「オプーナを買う権利をやろう」――なぜオプーナさんはワゴンの王と呼ばれるようになったのか
たまに見かけるネット用語を、勝手に知ったかぶりで解説する「ねっと用語知ったかぶり」。
今回は「オプーナを買う権利をやろう」をご紹介します。
新作ゲーム「無双☆スターズ」への参戦で話題再燃となったオプーナ。
そもそも「オプーナ」とは2007年に発売されたWii専用ゲームソフトですが、一体なぜ購入のために権利が必要となるのでしょうか?
「オプーナ」は開発をアルテピアッツァが担当し、2007年11月1日にコーエー(現コーエーテクモゲームス)より発売されました。
同年3月に行われた製作発表会見では「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二氏が登壇し、ドラクエの制作実績があったアルテピアッツァをコーエー側と引き合わせた経緯を説明。
さらにコーエー役員から飛び出た「まずは50万本、最終的には100万本のセールスを目指す」という強気過ぎる発言がネット民の話題をさらい、“オプーナ”と “やる夫”を闇融合させた“やるオプーナ”のアスキーアートも2ちゃんねるを中心に大流行しました。
当初の売上目標がどれほど高いハードルだったかというと、2007年に発売されたWii用タイトルで50万本を超えるセールスがあったのはわずか5作品であり、同年Wii用に発売されたドラクエのスピンオフ作ですら初動は50万本に届かないという状況でした。
おまけに当初は夏に発売予定とされていたのが、開発の遅延により、よりによって発売日が任天堂の看板タイトル「スーパーマリオギャラクシー(同年約75万本を売上)」と被るという不運も。
こうしてマリオとの直接対決や、コーエーの強気過ぎる姿勢、オプーナのゆるかわいいキャラクターデザインといった要素が合わさった結果、同作はネット上で良くも悪くも注目を集め続け、発売前から「売り上げ的に敗北が約束されたタイトル」といった認識が広まっていきました。
こうして「オプーナ」は実際にプレイした人からは「良ゲー」ともっぱらの評判であったにもかかわらず、売上は大不振に終わってしまいました。
その後オプーナは、不良在庫を格安で販売する「ワゴンセール」の象徴的存在となり、やがて「オプーナを買う権利をやろう」というフレーズも、相手が欲しがっていないものを強引に押し付ける体の冗談としてすっかり定着してしまったのでした。
例1:「よくぞねとらぼに来てくれた。
褒美としてオプーナを買う権利をやろう」
例2:「買う権利ありがとうございます……!ありがとうございます……!」