スマホ向けゲーム「ポケモンGO」、海外で人気爆発

■任天堂株急騰も各地で騒動頻発
スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の配信が米国などで始まり、爆発的人気を集めている。
利用者が熱中するあまり、世界各地で騒動も引き起こしている。
開発会社に出資している任天堂の株価は急騰。
日本でも近く配信が始まる予定だ。
(高橋寛次、ワシントン小雲規生)

◆GPSを利用
ポケモンは任天堂の人気ゲーム「ポケットモンスター」シリーズに登場する架空の生き物の愛称。
ポケモンGOは衛星利用測位システム(GPS)を利用しゲームが指定した場所に行き、ポケモンを画面上で捕らえて集めるゲームだ。
見つけたポケモンの姿はスマホのカメラ機能で映し出された実際の風景と合成して表示され、現実世界に存在しているかのような感覚を演出している。

6日に米国、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国で配信が始まった。
米メディアによると、米国ではアプリランキングで首位を走り、ダウンロード数が既に1千万を超えたという。

米メディアによると、家のなかにこもりがちだった子供がスマホを片手に外に出かけるようになったり、ゲームが縁となってデートの相手が見つかったりするケースが出ているという。

逆に、トラブルも報告されている。
米ワイオミング州では8日、水辺で暮らす設定のポケモンを見つけようと川沿いを歩いていた女性が本物の死体を発見。
ミズーリ州の警察当局は10日、ポケモン探しに興じている利用者を狙った強盗事件が起きたと発表した。

◆病院内に“侵入”
ポケモンGOでは、各地のランドマークとして知られる施設がゲームで利用できる道具を入手できる場所や、ポケモン同士を戦わせる場所として指定されている。
このためスマホの画面を見つめた利用者たちの格好の目的地となっており、施設の本来の目的そっちのけでゲームに興じる利用者たちのマナー違反への懸念が拡大している。

ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺の犠牲者を慰霊する米首都ワシントンのホロコースト博物館では、ポケモンの捕獲に走り回る入館者が殺到。
博物館側は「犠牲者を慰霊する場でゲームで遊ぶのは不適切だ」と批判した。

欧州の報道では、オランダのアムステルダム大学付属病院で、ポケモンGOの利用者が立ち入り制限区域に入り込む問題が相次ぎ、病院内でポケモン探しをしないよう訴えた。
同院はツイッターに「病気のポケモンはわれわれがお世話をするから、面会に来ないで」と書き込んだ。

◆日本も近く配信
ポケモンGOの企画・開発を行う企業、ポケモン(東京)の担当者は「大変な反響をいただいている。
(問題については)真偽を含めて詳細を確認し、対応すべきところは善処したい」と話した。

同社には任天堂が32%を出資。
アプリをつくって運営するのは、任天堂や米グーグルが出資する米ベンチャー企業のナイアンティックだ。
このため、任天堂の株価は12日までの3営業日で5割超も上昇した。
時価総額は1兆円超膨らみ、約8カ月ぶりに3兆円を超えた。

ポケモンGOに関しては、間接的な利益貢献との指摘もあるが、同社は今秋から、ディー・エヌ・エー(DeNA)と提携してスマホ向けゲームの配信を始める予定もあり、期待が高まっている。
ポケモンGOの日本での配信時期は正式には明らかにされていないが、任天堂はポケモンGOで遊ぶ専用端末を7月末に発売する予定で、少なくともそれ以前には配信が始まるとの見方が強い。

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