「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」発売:東京・渋谷の外国人客に見る海外市場の熱狂ぶり
任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)、29980円・税抜)」が3月3日に発売された。
東京・渋谷の家電量販店でNintendo Switchを買い求める客たちの声を聞くと、国内以上に海外での新型ゲーム機への期待が高いことがうかがえる。
「興奮するよ。
任天堂はうまくやっていると思う」と話すのは、日本を旅行中のニュージーランドの男性(28)。
その近くで店頭に並んでいたポルトガル人の男性(31)は、「最近忙しくてゲームができていなかったが、Nintendo Switchの発売を知って、またゲームをしたいと感じた。
とてもわくわくするね」と笑顔で答えた。
任天堂の売上の7割を占める海外市場では、現地メディアのNintendo Switchに対する報道が販売前から過熱した。
「2017年初の使ってみるべきガジェット」とニューヨーク・タイムズは製品のレビュー記事を掲載。
その中で「ブラスト(爆風並みの衝撃)」と評価した。
経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルが「エレガント」と評すれば、Business Insiderは同ゲーム機の詳細を解説した。
アメリカ大陸は、同社の売上の4割を占める最大の市場だ。
7年連続して売上が減少した任天堂は「Wii U」の販売数の落ち込みをNintendo Switchで巻き返したいところ。
同社の売上高は、2008年度の1兆8400億円から2015年度には5050億円まで下落。
2016年度4月〜12月期決算によると、売上高は3111億円で前年同期比27%減少し、営業利益は38%下がり263億円となった。
海外とは対照的に、日本では冷めた見方がされている。
「Nintendo Switchは、1月の製品発表の時点で市場に期待感が湧かず、失望がコンセンサスとなっていた。
市場関係者は発売への期待もしておらず、株価も発表から2万3000円台で低迷していた」と、フィスコのアナリストで情報配信部長の村瀬智一氏は分析する。
「発表後の出荷台数やタイトルの拡充などで、市場が任天堂を再評価する可能性はある」とした上で「出足が重要だ。
よく見極める必要がある」と指摘した。
別の量販店の前では、オーストラリアから訪れていた23〜35歳の3人組が、「Nintendo Switchはマルチプレイ(複数人で同時に同じゲームをプレイすること)ができるから楽しめそうだね。
友だちたちと一緒に盛り上がりたい」と話した。
3人組は、スノーボード旅行へ行く前に渋谷の量販店に立ち寄ったという。
子どもの頃から任天堂のゲームが好きで、今回並んでまでNintendo Switchを購入した男性(34)は、「これから仕事だが、すぐ開封したい」としながらも「ソフトが面白いかどうか心配」と付け加えた。
息子の誕生日プレゼントとして購入した男性(41)は「日本では純粋に楽しめるゲームが減っている。
せめて任天堂には頑張ってほしい」と話した。
2016年4月〜12月期、Wii Uの販売台数は前年同期比75%減の76万台。
ソフトウェアの販売本数は前年同期比45%減の1248万本だった。
Wii Uは2012年に発売が開始され、2016年12月末までに累計で1356万台を売り上げた。
現在は生産を終了している。