『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』開発者インタビュー完全版を掲載!

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●レゴ化&ゲーム化のキーマンが登場!
ワーナー ブラザース ジャパンから2016年10月13日に発売予定のニンテンドー3DS、プレイステーション Vita、Wii U、プレイステーション4、プレイステーション3用ソフト『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。
2016年6月21日〜22日には、レゴ発祥の地であるデンマーク・ビルンにて、海外版『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の発売を記念したメディアツアーが開催された(記事はコチラ)。
メディアツアーでは、映画『スター・ウォーズ』をレゴ化(レゴ ブロックを始めとする『レゴ スター・ウォーズ』作品)するレゴ社のスペシャリストと、『レゴ スター・ウォーズ』をゲーム化する開発会社のクリエイターのインタビューセッションも行われた。
その模様は週刊ファミ通2016年8月4日号(2016年7月21日)に掲載されているが、今回はインタビューの完全版をお届けしよう。

●映画『スター・ウォーズ』をレゴ化するスペシャリスト!
――まずは、おふたりがこれまでに手掛けてこられた作品についてお聞かせください。

イェンス『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のディレクターです。
1998年からレゴ社に勤務し、『レゴ スター・ウォーズ』は1999年当初から手掛けております。

ヤコブレゴ社には6年半勤務しております。
その間ずっと『レゴ スター・ウォーズ』の担当だったわけではありませんが、ここ2年間は携わっています。
キャラクター担当で、ミニ・フィギュアが私の専門分野です。

――映画の『スター・ウォーズ』をレゴ化するにあたって、とくにこだわっている点をお聞かせください。

イェンス映画の『スター・ウォーズ』から『レゴ スター・ウォーズ』を作るためには、もちろん映画と見た目を合わせなくてはなりません。
ですが、我々にとってもっとも重要なのは、最終的に遊んで楽しい作品にするということです。
ですからときには、子どもが遊んで興味深く、楽しいものであるという理由から、映画にはない要素を盛り込むことがあります。

ヤコブモデルのスケールというのも重要です。
スター・デストロイヤーはとても大きいですが、それと比較すると、レイのスピーダーはとても小さなセットになります。
『レゴ スター・ウォーズ』では、キャラクター、それにまつわるストーリーの部分は映画をベースに、物語を語ります。
それは今回も同じで、マッチするであろうシーンを盛り込んでいきますが、ときにはネタバレになってはならない箇所があります。
そこで、キャラクター、シーン、背景、宇宙船などをいかに組み合わせるかについて、我々に一定の自由が与えられています。
これはルーカスフィルムとのあいだで合意されているのです。

――『スター・ウォーズ』をレゴ・ムービー化する際、実際に映画を観たユーザーの意見というのは、どの程度参考にしているのでしょうか?
ヤコブ正直に申し上げますと、『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の開発は、映画の製作と平行して行われました。
ですから、早い段階で物語について知らされ、監督、制作サイドのクリエイティブな方々にもお会いしました。
かっこいい衣装やクリーチャーも紹介され、ミレニアム・ファルコンの中も歩くことができたのです。
あれはうれしかったですね。
そういうわけで、どのようなところに焦点を置くべきかは理解していましたので、ユーザーの方が映画を観る前に、ルーカスフィルムとともに、どのキャラクター、どの宇宙船、どのビークルを登場させるかを決定したのです。

――そうなんですね。
では、オリジナルの映画が上映される前に作らなければならないことの難しさや、オリジナルが上映される前に作ることができる喜びなどがあればお聞かせください。

イェンス誰よりも早くストーリーを知ることができたということはありましたね。
ただ、我々は皆さんとは違った見かたでストーリーを見ています。
遊んで楽しいおもちゃを作りたいという視点から見ているのです。
これが、我々が映画の中のどのようなキャラクター、モデルを選ぶかにおいて中心となることなのです。

――なるほど。
ゲーム化する際には、開発元のTT Gamesさんといろいろなやり取りがあると思いますが、印象的なエピソードはございますか?
イェンスTT Gamesは、これまで『レゴ』ゲームの数々を手掛けてきました。
彼らはレゴの知識が豊富で、レゴがどのように見えるべきかを熟知しているので、我々とはとてもよい関係を築いています。
ゲームの中で、レゴ化されていない映画のキャラクターや宇宙船がたくさん出てきますが、それらを作るのがとてもうまいですね。

ヤコブ逆に、「これは何だ?」と思うものもありましたね。
詳しく言うとネタバレになってしまうのですが、とあるキャラクターがエアロビクスの衣装を着ているというのがあって。
「レゴに見えるか」という点ではイエスでしたが、どんな意味があるのかは、さっぱりわかりませんでした(笑)。

――そういったユーモアさも、『レゴ』ゲームの魅力ですよね。

イェンスゲームはもちろん、『レゴ スター・ウォーズ』全般にとってもユーモアはとても大切です。
全体像を見て初めて、ユーモアがその一部であるということがわかることもありますから。

――最後に、日本のユーザーに本作の見どころを教えてください。

ヤコブ私がとくに好きなのは、BB-8を追っていくシーンですね。
彼が転がる姿がとてもかわいいからです。
本作は年齢を問わず、誰でも楽しめる作品になっていると思います。
日本の『スター・ウォーズ』ファン、そしてレゴファンに気に入っていただけて、ますます『スター・ウォーズ』とレゴを好きになってくれることを願っています。

イェンスそうですね。
皆さんに楽しんでいただけることを願っています。
大人も子どもも、誰もが遊んで楽しいと感じられる作品です。
ゲームがきっかけで、レゴ製品でも遊びたいと思っていただけたら最高ですね。

