旧正月、韓国人の10%はポケモンGOを楽しんだ
旧正月の28日夜、商店の明かりも消えたソウル恩平区(ウンピョング)のある路地に近所の若者が一人、二人と集まった。
立ち止まったところは中華料理店の入口にある石像の前だった。
すでに15人がスマートフォンの画面を触っていた。
「ポケモンGO」ゲームをしながら「ポケストップ」を探しに来た人たちだ。
ポケモンを捕まえるには「モンスターボール」というアイテムが必要だが、このボールを指定された「ポケストップ」で入手できるからだ。
付近の住民イさん(36)は「旧正月の料理を食べ過ぎて消化もしないので散歩を兼ねてポケストップを探しに来た。
この時間にこの路地にこれほどの人たちが集まっているのを初めて見た」と話した。
「ポケモンGO」は任天堂が米国拡張現実(AR)企業ナイアンティックと共同で開発し、昨年7月に配信を始めたゲーム。
街中を歩きながら衛星利用測位システム(GPS)を利用してポケモンを捕まえ、対決するという内容だ。
韓国では束草(ソクチョ)など一部の地域に限りゲームが可能だったが、24日に正式に配信が始まり、全国で楽しめるようになった。
配信直後に旧正月連休に入ったため、ポケモンGOの利用者が爆発的に増えた。
モバイル市場分析会社ワイズアプがアンドロイドフォン使用者2万3000人を標本調査した推定値によると、24日に291万人だった一日の利用者数は旧正月当日の28日には524万人に増えた。
国民の10人に1人は旧正月にポケモンGOゲームをしたということだ。
同じ帰省中にゲームを始めても故郷がどこかによって状況は違った。
シムさん(29)はソウル陽川区(ヤンチョング)の親の家で過ごす2日間にゲームの等級を11レベルまで上げた。
ポケモンもアイテムも多く得たからだ。
イさん(30)もソウル松坡区(ソンパグ)にある夫の実家の前でレアな「メタモン」を捕まえ、「メタモンを捕まえたことで夫の実家に行く足取りが軽くなった」とコメントした。
田舎に行った人は逆だ。
慶州(キョンジュ)金尺里(クムチョクリ)の故郷に帰ったノさん(31)は「ここにはジム(ポケモンで対決できるところ)どころかポケストップも一つもない」と失望感を表した。
高速道路ではポケモンが現れないことも連休を過ごしながら広く知られた。
ソーシャルネットワークサービス(SNS)では「瑞山(ソサン)に来たが、ポケストップがない」「部屋でアイドルの歌を聴いている途中、いとこの女の子がポケモンを捕まえようと歩き回っているのを見て驚いた」「田舎に一つだけあるポケストップに遅い時間まで多くの人が集まっていた」など、ポケモンGOで変わった旧正月の風景が伝えられた。
すぐに手がかじかむ寒波と大雪が続いたために変則的なノウハウも登場した。
ポケモンGOは外を歩き回ってこそ進行できるゲームだ。
速度が少しでも速くなると自動車に乗っているものと認識するため、車でポケストップを巡回するのも難しい。
しかしバスに乗れば停留場に停車するたびにゲームを楽しめるということが知られ、オンラインで「ポケモンGO路線」の共有が活発に行われた。
ソウルでは清渓川(チョンゲチョン)1−8街、新村(シンチョン)などポケストップ密集地域を通過する163番バスが人気推薦路線となった。
ロボット掃除機を利用して家の中でゲームを楽しむ方法も登場した。
あるネットユーザーはポケモンGOがロボット掃除機の速度を歩行と認識すると伝え、スマートフォンを載せたロボット掃除機が家の中を動き回る場面を撮って掲載したりもした。