「FFXII THE ZODIAC AGE」をプレイデモで紹介
スクウェア・エニックスは、米ロサンゼルスで開催されているE3 2016で、プレイステーション 4用RPG「ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ(以下、FFXII THE ZODIAC AGE)」のスタジオイベント「FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE Gameplay Walkthrough and Q&A Hosted By The Completionist」を開催した。
放送には、プロデューサーの加藤弘彰氏と、ディレクターの片野尚志氏が登場し、ゲームの紹介や質疑応答を行なった。
――10年前に発売されたオリジナル版の思い出を教えてください。
片野尚志氏:オリジナル版はちょうど10年前のE3に初プレイアブル版を出展しました。
当時はリードプログラマーで参加して、このE3会場に来ていました。
そこで初めて、開発の人間以外が遊んでいるのを見たのが、非常に思い出深いです。
加藤弘彰氏:リマスター版を作るにあたって、改めてプレイしなおしてみましたが、映像やサウンドの表現、やりこみ要素を含めたバトルの表現が今見てもハンパないなと。
当時は、よく頑張っていたなと改めて思いました。
10年後の今、お披露目できるのは、あの時のみんなの頑張りがあったからです。
――イヴァリースの世界やバトルシステムについて教えてください。
加藤氏:「FFXII」は、シミュレーションRPGの「ファイナルファンタジータクティクス(FFT)」と同じ世界イヴァリースを舞台としています。
2つのゲームには、数千年ほどの違いがあるので、「FFT」をプレイしていなくても「FFXII」の奥深い世界を堪能することはできます。
文明レベルでいうと、西洋の16世紀から17世紀をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
――その世界でどんなストーリーが展開するのですか?
加藤氏:イヴァリースには人間以外にもトカゲ人間のバンガ族とか、ウサギの耳が生えたヴィエラ族など、様々な種族がいることが魅力の1つです。
そんなイヴァリースは戦乱の時代を迎えていて、ダルマスカという小国を舞台に物語が始まります。
ダルマスカは強大な軍事帝国のアルケイディア帝国に支配されてしまいます。
唯一の王位継承者の王女アーシェは抵抗運動に身を投じます。
一方、ヴァンという少年がいて、彼は戦火で家族を失って、大空を自由に飛び回る空賊にあこがれています。
アーシェとヴァンの出会いによって、国家や人々の運命を大きく変えていくのがメインストーリーになります。
――バトルシステムについておさらいしてください。
特にガンビットについても。
加藤氏:「FFXII」では、従来の「FF」シリーズにあった、フィールドを移動中に敵とエンカウントして画面が切り替わるという方式をやめて、シームレスにバトルが始まるエンカウント方式を採用したことが大きな変化です
――「FFXI」にもみられたようなものですね。
加藤氏:バトル自体は「FF」でおなじみのアクティブタイムバトルシステム(ATB)ですが、パーティは「ガンビット」というプレーヤーが設定する作戦に応じた行動をとります。
@@em|s|――基本的にはプログラムのようなものですね。
加藤氏:@@行動だけではなくて、敵との距離もガンビットの設定に応じて、詰めたり離れたりという行動を自動でとってくれます。
ガンビットはやや複雑ですが、ゲーム自体は簡単で遊びやすくなっています。
――ATBが進化した、新鮮な感じですね。
加藤氏:ATBに空間性を加味したもので、アクティブディメンションバトルと名付けています。
ATBの時間に距離を加味して、よりリアルな戦闘が楽しめるシステムが、このゲーム最大の特徴です。
――今回のリマスターは、「インターナショナル版」がベースになっていますが、オリジナルと比べてどう変わっているのですか?
加藤氏:「インターナショナル版」は、「FFXII」に新システムなどを導入した、遊びやすいスペシャルバージョンです。
最大の特徴はジョブシステムを導入したことです。
ナイトや、時空魔戦士など12の職業があって、キャラクターを育てていけるようになっています。
――バトルシステム以外で追加された要素はありますか?
