日米でソニーの決算が好感された3つの理由
まず第1に、見かけほど実態は悪くなかったという理由です。
Q1の営業利益は減益となっていましたが、前年度Q1および今年度Q1にあった特殊要因を考慮すると、実質的には増益となっていたためです。
具体的には、前年度Q1営業利益にはOrchard Media持分再評価益、ロジスティックス事業売却益、PSNサイバー攻撃関連保険収益で、合計+351億円の嵩上げ要因が含まれていました。
これを除くと実質の営業利益は618億円となります。
一方、今年度のQ1営業利益は562億円でしたが、そこには4月に発生した熊本地震のマイナス影響が▲342億円含まれています。
地震という不可抗力によるマイナス影響を取り除くと、実態ベースでは904億円の営業利益であったことになり、これを先ほどの前年度の実態ベースの営業利益と比較すると、実態は+46%増益の大幅増益であったという試算が可能となります。
Q1決算では、震災影響を受けなかった電機メーカーの多くが、急速な円高や世界景気の減速などにより減益決算を発表しています。
一方、ソニーは震災影響など特殊要因を除くと実態ベースでは増益となっています。
この相対比較での健闘が好感された可能性が十分に考えられます。