株式市場、急ピッチな上昇に過熱感 17年は円安・株高さらに進むか

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今年ほど兜町に“まさか”の声があふれた年はないだろう。
年初の株価急落、日銀のマイナス金利、英国の欧州連合(EU)離脱決定、任天堂の「ポケモンGO」フィーバー、そして米国の大統領選挙。
2016年の東京株式市場は「申酉(さるとり)騒ぐ」の相場格言通り、波乱が続いた。
重要イベントを通過した“あく抜け感”もあり、足元での株価は上がっているが、急ピッチな上昇には過熱感を危惧する声も出始めている。

アナリストの予想がことごとく裏切られた一年だった。
6月24日には、英国のEU離脱・残留を問う国民投票で離脱が決定。
11月9日の米国大統領選挙では、不動産王トランプ氏が勝利。
どちらも多くの専門家の事前予想とは異なっていたため、株式市場は動揺した。

日銀の金融政策は肩すかしに終わった。
円安効果を発揮すると言われたマイナス金利は銀行の収益を圧迫しただけ。
4月の金融政策決定会合では現状維持を選び市場の失望を誘った。
日銀政策の限界論は市場の共通認識となりつつある。

ただ、うれしい“まさか”もあった。
任天堂初のスマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」が世界的に大ヒット。
配信前から任天堂の株価は急上昇し、関連銘柄と目された企業の株価が上昇。
関連株はその後値段が崩れた銘柄も多いが、任天堂株は堅調な値動きを続けている。
日本のコンテンツ力への期待を証明した一幕だった。

17年の株式市場はどうなるか。
カギを握るのが米国だ。
米国経済が堅調に推移し、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げが複数回行われれば、日米金利差が拡大、さらに円安株高になりそうだ。
野村証券は17年末で日経平均2万1000円と予想。
ただトランプ米次期大統領の保護主義的な思想からドル安政策を取る可能性もあり、油断はできない。

来年の干支は酉。
16年に引き続き「申酉騒ぐ」一年となりそうだ。

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