加藤氏:まずは「トライアルモード」です。
これはゲームの本編に登場する様々なモンスターと連戦バトルをするモードです。
全部絵100ステージあるのですが、自分の育てたパーティメンバーを使って、どこまで到達できるかを試すやりこみ要素です。
マックスレベルの99でも、ガンビットの設定によっては後半の敵には勝てなくなるので、この敵にはこのガンビットと試行錯誤していくゲームになっています。
――各キャラをどう使うかを習得しないといけないのですね。
加藤氏:当時私もトライアルに挑戦して、どうしても勝てないところが出てきたので伊藤裕之に聞いたら、それは自分で探してくれと突き放されて、結局QAスタッフにこっそり攻略法を教えてもらってクリアした思い出があります。
ほかにもバトルのパラメータや、ショップ、トレジャーといったすべての要素を改良して遊びやすくなっていました。
オリジナルの「FFXII」では、ストーリー中に仲間になる召喚獣は操作できなかったのですが、「インターナショナル版」では操作できるようになりました。
ですので「FFXII」をプレイしていない人はもちろん、「FFXII」を遊びつくしたという人でもよりディープに遊んでいただけるゲームです。
――その当時に完成されたゲームを、10年後の今改めて作ってみてどうですか?
加藤氏:改めてプレイしてみても、全然古臭さを感じずに楽しめるゲームです。
そこから、映像の表現力やサウンドを改良して、現世代のゲームとして楽しんでいただけるゲームに仕上がっています。
画面は、オリジナル版「FFXII」の映像の持ち味を残した状態で、高品質化を図っています。
ですので、ジャッジの鎧の金属感は表現しつつ、キャラクターの表現はオリジナルの部分を残しています。
――記憶の中とそっくりですね。
加藤氏:記憶の中で美化されたものをそれ以上に見せようとやっています(笑)。
片野氏:PS4版ということでカメラの表現も強化しています。
自然に見えるよう、いろいろ工夫をしています。
――システムはどこが変わっているのですか?
片野氏:まずは倍速を2倍速と4倍速を実装しようと思っています。
大きなフィールドを歩くときには4倍でいいのですが、ダンジョンでは壁にぶつかったりと遊びにくいので。
――やりこみがしやすくなる要素は嬉しいですね。
片野氏:それからロケマップの強化です。
10年前には画面を切り替えないとロケマップを表示できなかったのですが、これは10年後の今プレイすると、ちょっと大変かなと思ったので、今回は重ねて出せるようにしました。
マップジャンプのロード時間も短くなって、ストレスなく切り替えできるようになっています。
さらにマップジャンプ時にオートセーブを入れるようにしています。
広いフィールドでセーブクリスタルが遠い時に、手助けになると思います。
――音に関しても、コメントをいただけますか。
片野氏:音も改良しています。
効果音について、PS2では疑似的なサラウンドしか実装できなかったのですが、今回は本当のサラウンドで臨場感がある効果音になっています。
ボイスも高品質化しています。
実際に声を聴いていただければわかりますが、オリジナルよりも聞きやすい音声になっています。
キャストはオリジナル版と同じですが、今回は日本語版と英語版が切り替えられるようになっています。
BGMもすべての曲で、生楽器の新録版とシンセの原曲を聞くことができます。
崎元仁氏からのコメント:「FF12」の映像やゲームを見直しているのですが、このゲームを作っていた当時のことをいろいろと思い出しました。
音楽はあまり暗い方向にはいかないようにしていましたので、話が重くなっても希望を失わないように曲を作ったものを思い出しました。
今回のリマスター版は製作者としてはとても嬉しいです。
音楽に関しては当時も本当は全曲生演奏でやりたいという意向がありましたので、今回はそれをしています。
何しろ曲数が多いので、いま鋭意製作中です。
このくらい時間がたつと、わりあいフラットな目線で楽しめるようになるので、1ファンとしてもう少しこうしてほしかったというものを全部盛り込みたいと思っています。
楽しみにしてください。
加藤氏:日本では今朝の5時くらいですが、たぶんこの時間も崎元さんは一生懸命ミックス作業をしている可能性がありますね。
崎元さん、頑張ってください!みんな待ってますので(笑)。
――フィギュアについても教えてもらえますか。
加藤氏:今回「FFXII」の発売を祝しまして、「FFXII」関連のグッズをローンチします。
フラン、ジャッジ・ガブラス、バルフレアの3つがあります。
結構サイズ感もあって、稼働してポーズがつけられるので、ゲーム中のポーズも再現できます。
飾るにはちょうどいいかなと。
フランはすでに発売中で、バルフレアが10月、ガブラスが11月に発売します。
――今日はありがとうございました。
加藤氏:今開発中なので、これからさらによりよくします。
頑張ります!
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