トランプ演説が「まとも」で185円上昇した週

downloaddata_168.jpg

2月27日の日経平均は大幅安で今年初めての4営業日続落。
前週末24日のヨーロッパ市場は揃って下落。
NYダウは終盤に急騰して終了直前にプラスに滑り込み11ドル高で11営業日続伸、11営業日連続史上最高値更新。
この「わざとらしさ」は伝説になりそう。
NASDAQもS&P500もプラス。
原油先物市場は小反落したが54ドル台維持。
金先物は反騰。
ミシガン大学消費者態度指数確報値は96.3で市場予測を0.3ポイント上回り、1月の98.5には及ばないが高水準維持。
1月の新築住宅販売件数は+3.7%で伸びが市場予測より2.3ポイント低かったが、住宅需要は依然、力強い。
アメリカの長期金利が低下して為替のドル円は一時111円台になり、NY時間の終値は112円近辺。
ユーロ円は118円台前半と円高が厳しく進行。
大阪夜間取引終値は19090円。
CME先物清算値は19160円。
27日朝方の為替レートはドル円が112円台前半、ユーロ円が118円台後半。

日経平均始値は153円安の19130円。
高値は1時9分の19178円。
安値は10時15分の18995円。
終値は176円安の19107円。
日経平均は3ケタ安で今週の取引が始まる。
TOPIXも2ケタのマイナス。
序盤は為替レートがドル円は112円割れ、ユーロ円は118円台前半まで円高が進行するが、日経平均は何度か19100円を割るものの、おおむね19100〜19150円で底堅い。
日足一目均衡表の「雲」の上限は19079円。
為替は乱高下し、112円割れしたドル円が円安方向で112円台に戻ったのに、10時台になると日経平均は逆方向の下振れ急落で、先物主導の仕掛け売りで雲の中に落ちる。
10時15分にはついに19000円割れ。
それでも大台割れは短時間だけで19000円そこそこの水準で推移。
やはりキリのいい心理的節目は先物、オプションの売買ポジションが集中し、反発力がある。
11時台になると水準を少し上げて前引けは223円安。
TOPIXは2ケタ安で、これで日銀のETF買い704億円が入らなかったら、日銀には何か特別な意図があると思われる。

昼休みに為替のドル円は円安方向に振れ、後場の日経平均は19100円台に乗せて再開。
TOPIXも下げ幅圧縮。
1時を回ると19100円台後半に上昇する。
仙台市のさくら野百貨店(非上場)が負債31億円で自己破産したが、小売セクターはプラスでほとんど反応せず。
2時に日本フードサービス協会から1月の外食売上高が発表された。
全店ベース前年同月比+2.4%で5ヵ月連続のプラス。
ファストフードは+4.2%、ファミリーレストランは+0.8%。
1月の自動車各社の生産実績は、トヨタ は国内-3.7%、海外+4.8%、日産 は国内+48.1%と急増、海外-1.8%、ホンダ は国内+1.7%、海外+2.2%。
自動車8社の輸出台数は10ヵ月ぶりのマイナスになった。
終盤、ドル円は112円台前半で動くが、日経平均は3ケタマイナス圏でやや下落して19100円をめぐる攻防。
大引けでは「雲」も、19100円も上回って終えた。
日銀のETF買いはきちんと入っていたが、為替のリスクオフには勝てず終始マイナスだった。
4営業日続落は昨年7月以来。

日経平均終値は176.07円安の19107.47円、TOPIX終値は-16.14の1534.00。
売買高は18億株、売買代金は2兆1394億円。
値上がり銘柄数は431、値下がり銘柄数は1458。
プラスは小売、水産・農林の2業種。
マイナスは31業種で、下位は保険、鉱業、銀行、証券、不動産、海運など。
上海総合指数は0.76%安だった。

28日の日経平均は5営業日ぶりの小幅反発。
ヨーロッパ市場は大統領選挙に揺れるフランスが小幅安、英国とドイツは上昇。
メイ首相がスコットランド独立をめぐる住民投票実施の可能性に言及と報じられポンド安。
週明けのNYダウはマイナスの時間帯もあったが終値15ドル高で12営業日続伸、12営業日連続史上最高値更新。
あと1日で1987年1月の13連騰に並ぶタイ記録樹立。
NASDAQもS&P500もプラス。
耐久財受注は+1.8%だが非国防部門は-0.4%、仮契約住宅販売指数は金利上昇で-2.8%。
しかしNY市場は経済指標が多少悪くても傷つかない「テフロン相場」になっている。

