ポケモン相場活況 任天堂株急騰、投資家もGO 割安な関連銘柄物色
米国などで大ヒットしているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」が東京株式市場でも旋風を巻き起こしている。
ポケモンGOの開発元に出資する任天堂の株価は1カ月前の倍近くまで跳ね上がった。
“関連銘柄”を物色する動きも活発で「ポケモン相場」を形成している。
ポケモンGOは、スマホのカメラを通じて、現実の風景の中に現れるキャラクターを捕まえて遊ぶゲーム。
菅義偉官房長官が21日の記者会見で言及するなど、日本でも配信を前に注目度は非常に高い。
任天堂株は同日、前日比235円高の2万8000円で取引を終了。
株式売買代金は1位だった。
19日には約6年3カ月ぶりの高値をつけるなど、ポケモン相場の牽引(けんいん)役となっている。
任天堂株は100株単位で売買する必要があり、手を出せる投資家は限られてくる。
そこで目を向けられているのが、割安な“関連銘柄”だ。
日本マクドナルドホールディングス(HD)は、ポケモンGOと連携サービスするとの情報が20日の取引時間中に流れ、一時14%高となった。
21日は反落したが、期限切れの鶏肉使用などの問題で低迷していたことも買いを誘っている。
サノヤスHDは、子会社がポケモンの体験型施設を運営している点が好感され、21日には年初来高値を更新した。
任天堂は株価の動向について「何も申し上げられない」とするが、ポケモンGOが脚光を浴びる理由についてカブドットコム証券の河合達憲氏は「欧州連合(EU)からの離脱に揺れる英国で新しい首相が決まるなど、投資の材料がないため」と解説する。
一方で河合氏は「今後、任天堂がゲーム専用機をどう位置づけるのかという問題が必ず出てくる。
同社の戦略次第では株価が急落する可能性もある」と語る。