スタジオカラー監督が語る『GRAVITY DAZE 2』SPアニメ、タイトルに込めた意味とは
箱庭系ゲームに“重力”という新たな要素を加え、空中都市・ヘキサヴィルを舞台に、主人公の少女・キトゥンが駆け巡るアクションアドベンチャーゲームの人気作『GRAVITY DAZE』シリーズ。
今回、昨年末に、地上波ほかPS Store、ユーチューブにて配信されたスペシャルアニメーション「GRAVITY DAZE The Animation 〜Ouverture〜」を制作したスタジオカラーの小林浩康監督とプロデューサーを務めたソニー・インタラクティブエンタテインメントの和家佐恭介に作品への思いを伺った。
『GRAVITY DAZE 2』フォトギャラリー
1月19日に発売予定のPS4用ゲーム『GRAVITY DAZE 2/ 重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』は、12年2月にPS Vita版、15年12月にリメイク版を発売した『GRAVITY DAZE/ 重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動』の続編。
浮遊感のある独特な世界観により人気を集め、スタジオカラー制作のスペシャルアニメーションは、前作と本作を繋ぐ“前日譚”となる。
PS Vita版の発売から約5年、前作からのファンの反応も鑑みる中で「世界観を再構築し直したイメージ」と本作の印象を語る和家佐。
当初、スケジュールなどの関係から「全体像からおおよそ半分ほどの物語で収めた」と話すが、PS VitaからPS4にプラットフォームを変えたことで「キトゥンを中心とした物語がようやく“完結”を迎えられます」と手応えを話す。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズのCGI監督で、スペシャルアニメーションの監督を務めた、小林監督は「元々、自分自身も前作のファンであり社内のスタッフやクリエイターにも愛されている作品」とシリーズを評価。
コントローラを通して伝わるのは、壁面すら移動可能になるという独特な浮遊感。
もしキトゥンのように重力を操れるようになったらという質問に「タワーマンションの最上階に憧れがあるので、ベランダから気軽に出入りしてみたい(笑)」と話す和家佐。
一方、小林監督は「ゲーム内のように上空から落ちても、何気ない顔でさっそうと立ち去りたい(笑)」と自身の願望を述べる。
スペシャルアニメーションのタイトルに冠されたのは、英語での「Overture」にあたる「序曲 」を意味する仏語。
和家佐は、「前作と今作の間を繋ぐ橋渡し役のストーリーとなります。
初めての人にも世界観やキャラクターの個性、アクション性が伝われば」とコメント。
小林監督は「ゲームとは違ったアニメならではの表現、ゲーム内で『それぞれのキャラクターにこういうことがあったのか』と気づけるような作品」を目指すと語っていた。
ゲームのトレンドとして「セルシェーディング (3D映像を2D表現のように見せる技術)による映像は異質なものと捕らわれがちですが、それが逆に新鮮さに繋がり、キトゥンを中心とするキャラクターごとの人間味や世界観の魅力にきっと気づけます。
タイトルの“選択”にある通り、キトゥンが何を選び、どんな世界で生きるのか。
多くの人に見届けて欲しい」と願う和家佐。
キャラクターが最大の魅力というのは「和家佐さんに共感する部分」と話す小林監督は「ゲーム内で描かれない文脈や背景を“前日譚”となるアニメで表現していきたい」として、インタビューを締めくくった。
(取材・文:カネコシュウヘイ)
PS4『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』は、1月19日発売。
パッケージ版は初回限定版&通常版ともに6900円(税別)、ダウンロード版は予約購入専用価格は6372円(税込)、販売価格は7452円(税込)。