自由な行動と受け止めるフィールドが生む“掛け算の遊び”。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』開発者インタビュー

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文・取材:編集部 世界三大三代川
●『スカイウォードソード』以来の据え置き機最新作に迫る!
2017年3月3日に発売される、任天堂の新ハード、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)。
本体と同時発売になるソフトのひとつが、据え置きゲーム機としては、約5年振りのシリーズ最新作となる、『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』だ。
“『ゼルダ』の当たり前を見直す”というテーマのもとに、広大な“オープンエアー”のフィールドで自由に冒険をする楽しさを打ち出した本作は、これまでの『ゼルダの伝説』シリーズとは大きく異なるシステムを採用するなど、新たに生まれ変わった新作となっている。
本作の試遊は、2016年のE3(Electronic Entertainmnet Expo。
アメリカ・ロサンゼルスで開催される世界最大のゲーム見本市)などで機会が設けられたが、国内では2017年1月14日、15日に東京ビッグサイトで開催された“Nintendo Switch体験会2017”が初。
今回は、その体験台の内容などを踏まえ、本作の魅力や特徴を、ディレクターの藤林秀麿氏にうかがった。
※本インタビューは、2017年1月15日に行われたものです。

■プロフィール
●『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』
ディレクター
藤林秀麿氏
(文中は藤林)
『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』でサブディレクターを、『ゼルダの伝説 スカイウォー
ドソード』ディレクターを担当。
本作でも、ディレクターとして、現場全体を取りまとめる。

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●異なる発想が求められる、掛け算の遊び
――ついに発売日が、3月3日と発表されました。
前作の『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』(2011年11月18日発売)以来の、据え置き機の新作『ゼルダ』になりますね。
藤林そうですね。
約5年振りになります。

――もうゲームのほうは完成したのでしょうか?
藤林はい。
すでにマスターアップしています。

――作り終え、間もなく発売を迎えるお気持ちはいかがですか?
藤林やりたいことがいろいろと充実してできたので、非常に満足していますし、やっと皆さんに遊んでいただけるようになったなと思うと、ワクワクしています。

――改めて、今回の『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』のコンセプトをお聞かせください。
藤林大枠としては、“『ゼルダ』の当たり前を見直す”というキーワードがありまして、そちらは青沼(青沼英二氏。
『ゼルダの伝説』シリーズプロデューサー)もいろいろな場所でお話をしていますし、今回はせっかくですので、ディレクターという立ち位置からもう少し踏み込んでお話させていただきます。
今回は、体験台でもプレイしていただいていますが、プレイヤーがフィールドに対して、いろいろなアプローチをできるようにしています。
そもそも『ゼルダ』シリーズは、いろいろな物を持ったり、投げたり、振り回したり、押したりと、さまざまななアクションができますが、今回はフィールド上にそういったアクションを受け止めるギミックをたくさん用意しています。
それで、そのふたつが合わさったときにできることを“掛け算の遊び”と呼んでいるんですが、その“掛け算の遊び”がこのゲームのウリのひとつになります。
具体的には、たとえば、どうしても渡れない場所があったり、どうやってあそこに行くのかと考えたときに、その手段を考える中で、その“掛け算の遊び”を活かせるようにしています。

――今回の体験台では、序盤に崖が登場しますが、その崖を渡るときに、斧を使って倒した大木を橋にしたりもできますよね。
藤林そうですね。
そういう発想ができるということですね。

――解法がひとつではなく、いくつもあるというイメージに近い。
藤林これまでの『ゼルダ』に対して、1本道だという表現をされることがありますが、今回はひとつのネタに対しても、解法がたくさんありますし、開発中にも僕たちが想像もしていないようなやりかたが発見されて、「そんなこともできるんだ!」と作った人間すら驚くようなものになっています。

――ああ、なるほど。
では、人によって遊んだ経験や語る内容が変わってくるんですね。
藤林開発中は、スタッフがよくテストプレイをしながら開発をしていたんですが、同じ場面のテストプレイをしていても、会話の内容が違っていて、「僕はこうした」、「え!俺はこうしたよ」と、お互いの攻略方法に「あ、それできるんだ」と納得するようなことが多くありました。
皆さんにもぜひ体験していただきたいですね。

