本日発売! プレイステーション VRは「どこでもドアやタイムマシン」――山田孝之も「帰ってすぐやります」と興奮
文・取材:編集部 立花ネコ、撮影:カメラマン 和田貴光
●VRは「テレビ登場以来のイノベーション」
本日2016年10月13日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアよりついに発売されたプレイステーション VR(PS VR)。
この発売を記念したイベントが東京・GINZA PLACEにて開催され、同社プレジデントの盛田厚氏や、俳優にしてプレイステーションアンバサダーの山田孝之が登場した。
まず登壇した盛田氏は、「家庭での映像体験としては、テレビ登場以来のイノベーション。
いままではテレビの前で映像を見ていたがが、(VRでは)テレビのなかに入って体験できる。
ゲームをする方にとっては、ゲームのなかに入ってゲームをプレイするという夢が実現する」とVRの可能性を熱弁。
もちろんゲームのみならず、自宅にいながら世界遺産を楽しんだり、自宅がビーチサイドやライブイベントのS席になったり……といった“どこにでも行ける、何にでもなれる”VR体験が、PS VRの発売でより身近になる(盛田氏「どこでもドアやタイムマシンと言ってもいい」)。
全国での体験イベントなどで、のべ14万人のユーザーがすでに体験しているPS VRは、予約受付が即日終了するなど発売前から注目を集めていたが、その予約数は盛田氏が「想定以上」と語るほど。
PS4につなぐことで手軽に楽しめるという、PS VRの強みが反映されているのだろう。
この特性ゆえに『ファイナルファンタジーXV』や『バイオハザード7』といった人気ゲームシリーズのVRコンテンツが多数ラインアップされているが、大ヒットを記録した映画『シン・ゴジラ』やL’Arc〜en〜Cielと『バイオハザード』のコラボコンテンツなど、いわゆるゲーマーではないユーザーも楽しめるコンテンツも豊富に取り揃えられている。
また盛田氏は、「VRというテクノロジーは無現の可能性を持っている。
大事に育てていきたいですし、これは我々の義務だと思っています」と今後の展望を語った。
エンターテインメントのみならず、今後はビジネスや教育、医療といったさまざまな分野での展開が期待できそうだ。
「我々だけでは考えつかないようなアイデアをいただけると思いますので、そういった方々をサポートし、協力しながら、PS VRをひとりでも多くの方に楽しんでいただけるよう、全力を尽くしてまいります」(盛田氏)。
続いて、PS4のCMなどでもおなじみのプレイステーションアンバサダー・山田孝之が登場。
去年の東京ゲームショウで初めてPS VRを体験したという山田は「“やっと発売か”という感じ。
(予約受け取りにため各店舗に列ができているが)気持ちはわかります。
僕も早くやりたいんで」と期待を寄せつつ、その魅力を「(映像の)なかに入れるところじゃないですかね。
いままではあくまで客観的にゲームをしていましたが、PS VRをつけるとゲームのなかに入る感覚を感じました」と語っていた。
イベントでは山田によるPS VRのデモプレイも行なわれ、まず体験したのはバットマンになりきれる『バットマン:アーカム VR』(ワーナー ブラザーズ ジャパン)。
PS VR自体はすでに体験済みの山田は装着も手慣れたもので、PS Moveを両手に携えながらスーツをまとう序盤をプレイして見せた。
本作ではPS Moveを使ってアセットを手に取ることが可能。
電話を取る、ピアノを弾く、銃を持ちあげる……といったインタラクティブ性も満載だ。
もちろん体験してこそその真価がわかるが、誰かが体験しているところを見る楽しみもあるのがVR。
会場では山田が見ている画面(平面ではあるものの)がモニターに映し出されており、山田の動きと画面の動きがリンクしている様子がどこか不思議だった。
デモプレイではスーツを装着し、ベルトからガジェットを抜きだしては装備を確認するところで終了だが、山田は「もうちょっとやりたかった……」と残念そう。
もちろん製品版では、このあと実際にゴッサム・シティに出てバットマンになりきることができる。
続いて山田が体験したのは、オオワシになって空を飛びまわる『イーグルフライト』(ユービーアイソフト)。
首を動かすだけで“飛ぶ”ことができ、加速や減速などの操作はDUALSHOCK4で行える。
飛び始めるなり山田は「おお〜」と感嘆を漏らし、上昇からの急降下、建物の間をすり抜けるなど、華麗なプレイを披露。
「飛んでいる気分になれますね。
ずっとやれそうです。
もっといろいろと探索してみたいです」とプレイした感想を語っていた。
なお今回山田が体験したのは自由に飛び回る“フリーフライト”だが、タイムトライアルやチーム対戦なども搭載されているようだ。
ここでイベントは終了……と思いきや、最後に盛田氏から山田へサプライズ!PS VRをいち早くプレゼントされると、「マジですか!これはさすがに予想していなかったので、超うれしいです」とこの日いちばんの笑顔を見せた。
最後に山田は「(PS VRの)おもしろさを伝えなきゃいけないはずなのに、こればっかりは難しいですね。
すでに体験したことのある僕でも、PS VRをもらって超うれしいです。
それくらいしか伝えようがない」と語りつつ、「とにかくやってください。
スゲーおもしろいです!僕は帰ってすぐやります」と締めくくった。
●年内にまだ入手のチャンスも?