●シナリオがおもしろいのは彼のおかげ!?
――まずは、TT Gamesの紹介と、グレアムさんがこれまで手掛けた作品についてお聞かせください。

グレアムTT Gamesは、11年ほど前に最初の『レゴスター・ウォーズ』を作って以来、『レゴ』ゲームシリーズを手掛けています。
私がTT Gamesに入ったのは8年ほど前ですが、入社後初めて手掛けたのは『レゴ ハリー・ポッター 第1章-第4章』のニンテンドー3DS版(※日本未発売)で、リード・デザイナーでした。
この作品では私がある意味で失敗してしまったわけですが、それが昇級につながったのです。

――何があったのですか?
グレアム私がリード・デザイナーには向いていないということが判明したわけです(笑)。
その一方でWii Uの『レゴシティ アンダーカバー』のライターが必要で、社員のひとりが、僕がスタンダップ・コメディーをやるのを見て、ライターとして試してみようと思ってくれて。
それ以降、おバカなジョークを書くのが仕事ですが、そういうのが得意でよかったです(笑)。

――シナリオ的に映画とリンクしている部分と、ゲームならではの部分はどのくらいの割合ですか?
グレアム本作は全18ステージで構成されていますが、そのうち11ステージは映画に忠実な物語を展開しています(※据え置き版と携帯機版では構成が異なります)。
ゲームオリジナルの部分では、映画の冒頭につながる新しい物語を語っていますし、プレイヤーが自由に探求できるシーンも用意されています。

――日本のユーザーは、BB-8やレイ、フィンといった新キャラクターがゲーム内でどのように活躍するのかを気にしています。

グレアム映画のストーリーをかなり忠実に追っていますので、BB-8を操作するシーンは多く登場します。
フィンやレイも同様ですね。
最初の3つのステージは、フィン、レイ、BB-8がほとんどで、それにポー・ダメロンが少しだけ登場します。
それ以降もまた、その3人を中心に展開します。

――ゲームシステムの話もお聞きしますが、同じパーツから複数のアイテムが作れるマルチビルドが斬新でしたね。

グレアムマルチビルドは、本作の3つある新要素のひとつです。
子どもたちがレゴで遊ぶとき、何かを作って終わりではなく、バラバラにして複数のものを作ります。
子どもたちがレゴで遊ぶ様子になるべく近づけたいという思いがあったので導入しましたが、これまでできなかった新しいパズルを展開することができるので、ゲームをより興味深いものにしていると思います。
それ以外にも、くり返しプレイできるという効果もありますね。
たとえば、敵のいるところを通る際、マルチビルドを使って2通りの方法があり、片方を選ぶと、もう片方は同じステージをもう一度プレイするまでロックします。
こうすることで、そのステージを再びプレイするとき、前のプレイでは見られなかった新しい何かに遭遇することになりますし、それによってゲームがさらにおもしろいものになります。

――とても便利になったのですね。

グレアムそうですね。
我々はつねに改善を目指していますので、これを皆さんに気に入っていただけるのであれば、今後もまた展開していくこを願っています。

――『レゴ』ゲームシリーズは、『レゴ ムービー』や『レゴ バットマン』などいろいろありましたけれども、マルチビルド以外にこれまでの『レゴ』ゲームとの違いとして挙げられる点があればお聞きしたいです。

グレアムマルチビルドに加え、ブラスターバトルがあります。
『スター・ウォーズ』は、通路で展開されるレーザーバトルがありますよね。
ですから、ブラスターバトルは『スター・ウォーズ』でなければ実現しなかったでしょう。
カメラのアングルが変わり、物陰に隠れたり、身を乗り出したりします。
プレイヤーの年齢や能力を問わず、誰にでも楽しんでいただけると思います。

――まさに『スター・ウォーズ』という要素ですね。

グレアムそうですね。
これは『スター・ウォーズ』独特のものですから、それ以外の『レゴ』ゲームで導入するかはわかりません。

――ほかにはございますか?
グレアムドッグファイトも大幅に改善しました。
これまでのシリーズのドッグファイトはオンレール(レールに沿ったもの)だけでしたが、本作ではまず、アクションにおける破壊レベルを引き上げました。
それから、プレイヤーが自由にコントロールできるアリーナ・セクションがあり、バレル・ロールや宙返りもできますし、敵に後方から狙わせ、ループでかわすということもできます。
これまで以上に自由度が高まりました。
というわけで、本作では新たな3つの分野に注力しています。

――なるほど。
ちなみに、これはなかなか言い辛いかもしれないのですが、ゲームのラストシーンは映画と同じになりますでしょうか。

グレアム同じですね。
ただ、映画とは違った、少し楽しい要素も盛り込んでいます。
そしてクレジットロールのところでも、おもしろおかしいサイドシーンがあります。
フラッシュバックで映画に登場するキャラクターが出てきて、その人たちがいま何をしているのかを見せています。
映画とまったく同じ終わりかたですが、少しおバカな感じなのです。

――日本のユーザーも、本作が遊べるのを楽しみにしています。

グレアムこのゲームを日本の皆さんにプレイしていただけるということに、私はとても興奮しています。
というのも、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を始め、私のお気に入りのゲームはほとんどが日本のものだからです。
私の好きなゲームカルチャーの源ですから、そんな日本の方々が、私が携わった作品を楽しみにしてくださっているというのは、とてもうれしいですし、光栄なことだと思います。

レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒
メーカー:ワーナー ブラザース ジャパン
対応機種:ニンテンドー3DS / PlayStation Vita / Wii U / プレイステーション4 / プレイステーション3
発売日:2016年10月13日発売予定
価格:ニンテンドー3DSとPS Vita版は各4700円[税抜](各5076円[税込])、Wii U、PS4、PS3版は各5700円[税抜](各6156円[税込])
ジャンル:アクション・アドベンチャー / SF・映画

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