――“ゼルダの当たり前を見直す”というコンセプトがありますが、“見直す”と言ってもどこまで見直すのか、どのように判断をされたのでしょうか。
“お約束”をあまりにもなくし過ぎても、ファンが残念に思う部分が出てしまうでしょうし。
藤林そのボーダーラインを図りながら作っていたというのが実情ですが、“『ゼルダ』らしさとはどんなところか?”と考えると、ダンジョンだったり、謎解きだったり、モヤモヤした気持ちがクリアーしたときにスカッとする気持ちよさだったりすると思います。
その『ゼルダ』ならではの遊びの根本を残しながら「ダンジョンの中でできていた遊びがフィールドでできてはいけないのか?いや、あっていいはずだ」とか、逆に「フィールドの遊びがダンジョンにあってもいいじゃないか」と話し合って。
これも前述の掛け算のひとつになるんですが、プレイヤーがいままでは1の手法だったり2の手法だったりでクリアーしていた定石を、3の手法、4の手法でもクリアーできるし、まったく発想の異なるAの手法、Bの手法でもクリアーができるという、掛け算が生まれるように作っておけば、自然とこれまでと違ったものに変わっていく……という発想で見直していったんです。
単純に、僕たちも「“お約束”だよね、飽きられちゃっているよね」と思うところを直していったんですが、そもそも「どうしてそれが飽きられているのか」という部分を追求しつつ、「謎解きなどの材料としてはこのままでもおもしろい」と思えるところは別の掛け算をして変えていくといった変化も加えました。
ですから、大きな定義というのはなく、プレイをするうえで、スタッフといっしょに、ここを変えると当たり前じゃなくなるよねという部分を変える作業をしていったんです。

――ただお約束をなくすのではなく、マンネリを打破するというイメージでしょうか。
藤林そうですね。
マンネリと言われているようなところを変えていった部分もありますし、今回の発想からすると、いやでも違ったものになる仕組みを作ったということになりますね。

――“当たり前を見直す”というコンセプトは、近年の『ゼルダ』シリーズでもよく挙げられていましたが、『スカイウォードソード』に登場した“がんばりゲージ”が本作にもあったり、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』でアイテムが個数管理ではなくゲージの消費になって、本作でも一部でそういったシステムを採用されているというのは、やはり同様に当たり前を見直した結果なのでしょうか。
藤林当然ながら、これまでに採用してきたシステムのノウハウも溜まっていまして、各システムのメリットデメリットもわかっているので、参考にした部分もあります。

――なるほど。
本作は、見られる景色のどこにでも行けるということですが、たとえば“果て”のような場所はあるのでしょうか?
藤林果てがあるのかないのかは実際にプレイして確認していただくのがいちばんだと思います(笑)。

――それだけ広いマップだと、探索のし甲斐がありますね。
そのぶん、移動にかなりの時間がかかりそうですが……。
藤林馬などにも乗れますが、この世界にはところどころに祠があって、そこがワープゾーンになっています。
祠を起動しないとワープはできないのですが、一度起動させてしまえば、あとは、一瞬でワープできるようになります。

――たとえば徒歩だけで進むこともできますか?
藤林当然、マップは広いので山あり谷あり、回り道をしなくてはいけない場所もありますが、ポイントとしては、“行きはよいよい帰りはこわい”の逆なんです。
本作では、目的地を定めたときに“迂回するのか”、それとも“断崖絶壁を登っていくのか”という選択肢が生まれ、そのどちらもリンクが最初から覚えているアクションだけでできるようになっています。
ただ、断崖絶壁を登るには“がんばりゲージ”が必要なので、「あそこに登るためには、一度、途中のでっぱりで休憩が必要だな」とか、「あっちは無理だけど、こっちは行けるな」というルートを自分で探していただかなくてはいけません。
パラセールがあるので、帰り道は高所から飛んだりできるんですが、行きは工夫が必要になりますね。
もし、現実で「あそこに行け」と言われた場合、自分だったらどうするか? それを考えて、行動するのと同じですね。

――求められる頭脳の使いかたが、これまでと違いそうですね。
藤林そうですね。
これまでの『ゼルダ』には、難しいとかマニアックといったイメージがあったかもしれません。
でも、たとえば今回は序盤に斧が出てきます。
では、斧の使い道を考えたときに、当然武器にもなりますが、「そもそも何に使うもの?」と考えれば、日本人だけでなく世界中の誰しもが何に使うかわかりますよね。
そういうふうに、プレイヤーが何に使うか思いつけるものが、この世界には揃っています。

