクリュースマッシュ以外の必殺技の出際をキャンセルして出せること。
コマンド入力をすばやく行なわなければならないため、実行するにはやや慣れが必要だが、これによって接近戦でのバリエーションの幅が大きく増える。
たとえば、しゃがみ中Pなどをキャンセルしてダッシュグランドブローを仕掛け、そのまま打ち切るか、KKB後にバッファロープレッシャーをくり出すかで、下段or中段の2択を迫ることが可能。
また、KKB後に追加攻撃を出さず、投げに行く選択肢もある。
ダッシュ系必殺技のスキが増えたため、接近戦でのラッシュではKKBを利用した連携をメインにするのが吉だ。

また、Vトリガーのクレイジーラッシュは、必殺技をヒットorガードさせたときに、追加でチャージングバッファローかバースティングバッファローをくり出せる。
追加攻撃は最大で4発まで出せるため(EX必殺技のあとは3回まで)、「ストIIX」時代からのスーパーコンボ・クレージーバッファローを再現できるというわけだ。
また、追加攻撃はすべてクリティカルアーツのギガトンブローでキャンセル可能。
発動中は500ダメージ以上の連続技も可能なので、めちゃくちゃなリードを取られていないかぎり、どこからでも逆転を狙えるのも強みと言える。
そのほか、ターゲットコンボをヒットさせたときに連続技を伸ばしたり、必殺技を深めにガードさせてしまったときのフォローとして発動させるのも有効だ。

□もうオアーだけじゃない!やれることの多いテクニカルボクサーに生まれ変わった新バイソン
ダッシュ系の必殺技のスキが増し、基本技をキャンセルして出すとほぼ確実に反撃を受けるようになってしまったため、ただ「オアーオアー」言っているたけでは勝てなくなったのは間違いない。
中距離戦では立ち強Pによる牽制と、反撃を受けないダッシュストレートの先端当て、接近戦ではVスキルのKKBを活かしたラッシュが重要なキャラクターになったという印象を受けた。
とくに必殺技→KKBからの2択・3択攻撃は、相手に相当なプレッシャーを与えていけるのではないかと思う。

EXダッシュ攻撃のスーパーアーマー能力は削除されてしまったが、KKBのおかげで飛び道具もそれほど苦ではない。
むしろKKBの移動距離を把握していない相手は安易な飛び道具を撃ってきやすいため、KKBで接近しつつダメージを与えていける。
EXゲージがたまっているときは、ギガトンブローで弾を抜けつつ手痛い反撃を叩き込むのもいい。

こちらが攻めているときや遠距離戦に憂いはないが、やはり問題なのは攻め込まれたときの対処法だ。
無敵技のバッファローヘッドバットがVリバーサルになったため、いったん受けにまわるとなかなか切り返せず、まとわりつかれるとかなり苦しい(体感的にはベガ並みにツライ)。
相手の攻めをいかにしのぐか、攻められている状況からいかに脱出するかが、本作のバイソンを使う上での最大の課題と言えよう。

ひたすら押しまくるパワーファイターから、テクニカルなボクサーへと変貌を遂げた本作のバイソン。
Vスキルのおかげで戦略の幅が広がり、やり込み甲斐のあるキャラクターに仕上がっている。
過去にバイソンを使っていた人よりも、バイソンに触れたことがない方にこそ楽しんでいただきたい。

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