<ポケモンGO>任天堂株ストップ安…過度な期待消え

25日の東京株式市場で、世界的に大ヒットしているスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO(ゴー)」に関連する株式が軒並み下落した。
下げを主導したのは任天堂で、値幅制限いっぱいのストップ安で取引を終了。
「ポケモンGO効果」の過度な期待がはげ落ちた形だ。

株価下落の引き金となったのは、任天堂が22日夜に「(ポケモンGOの配信が)連結業績に与える影響は限定的」と発表したことだ。
ポケモンGOは米ゲームベンチャーの「ナイアンティック」▽任天堂▽任天堂が32%の株式を保有するキャラクター管理会社「ポケモン」の3社が共同で企画。
アプリ自体はナイアンティックが開発・配信している上、ライセンス利用料金は管理会社「ポケモン」が受ける。
任天堂は、管理会社の持ち株比率分程度しか、収益改善の直接の恩恵を受けない。

この発表に加え、配信後の急騰への警戒感が重なり、任天堂株は取引開始直後から急落。
午後にはストップ安となり、そのまま取引を終えた。
終値は前週末比5000円(17.7%)安の2万3220円だった。

任天堂の株価は6月28日に取引時間中の年初来安値となる1万3360円をつけた後、ポケモンGOが配信された米国での大ヒットを受けて急騰。
7月19日には約2・4倍の3万2700円まで高騰していたが、上昇分の半分程度が既に吹き飛んだ。
楽天証券の今中能夫アナリストは「ポケモンGOの収益構造をよく知らずに取引していた人には、任天堂の発表は寝耳に水で、慌てて売ったのではないか」と指摘する。

このほか、ポケモンGOと提携する日本マクドナルドホールディングスの株価も急落、前週末比420円(11.6%)安の3200円で取引を終えるなど、関連株は軒並み下落した。
日本で配信が始まった22日は大幅に上昇していただけに、ひとまず利益を確定する売りも出たようだ。
一方で「任天堂には、ポケモンで遊んだことのある巨大な顧客層ができることになる。
秋以降、外出しづらくなった時に買うのは任天堂のゲームになるのでは」(今中氏)との見方もあり、当面は関連株への注目が集まりそうだ。

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