――日常的な発想がゲーム内で役に立つ、と。
料理をして食事を食べることで、ハートを回復したり、“がんばりゲージ”を増やしたりもできますし。
藤林ハートや“がんばりゲージ”のシステムは、食べ物に回答を求める場合もありますし、着る服に求める場合もあります。
または、自分のアクションでどうにか解決するといったこともできます。

――以前でしたら、特定の敵が倒せなかった場合、「まだ必要なアイテムを取っていないんだな」という思考回路になりましたが、そうならない場合があるわけですね。
藤林そうです。
そういう敵に関してもいろいろな倒しかたがあって、アクションが苦手だという人は違う倒しかたを模索すればラクに倒せるかもしれませんし、とにかく卑怯な倒しかたもできます(笑)。

――卑怯な倒しかた、気になりますね(笑)。
でも、そういったあらゆる方法を全部実現しようとすると、それは開発に時間がかかりますよね……。
テストプレイの中では、思いも寄らないバグなどが発生することもあるでしょうし。
藤林思いも寄らないことが起こるんですが、なかには、それがおもしろい事象を生んだりするので、すべてをバグと考えて修正するのではなく、むしろ、おもしろいから、正式な仕様にした場合もあります。

●オープンエアーで変化するストーリー展開
――新たに公開された動画(3rdトレーラー)では、以前よりも強いストーリー要素が見られましたが、今回の『ゼルダ』では、ストーリーはどのように進んでいくのでしょうか?
藤林そこがひとつのミソです。
広大にフィールドを冒険する“オープンエアー”のゲームで重厚なシナリオを作るというのは相性が悪いんですよね。
当然、その要素は開発の初期段階から懸案事項でした。
でも、その問題を打開すべく、我々『ゼルダ』スタッフなりのシステムの答えがありまして、今回はそのための独特なシステムを用いました。
いまはまだお話できませんが、それも楽しみのひとつになっています。
ゲームが始まってすぐの序盤をプレイしていただければ、おのずとその楽しみかたも見えてくるようになっていますので、ストーリー要素を“オープンエアー”でどう料理しているのか、楽しみに待っていただきたいと思います。

――それは楽しみです!一方、いわゆる“クエスト”などの、短い目的を果たしていくものもありますか?
藤林私たちは“チャレンジ”と呼んでいますが、そのチャレンジもたくさん散りばめられています。
ゲームの本筋を遊びたいけれど、あまりにもオープンすぎて何をしたらいいのかわからなくなるかというと、そうではなく、きちんとゲームの本筋を明示するようになっていますので、初心者の方や、『ブレス オブ ザ ワイルド』のストーリーをまず楽しみたいという方は、なんとなく示唆される場所に素直に従っていただくと、本筋のストーリーを味わっていただけますし、目玉にしているチャレンジも見ていただけるようになっています。

――以前おうかがいしたお話では、ゲームを開始してすぐに、最後のボス、いわゆる“ラスボス”に向かうこともできなくはないとのことでしたが……。
藤林はい。
まずは今回体験していただいている台地から降りないとダメですが、その後すぐにボスに向かえます。
この仕組みは、最初のうちから「どうせなら、いきなり行けるようにしよう!」と、ゲームの仕組みを考える前から決めていました。
最初からボスのところに行けるというのも、見直した“当たり前”のひとつです。

――映像を見ていると、村もあるようですが、買い物もできるのでしょうか?
藤林村も存在しますし、買い物の要素も、これまでに配信している3つのPV(プロモーション映像)の中に、ところどころ情報が入っています。
海外で配信されている動画も含めて、たくさんの情報を出していますので、そういった映像も見ていただいて、発売前にいろいろ想像していただければうれしいです。

――確かに映像を見ていると、「いまのはあのキャラクターだな」とか「ああいうことができそうだな」と想像が広がりますよね。
藤林ええ。
基本的には想像していただいていることはできるはずですので、実際にプレイしていただいて、「やっぱり俺が思った通りだった」と答え合わせをしていただくのも、今回の『ゼルダ』の楽しみかただと思っています。

