100年後の桐生救え 殿岡康永氏のゲーム 9月末公開

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ゲーム体験者が室内から街へ出ることで、街の活性化や経済効果が期待されている。
ゲーム業界と異業種が交わることで、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性もある。

米国などで爆発的なブームとなっている任天堂のスマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」が、今月末にも日本でプレーできるようになる。
位置情報(GPS)を活用することで、現実世界を舞台に、ポケモンをスマホ画面上で捕まえたり、交換したり、バトルしたりするゲームだが、米国などでは“リアル”の世界でトラブルが続出。
さらにサイバー犯罪も起きている。
日本人の歩きスマホは、海外で「スマホゾンビ」と報じられるほど。
日本は大丈夫なのか。

ポケモンGOの使用では、すでに米国では歩きスマホ状態になって人や車にぶつかったり、崖から落ちたり、あるいは立ち入り禁止区域に入り込むなどして、大問題になっている。
車社会の米国だけに、運転時にスマホを使うことも問題化し、衝突事故も起きているというから大変だ。

ポケモンGOは、衛星利用測位システム(GPS)とグーグルの地図情報を利用し、スマホ画面を通じて街中にいる架空のキャラクターを捕らえて集めるゲーム。

所構わずゲームに夢中になるため、戦没者が眠る首都ワシントン近郊のアーリントン国立墓地や、ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺の犠牲者を慰霊するワシントンのホロコースト博物館にも、ポケモンの捕獲に走り回る人々が入り込む事態も発生している。

かつてNTTドコモが、東京・渋谷のスクランブル交差点の横断者1500人が全員歩きスマホをしていたらどうなるかというシミュレーションを行った。
なんと衝突が446件、転倒が103件という結果が出た。
通常のSNS利用やウェブ検索しながらの歩きスマホに、ポケモンGOが加わったら、もっと恐ろしいことになるかもしれない。

一方、米国ではすでにサイバー犯罪も横行している。

セキュリティーソフト「ノートン」を開発・販売するシマンテック社は「サイバー犯罪者もすかさずこの人気に便乗、詐欺の手口を編み出し“トロイの木馬”を仕込んだアプリで、ポケモンGOプレーヤーの隙を狙い始めました」と指摘する。

ポケモンGOは基本的には無料でプレーできるが、ゲーム内課金があり「ポケコイン」と呼ばれる仮想通貨を購入することで、レアアイテムをゲットし、ゲームを優位に進められる。

「この課金システムをすり抜けるために、無料または格安のポケコインをオンラインで探すユーザーも現れていますが、それも残念ながら、詐欺師の想定範囲内でした」とシマンテック社。

英語で「ポケモンGO無料コイン」などと検索すると「ポケコインのハッキングツールが使えた実例」と称するサイトが表示される。
これが完全な詐欺サイトで、ユーザー名やパスワード、希望コイン枚数などを聞いてくる。
アンケートに答えると、アプリをインストールするか、サービスに登録するか求められる。

「指示に従っても無料でポケコインが手に入るわけではありません。
ユーザーが参加することで詐欺師がアフィリエイト報酬を得るだけ」(同)
さらに、トロイの木馬を仕込んだアプリをポケモンGOに偽装し、拡散する事例がある。
トロイの木馬とは、ギリシャ神話で中に兵士が入った木馬をトロイの町に招き入れさせたように、危険と思わせないでダウンロードさせるもの。
ポケモンGOだと思ってダウンロードしたらニセモノで、攻撃者がスマホのアクセス権を掌握し、個人情報をごっそり抜き取られるというから恐ろしい。

こうなると、ネットバンクやクレジットカードからカネが不正送金されかねない。

対策として「非公式のポケモンGOをダウンロードしないこと。
攻撃者は正規のゲームに偽装したマルウエアを拡散するために非公式のサイトを利用しています。
ゲームのチートツールは詐欺やマルウエアを含んでいる場合があるので使わないこと。
スマホのファームウエア(内蔵ソフト)を最新に保ってください」(シマンテック社)。

英語圏と違い、日本人は日本語という特殊な言語を使用していることによって、海外のサイバー犯罪者の餌食になるケースは少なかった。
しかし翻訳ソフトの機能向上などによって、サイバー犯罪者は“小金持ち”の日本人を狙いだしてきた。
ポケモンGOがそのきっかけになることは十分考えられるだけに警戒が必要だ。

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