日経平均は続伸、弱含む円相場・原油高が支援

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[東京9日ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続伸した。
序盤は前日の大幅高の反動で小口の利益確定売りが先行したものの、程なくしてプラスに転じた。
弱含む円相場と原油相場の上昇が投資家心理を改善させた。
後場はじり高の展開となり、1万6700円台を回復。
終値は7月21日以来、約半月ぶりの高値水準を付けた。

値がさ株のファーストリテイリング<9983.T>が5日ぶりの反落となり指数の重しとなった一方、ソフトバンクグループ<9984.T>が3%超の上昇。
ソフトバンク1銘柄で日経平均を約24円押し上げる要因となった。

直近で軟調だった食品、医薬品関連に押し目買いが入ったほか、米原油先物<CLc1>が1バレル43ドル台を回復したことなどを背景に、石油関連株がしっかり。
日銀によるETF(上場投資信託)買い増額を背景とした需給安心感も強く、日中は売り込みにくさを意識させた。

また任天堂<7974.T>が再び活況となり、売買代金は東証1部全体の9%を占めトップとなった。
スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の配信開始後、1カ月間の世界売上が2億ドルを超えたとの調査会社の推計が材料視されたという。
終値は前日比7%超高。
関連銘柄と位置付けられるサノヤスホールディングス<7022.T>なども急伸した。

全体相場に対しては、為替がややドル高/円安方向に振れた後、1ドル102円台で落ち着いた動きとなったことも安心感をもたらしたが、日本株をめぐっては「リターンリバーサルの動きも煮詰まってきた印象。
新規資金が流入しているというより、日本の市場のなかで資金が循環し、指数だけが上昇している感がある」(水戸証券投資顧問部ファンドマネージャーの酒井一氏)との声も出ている。

個別銘柄ではこのほかブラザー工業<6448.T>が一時22%超高となり、年初来高値を更新した。
8日、2017年3月期の通期連結業績(IFRS)について、純利益予想などを上方修正したと発表したことが好感された。
自社株買いを発表した日機装<6376.T>も堅調。
半面、4─6月期業績がさえない内容となった後発医薬品大手の沢井製薬<4555.T>、東和薬品<4553.T>、日医工<4541.T>は大幅安となった。

東証1部騰落数は、値上がり1246銘柄に対し、値下がりが581銘柄、変わらずが142銘柄だった。

日経平均<.N225>
終値 16764.97 +114.40
寄り付き 16632.41
安値/高値 16630.56─16779.59
TOPIX<.TOPX>
終値 1317.49 +11.96
寄り付き 1305.27
安値/高値 1304.79─1317.87
東証出来高(万株) 189247
東証売買代金(億円) 22254.33
(長田善行)

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