――では、それを踏まえて改めてPVを見直すと、何か発見があるかもしれませんね。
藤林はい。
ぜひ、細かく見てみてください。

――今回は、着替えられる服のバリエーションが豊富なようですが、防御力や暑さ、寒さへの対策など、着るものによって効果が異なるという考えていいのでしょうか?
藤林映像では鎧などもありますが、どういう効果があるのか、いろいろ想像していただけるといいですね。
ただ、服に関しては、そんなにひねくれたことはしていませんので、だいたい想像通りだと思います(笑)。

――(笑)。
体験会のステージで行われた青木瑠璃子さんの体験プレイでは、リンクが裸で飛び出していましたね。
藤林はい。
ステージでも言いましたが、裸のままでもクリアーはできますよ。

――とはいえ、雪山に行くと寒くてダメージを食らうということがあったんですが、裸で雪山に行っても工夫次第で何とかなると?
藤林先ほど山に登る方法について、回り道をするか、あいだで休みながら登るかといった話をしましたが、寒さを耐えるのに原始人はいったいどうしていたでしょうか?……と言ってパッと思いつくのは焚き火を起こすというのがあるでしょうし、服を着るということもあるでしょうし、たいまつだってある。
たいまつがあれば火を持ち歩けますが、それを持っているあいだは武器が使えませんよね。
じゃあどういう進めかたをすればいいのか……というのがゲームの根本になっているわけです。
序盤で体験していただいた掛け算が、スケールを広げつつ、最後までいろいろな掛け算を生んでいく。
これが、掛け算の遊びのひとつですね。

――なるほど。
同じく青木瑠璃子さんのプレイでは、敵のボコブリンがイノシシを狩ろうと追いかける場面が見られました。
あの世界の中で、いわゆる生態系ができているのでしょうか?
藤林先ほど街もあると言いましたが、本作には人間がいるんですね。
そして、魔物がいて、さらに第三の勢力と言いますか、生態系のひとつとして動物がいます。
プレイヤーが動物たちに襲われる場合もありますし、自分が襲う場合もあって、青木瑠璃子さんのプレイでもあったように、魔物が動物を襲っていることもあったりと、彼らの生活の一部などが見られるようになっています。
ですから、こっそり覗いてみると、彼らは勝手にいろいろなことをしていたりと、それを眺めるだけでも楽しいですよ。

――魔物とイノシシが戦っている横から倒したりと、横取りのようなこともできるわけですね。
藤林はい。
ほかにも、彼らの武器を取り上げるとちゃんと怒ったりしますし。

――いろいろな反応が見られる、と。
魔物と言えば、草原を歩いているときに、岩が合体するボスのような敵に出会ったのですが、ああいうボスのような敵も世界中に点在しているのでしょうか?
藤林ふつうに存在しているものもいれば、擬態しているものもいるので、どのように登場するのかもそれぞれ異なります。
ただ、どのタイミングで出会うかはプレイヤーによって異なる可能性が高いですね。

――ああ、では、目的とは関係なくそういう敵と出会ったりする。
藤林はい。
突然出会ったりすることもあります(笑)。

――それは怖い(笑)。
ちなみに、今回はストーリーとして“100年前”という単語が出てきますが、やはり100年前にあった何かが重要なポイントになるのでしょうか?
藤林ストーリーに関わる、キーワードですね。

――『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に登場したシーカー族や、彼らのマークも出ていますね。
藤林シーカー族も同じくキーワードになっていますね。
継承されたマークがいろいろなところに使われている部分もシナリオに絡むところで、“100年前”も含めて、今回公開させていただいたPVの中の情報は、いろいろと重要な要素になっています。

――今回のPVは、初めて顔が明かされたゼルダが、白い衣装だけでなくリンクと同じような青い服を着ているシーンもありましたし、ゴロン族やゾーラ族、リト族のようなキャラクターもいたりと、シリーズを知っているファンなら、いろいろ気になるものが満載でした。
藤林ありがとうございます。
ゼルダも着ていたあの青い衣装などは、いろいろと意味がありますし、登場した様々な種族は、フィールド上に溶け込んでこの世界にいる人たちなのですが、敵か味方か……というところも含めて、いろいろと想像をして楽しみにしていてください。