イベントでは、盛田氏による質疑応答も行なわれた。
――予約受付もすぐに終了し、当日販売分も抽選となっている。
年内にPS VRを購入できる機会はまだあるか?
盛田ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、年内にまだ供給いたします。
店舗の方々にはいつどれくらい入ってくるかという情報を随時流し、ユーザーの方々にもその情報をシェアしていきたいと思っています。
――VR市場には他社も参戦している。
こういったライバルをどう見ており、どう戦っていくのか?また、まずはゲームの分野で普及の土台を作ろうと考えている由来は?
盛田まずはVR市場を盛り上げていく時期ですので、コンペティター(競合他社)の方々と戦っていくことはもちろんですが、みんなで盛り上げておもしろいコンテンツをたくさん供給していくほうが重要だと思っています。
そのなかで、我々の強みはやはりPS4。
PS4とつなぐと手軽に家庭で楽しめることがまずいちばんの強みです。
ゲーム以外のコンテンツも出ていますし、これからも出てきますが、やはりゲームファンの夢は、本当にゲームの世界に入ってプレイすること。
そこにきちんと訴求して、コンテンツを供給していきたいと思っています。
PS4はゲームとの親和性が高いハードウェアですので、まずゲームファンの皆様にご満足いただけるようなことをやっていきたい。
ただVRのエンターテインメントへの広がりという意味で、可能性は無限にありますので、こちらもいっしょにやっていきたいです。
――どのようなジャンルに期待をしているのか、またサードパーティに期待することは何か?
盛田VRは、ふだんできない体験が現実になるというのがいちばん楽しいところ。
旅行へ行く時間がない方々も世界遺産などを楽しめますし、ふだんは見られないようなポイントから見られるところが、VRのいいところだと思います。
VRはプレイヤーを時間や空間から解放することができますので、ライブ会場へ行けなくても実際にライブを体験できるですとか、あるいは家をVRによってさらにリラックスできる空間に作り替えるといった体験ができるんじゃないでしょうか。
VRを開発し導入するなかで我々も感じましたが、我々が考えつかないようなアイデアもたくさんあると思います。
いろいろなアイデアをどんどん出していただいて、実現するためにいっしょに努力していきたいです。
――予約受付分と、当日販売分をあわせて何台を販売しているのか?
盛田台数は開示しておらず、申し訳ありませんがお応えできません。
今日もたくさんの方に並んでいただいていると聞いていますので、ひょっとしたら今日買えない方もいらっしゃると思います。
申し訳ありません。
順次供給していきたいと思います。
――発売以降も体験会は行うのか?
盛田はい。
今年は購入してくださった方に満足していただくことが重要だと思っていますし、口で言っても映像で見てもなかなか魅力がわからないと思いますから、まずは体験していただくというところは、これからも重点を置いていきます。
そういう場もできるだけ作っていきたいなと思っています。
――最近では施設型、店舗型のVR体験も展開されている。
これらをどう感じているか?
盛田VRには本当にいろいろな可能性があり、我々もどういうものがいちばんユーザーの皆さんに望まれているかを考え、皆さんが望まれることはぜひやっていきたいと思っていますので、(施設型・店舗型VRにも)興味はあります。
これからどうやっていくかは検討していきます。