安倍晋三首相「東京で会いましょう」任期延長想定か

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リオデジャネイロ五輪閉会式で21日夜(日本時間22日午前)に行われた次期開催都市のプレゼンテーションで、安倍晋三首相(61)が人気ゲームキャラ「スーパーマリオ」の姿で登場するサプライズ演出が行われた。
国のトップ自ら現れるのは異例だが東京大会組織委員会・森喜朗会長の発案という。
18年秋に自民党総裁の任期が切れる首相は「東京で会いましょう」と20年東京五輪での“再会”まで宣言。
総裁任期延長を意識した形だ。
東京都の小池百合子知事(64)は着物姿で五輪旗を受け取った。

小池知事が五輪旗を受け取った後、東京を紹介した約10分のプレゼン映像で意外な演出が飛び出した。

アテネ&北京五輪の競泳金メダリスト北島康介氏から赤いボールのリレーが始まり、キャプテン翼やハローキティなど、世界的な日本の人気キャラクターに続き、安倍首相が登場。
車の中で「リオに行かねばならないが、時間がない」と述べ、マリオに変身した。

首相マリオは渋谷のスクランブル交差点で、ドラえもんがポケットから出した土管に飛び込み、リオへワープ。
競技場の中心に土管が出現し、カウントダウンがゼロになると、なじみの電子音とともにマリオの格好をした首相が現れ、服や赤い帽子を脱ぐと、スーツ姿で観衆に手を振った。
政府関係者は「あの首相が『かぶり物』をするなんて」と驚きを隠せなかった。

首相は、マリオになった理由を「日本のキャラクターの力を借り、日本のソフトパワーを示したかった」と述べた。
リオで取材に応じた20年東京大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は、森氏が「マリオ役は、総理にお願いしよう」と発案したと説明。
森氏が直接首相に交渉、快諾を得たという。

次期開催国のトップがプレゼンの「顔」になるのは、極めて異例。
近年はスポーツ界の大物が続いており、今回も米大リーグのイチロー、ブラジルに縁があるサッカー三浦知良らの名前が取りざたされていた。

首相が、マリオ役を受けた意図について、与党関係者は「小池知事のハンドオーバーも、すっかりかすんだ。
東京五輪の『顔』は自分という、首相のアピールだ」と指摘する。
首相はプレゼンの最後に「SEEYOUINTOKYO(東京で会いましょう)」と宣言。
自身の自民党総裁の任期は18年9月までだが、首相周辺では任期延長論が拡大中だ。
ただ慎重論も根強く「任期延長の既成事実化を意識したのではないか」と警戒の声もあり、今後波紋を広げそうだ。

首相は先月13日、都内の広告代理店・電通本社で「海外広報戦略の説明会」に出席したが、準備は極秘に進めた。
「東京五輪を首相として迎えたいか」。
報道陣の質問に、首相は「どんな立場でも五輪の成功に汗を流したい」とけむに巻き、帰国の途についた。

◆マリオ任天堂のゲームキャラクター。
京都生まれという設定。
1981年のアーケードゲーム「ドンキーコング」で初登場した。
赤い帽子に赤いシャツ、青いオーバーオール姿に口ひげがトレードマーク。
アメリカ法人の「ニンテンドー・オブ・アメリカ」の倉庫係の職員にそっくりだったためマリオと名前が付いた。
1985年、ファミリーコンピュータの「スーパーマリオブラザーズ」が世界的ヒット。
以来シリーズ累計販売本数3億2000万本以上に達している。
日本国内での職業は大工。
米国では配管工。

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