――敵か味方か!戦っているシーンもありますしね。
いろいろと想像したいと思います。
なお、本作はWii U版とNintendo Switch版がありますが、機種による違いはあるのでしょうか?
藤林Nintendo Switch版のほうが画質がいいなど、ハード自体のスペックに関わるところは違いますが、ゲームとしての体験は同じです。
ですので、どちらか迷われている方がいらっしゃいましたら、遊びたいハードに合わせて選んでいただいて大丈夫です。

――なるほど。
Wii U版でも、Wii U GamePadを使った特別な要素などはないということでしょうか。
藤林今回は2機種同時発売で、同じ体験ができるようにしていますので、Wii U GamePadならではの使いかたはしていません。

――では、グラフィックの違いがちょっとあるというくらいの差なんですね。
藤林あと、Nintendo Switchは、データ的にもいい音質のものを使っていますので、Wii U版と比べるとNintendo Switch版は、音がよくなっています。
とくにヘッドホンで聴く音の臨場感がいいです。
もし、Nintendo Switch版を買おうかなと思われているお客さんがいらっしゃいましたら、ぜひヘッドホンを着けてプレイしていただくとより楽しめると思います。
また、これだけのゲームを外に持ち出して遊べるということもNintendo Switch版ならではですので、ぜひ外出先でもプレイしていただきたいですね。

――今回のサウンドは、ピアノの音が印象的ですね。
フィールドでは、自然の環境音が流れるようになっていて。
藤林“オープンエアー”のゲームにふさわしいBGMはどういうものかと考え、没入感を重視して作っていった結果が今回のBGMになっています。
ふだんは環境音ですが、ここぞというときには気分を盛り上げるようなBGMに変わりますし、フィールド上にいろいろな仕掛けがあって、その何かが見つかる瞬間であったりというのを音楽で表現しています。
そこも楽しんでいただけると、仕掛けた甲斐がありますね。

――昨年のE3でamiibo対応が発表されましたが、今回新しく、ゼルダやボコブリンのamiiboの発売が発表されましたね。
『ゼルダの伝説』30周年のamiiboへの対応など、多くのamiiboに対応しているようですが、それぞれ異なる効果があるのでしょうか?
藤林あります。
もちろん、amiiboがなくても遊べるんですが、より楽しく冒険していただけるような効果が用意されています。
今後、詳細を発表していきますので、楽しみにしてください。

――同じく昨年のE3で発表された今回のタイトルロゴですが、『時のオカリナ』以前の、初期『ゼルダの伝説』シリーズのロゴに戻りましたね。
これは、原点回帰というイメージなのでしょうか?
藤林今回のロゴについて、主要スタッフと話し合いをする中で、いつものアルファベットから、シリーズ初期の日本語の書体に変えたいという話をしていたんです。
このロゴに戻すということが、まさに“原点回帰”であり、“『ゼルダ』の当たり前を見直す”ということの、象徴的な事象、掲げる旗としてのイメージを込めて作りました。

――確かに、このロゴを見たときは、「おおっ!」と思いました。
藤林いままで『ゼルダ』を遊んだことのない方だったり、自分には合わないと思われている方に「違うんですよ!取っつきやすいゲームになっているよ!」というイメージで、多くの方に遊んでいただけるようにアピールしていきたいです。

――では最後に、発売を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
藤林『ゼルダの伝説』シリーズでありながら、新機軸の要素を数多く実装しています。
たとえば、リンクのおなじみのアクションなんだけど、それがいままでと異なるフィールド上で使った場合に、これまでと違った遊びに展開していく。
今回は、マニアックなパズルを解く思考ではなく、ふだんの生活で「自分ならこうするよね」というものを自分で考えて、プレイヤーが10人いれば10通りの遊びが実現するようになりました。
回答が何個もありますし、自分なりの遊びかたというものを見つけて、私はこういう方法でクリアーした、と掘り下げていただくプレイができる『ゼルダ』になっています。
ですので、いままでにない遊びを生む掛け算や、見直された新機軸の遊びを楽しんでいただけたらうれしいです。

――ありがとうございました!
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ついに発売を迎える『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』。
広大な世界でどんなことができるのか、とにかく早く思う存分プレイをしてみたいものだ。
週刊ファミ通2017年2月16日号(2017年2月2日発売)で掲載中の、Nintendo Switch6号連続特集の第2回では、Nintendo Switchの期待作『ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルド』&『ARMS』の最新情報をお届け。
ぜひチェックしていただきたい。

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