振動制御でさまざまな触感… 任天堂、新型ゲーム機「スイッチ」3月発売

任天堂は13日、新型ゲーム機「NintendoSwitch(ニンテンドースイッチ)」を3月3日に、日本、米国、欧州主要国などで発売すると発表した。
日本での価格は2万9980円(税別)で、新型ゲーム機の投入は約4年ぶり。
スマートフォン向けゲームの市場が広がる中、ゲーム専用機ならではの魅力を打ち出せるかが注目される。
(高橋寛次)
13日に東京都内で開いた発表会で君島達己社長は「プレースタイルを多様化する新しい据え置き型ゲーム機だ」とアピールした。
ゲーム機本体に画面を搭載しており、従来の据え置き型ゲーム機のようにテレビに接続して遊ぶだけでなく、外出先などでも遊べるのが特徴だ。

発表会ではスイッチのコントローラー「ジョイコン」に搭載された「HD振動」という新機能も明らかになった。
振動を緻密に制御し、「グラスの中で氷が揺れている」など、コントローラーを握る手にさまざまな触感を伝える仕組みで、これまでにない臨場感が表現できるという。

ジョイコンの表現力を生かした「ワンツースイッチ」というソフトは、コントローラーを使って早撃ちや、牛の乳搾り競争などが楽しめる。
担当する任天堂の河本浩一氏は「パーティーの定番、コミュニケーションのきっかけになる」と強調。
ゲーム雑誌「ファミ通」を発行するカドカワの浜村弘一取締役は「任天堂らしいユニークなゲーム機。
かつてのWii(ウィー)の市場を取る狙いがある」と指摘した。

平成18年に発売されたWiiは、コントローラーを振るなど感覚的な操作でゲームに関心がなかった層を開拓し、1億台超の累計販売台数を達成した。
だが、24年発売の後継機「WiiU(ウィー・ユー)」では、新たな遊び方の浸透が進まず、販売台数は1336万台にとどまった。

また発表会では3月3日に「ゼルダの伝説」の最新作を、今冬には「スーパーマリオ」の最新作を発売するなど予定も公表した。
スイッチ向けに、約50社が80作品を開発中だという。
ただ、サプライズは限定的で、東京株式市場の任天堂株は売り込まれ、株価は前日比で一時6・3%安まで下げた。

ゲーム市場では消費者の“多数派”がスマホに移った中で、据え置き型ゲーム機が巻き返しを果たすには、独自機能を生かした人気ソフトをどれだけ生み出せるかがカギとなる。

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