有名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイがアップル株を1億2000万株買ったというニュースでアップル株は小幅上昇。
トランプ大統領が予算教書で軍事費を約1割増、540億ドル増額すると表明し、ボーイングもローキード・マーチンもレイセオンも株価上昇。
そのトランプ政権の「仮想敵国」メキシコのグアハルド経済相は、NAFTAの再交渉でアメリカが関税の話を始めたら交渉を即座に打ち切ると表明した。
原油先物価格は小幅高で54ドル台維持。
金先物は3営業日続伸。
ダラス連銀のカプラン総裁が「利上げは近い将来必要」と発言してアメリカの長期金利が上昇し、朝方の為替レートはドル円が112円台後半、ユーロ円が119円台前半でやや円安に振れた。
大阪夜間取引終値は19210円。
CME先物清算値は19195円だった。

日経平均始値は87円高の19194円。
高値は9時25分の19267円。
安値は終値で「安値引け」。
終値は11円高の19118円。
前日発表された1月の国内建設受注額は+3.0%で6ヵ月連続のプラス。
官庁工事は-9.8%、民間工事は+7.4%。
2月の最終日なので取引時間前に政府発表の経済指標があり、1月の鉱工業生産指数速報値は-0.8%で市場予測の+0.4%に対し予想外の6ヵ月ぶりのマイナス。
1月の商業動態統計速報値の小売業販売額は前月比+0.5%、前年同月比+1.0%だった。
相変わらず+3.2%のコンビニが小売業全体を引っ張るという構図。

為替の前日比の円安を背景に日経平均は上げて19200円に接近して始まる。
直後19200円台にサッと乗せて3ケタ高。
9時台はおおむね19250円をはさんだ小動きだったが、10時前に為替が円高方向に振れるとあっさり19200円付近まで下がる。
「トランプ演説前の様子見」で、上値は追えずに為替変動には過敏になっている。
それでも10時台、11時台は19230〜19250円のレンジの小動き。
前場のドル円は112円台後半を保ち、前引けは131円高。
TOPIXも2ケタ高で日銀のETF買いはおあずけの公算大。

為替のドル円は112円台後半のまま。
後場の日経平均はほぼ前引け水準で再開し、前場に引き続いきおおむね19230〜19250円のレンジの小動きが、0時台も1時台も延々と続く。
1月の自動車輸出は前年比-5.8%で6ヵ月ぶりのマイナス。
自動車生産は前年比+3.84%で3ヵ月連続の増加。
2時発表の新設住宅着工戸数は前年同月比+12.8%で7ヵ月連続プラスで市場予測を上回った。
首都圏に限れば+25.5%で、東京五輪の選手村着工の影響が出た。
東京都が施主の「マンション」で、パラリンピック終了後に貸家になる部分と分譲になる部分がある。
全体の貸家は+12.0%、分譲は+27.3%、持ち家は-0.2%。
為替のドル円は徐々に円高方向に向かうが、2時台後半になると日経平均もTOPIXもズルズルと大引けまで下落し続ける。
以前は月末によく見られたドレッシング買いどころか「泥んこ美容」。
日経平均は19200円も19150円も割り込み、安値引けでかろうじてプラスを保って終了した。
TOPIXもプラス。
月末のMSCIのリバランスの影響もあったが、それよりやはり「トランプ議会演説こわい」。
日経ジャスダック平均は安値引けでもプラスはプラスなので12営業日続伸。

石川製作所 +14.12%で値上がり率3位、豊和工業 は+5.77%で値上がり率8位、その他、細谷火工 、日油 など、北東アジア情勢がキナ臭くなったら毎度おなじみの防衛関連銘柄が買いを集めた。
どこかの国の軍事行動で地政学的リスク浮上ではなく、アメリカの軍事予算の1割増額の連想買い。
それぞれ段ボール箱の製造機械、建具、非常用発炎筒、電子材料のような民間部門の事業も、ちゃんとある。

日経平均終値は11.52円高の19118.99円、TOPIX終値は+1.32の1535.32。
売買高は19億株、売買代金は2兆4611億円。
わずかなプラスでも値上がり銘柄数1203は値下がり銘柄数639のおよそ1.9倍もあった。
プラスは24業種もあり、その上位は石油・石炭、海運、証券、ガラス・土石、機械、繊維など。
建設1業種がプラスマイナスゼロ。
マイナスは8業種で、その下位は医薬品、情報・通信、食料品、不動産、輸送用機器、非鉄金属など。
上海総合指数は0.40%高だった。

2月の取引が全て終了。
前月末1月31日の終値19041.34円から77.65円上昇して今月の取引を終えた。
2ヵ月ぶりのプラスの月。

3月1日の日経平均は大幅続伸。
ユーロ圏の消費者物価指数は予想ほど高くなくユーロは買われない。
ヨーロッパ市場は英独仏揃って上昇。
プラスの時間帯もありながらNYダウは25ドル安で13営業日ぶりの反落。
トランプ大統領の議会演説直前でリスクが取りにくい中、ついに年貢の納め時がきて連騰も、終値ベースの史上最高値の連続更新も12営業日で途切れタイ記録ならず。
NASDAQもS&P500もマイナス。
原油先物価格は小幅反落したが54ドル台を維持。
金先物は4営業日ぶりに反落した。

You may also like...