「ベストツイート・オブ・ザ・イヤー」経済イベントで振り返る2016年
2016年もいよいよ残り僅かとなった。
金融・経済関係のニュースを振り返りながら、筆者独自の視点で「ベストツイート・オブ・ザ・イヤー」を選び紹介していきたい。
■「いいね、この掌返しっぷりw」@chemisuke_sikyo
ーーツイッターではトランプショックが注目
いいね、この掌返しっぷりw pic.twitter.com/LadX1vQs9I
— ケミ介 (@chemisuke_sikyo) November 13, 2016
11月8日の米大統領選は2016年を振り返ってみると最大のイベントだった。
マスコミは事前にクリントンの優勢を報道、トランプ氏の勝利の場合はトランプリスクで世界の株価は少なくとも10%は調整し、リスク時のヘッジ通貨である円は対ドルで100円を割ると予想するエコノミストやストラテジストが大半だった。
トランプ氏のリードが世界で一番に評価されることになった東京市場では一時日経平均1000円安。
大暴落の始まりかと思われたが、海外では一転し株式市場は急上昇。
トランプショックが直撃した市場は日本だけだった。
トランプショックから間もない11月14日に専門家に問い合わせたアンケートの結果がこれ。
「いいね、この掌返しっぷりw」というツイッター。
投資をしているほとんどの人がエコノミストやストラテジストのお気楽さに同意した瞬間だった。
■「#アベノリスク」
ーー黒田日銀総裁なにをやっても裏目
日銀が歴史的なマイナス金利を導入したのが1月末の決定会合だった。
一時日経平均は急騰、円は急落したが、すぐに往って来いの展開となった。
16年前半は安倍首相や黒田総裁が何をやっても株は下がり、円は買われた。
いつのまにか、ツイッターのハッシュタグ(#)に、「#アベノミクス」でなく「#アベノリスク」を入れることが流行った。
アベノミクスの限界が意識された16年前半だった。
■「ポケモンGOとかけまして・・・・」
ーー任天堂がまさかのストップ高、一日で時価総額6000億円増
ひたすらゲームコンソールにこだわり、モバイル市場に参加をしてこなかった任天堂が方針転換。
7月にポケモンGOのダウンロードが開始になると世界中で社会現象となり、任天堂の株価はわずか1週間で倍になった。
東証での売買代金も7月20日には7323億円と東証史上過去最高を記録、任天堂だけで東証の売買代金の27%を占めるという狂想曲を演じた。
そこで、このツイート「ポケモンGOとかけまして、夏の終わりととく。
どちらも飽きがくる(秋が来る)でしょう」。
ポケモンGOとかけまして、夏の終わりととく。
どちらも飽きがくる(秋が来る)でしょう。#なぞかけ #任天堂 #ポケモンGO #ポケモン #株 #株価 #ストップ高 #ストップ安 #ポケモンGO飽きた #空売り— MEGUMI@世界一周 (@entlemang) July 25, 2016
うまい!座布団1枚。
任天堂はその後「マリオラン」もリリースしたが、いまだに夏の狂想曲の高値は超えない。
■AIがマスコミや投資を席巻?
ーーポピュリズムの台頭が決定的、トランプショックへの布石
英国民がEU離脱を希望するとは、事前の報道では考えもしなかった。
BREXITも2016年のサプライズだった。
こういう経験を積むにつれ、マスコミ報道の限界を感じることが多くなった。
!!
英国民投票前に、「英EU離脱Brexitの可能性が7割」と予想し、見事に的中させた大手マクロ型ヘッジファンドのAI(人口知能)分析モデルによれば、最新の一般世論調査では「クリントン勝利が7割」と予想される大統領選の結果とは真逆の「トランプ勝率7割」と予想しているという。
— yori (@nakada720) November 8, 2016
2016年は金融界でもAI元年となり、みずほ銀、楽天証券、三菱UFJ信託銀などがAIとディープラーニングを使い投資家にETFなどのポートフォリオ運用をアドバイスするロボアドバイザーを始めた。
またYAHOO JAPANグループは、AIで運用する実質初の公募投信を12月に開始した。
AIが、マスコミや投資を席巻する時代は近いのだろうか。
平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。
ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。
国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。
現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。