『Project CARS 2』の発売が決定! BNEEが欧州イベントで戦略的新作タイトルの発表会を開催

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文・取材:編集部 ばしを
●欧州圏での発展を目指すための戦略的タイトルを一挙に公開!
バンダイナムコエンターテインメント・ヨーロッパ(以下、BNEE)は1月30日〜2月2日の期間、スウェーデンで新たな戦略の取り組みを発表するイベント“LEVEL UP WINTER EDITION”を開催。
リアル・レーシング・シミュレーションゲームとして好評を博した『Project CARS』の続編となる『Project CARS 2』の他、魅力的な戦略タイトルの発表が行われました。
欧州の各メディアが招待される中、我らがファミ通も北欧の地・スウェーデンへと渡欧させていただいたので、さっそくイベントの模様と発表タイトルの情報をお届けしていきます。

イベントに先立ち、BNEEのコミュニケーション&イベントディレクターを務めるアンドレ・パーソン氏は、世界各地で力強いIP(知的財産)をベースに展開する同社が、欧州圏で成長するには、西洋向けコンテンツの発掘に尽力していく必要性があると言及。
有力デベロッパーへの支援や、さらに強固な協力体制を取っての開発援助によって開発が進められているBNEEの2017年発売戦略タイトルが紹介されていきました。

ここからは、発表されたタイトルとイベントの模様を順に紹介していきます。

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リアル・レーシング・シミュレーションゲームの待望の続編が初お披露目
『Project CARS 2(プロジェクトカーズ2)』
クラウドファンディングでのスタートで注目を集め、2015年5月にリリース(日本国内は『PROJECT CARS PERFECT EDITION』として2016年6月に発売)され、世界中で注目を集めたリアル・レーシング・シミュレーションゲームの最新作の詳細が、ついに明らかにされました。
イベントには開発会社“Slightly Mad Studios”から、同作のクリエイティブ・ディレクターを務めるANDY TUDOR氏、ゲーム・ディレクターを務めるSTEPHEN VILJOEN氏の他、挙動面などに関するアドバイザーとして協力を行ったプロレーサーのBEN COLLINS氏、NICOLAS HAMILTON氏らが登場。
発表された『Project CARS 2』のコンセプトは、とにかく“飽くなき本物の追求”。
マシンやコース、サウンドの再現度など、前作から高い評価を受けていた部分も更なるクオリティアップが図られているほか、新たに搭載された“LiveTrack 3.0”によって、これまでのドライ、ウェットといったコンディションに加え、霧、雪、雷といった荒天もリアルに再現。
雨の降り始めから雨量増加に伴う路面状況や、時間の経過によるコンディション変化などもリアルタイムに処理されるため、プレイヤーのゲームプレイにもそれらの要素が直接的に影響を及ぼし、さらにリアルな走行体験がもたらされるそうです。
また、eスポーツイベントにも早くから積極的に取り組んでいる『Project CARS』ですが、最新作では公認レーシングライセンス機能を実装したり、世界中のライバルたちと最速の座をかけて争える“オンライン・チャンピオンシップ・モード”が用意されるなど、競技面でのパワーアップからも目が離せません。
今回のイベントで、2017年発売がアナウンスされた『Project CARS 2』については、6月に開催されるE3(Electronic Entertainment Expo)2017など、さまざまなイベントにて続報が発信されるとのこと。
ファミ通.comでは、今後も『Project CARS 2』の動向を紹介していきます。

タイトル:『Project CARS 2(プロジェクトカーズ2)』
開発会社:Slightly Mad Studios
ジャンル:レース・シミュレーション
プラットフォーム:PS4、PC
発売時期:2017年発売予定
(C)2017 Slightly Mad Studios Limited. Published and distributed by the BANDAI NAMCO Entertainment Group. Slightly Mad Studios, Project CARS, the SMS logo, and the Project CARS logo are trademarks or registered trademarks of Slightly Mad Studios Limited in the United Kingdom and/or other countries. The names, designs, and logos of all products are the property of their respective owners and used with permission.
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
●BNEEが世界に向けて挑戦する完全新作3タイトルを大紹介
ダークファンタジー系パズルアクションゲームの期待作
『LITTLE NIGHTMARES -リトルナイトメア-』
続けて、『リトルビッグプラネット』シリーズの制作で実績を持つ、スウェーデンのTarsier Studiosが手掛けるまったく新しいダークファンタジー系パズルアクションゲームの『LITTLE NIGHTMARES -リトルナイトメア-』を紹介。
こちらのタイトルは、BNEEからプロデューサーとしてLUCAS ROUSSEL氏が制作に参加し、BNEEとTarsier Studiosが協力体制を取りながら開発に取り組んでいる意欲作で、今後の欧州圏での大きな展開が期待される完全オリジナル作品のひとつになります。

本作は、海の中に眠る、胃袋の名を冠する謎めいた巨大船舶“モウ”の中に囚われた幼い少女、シックスが、謎めいた密室からの脱出を目指すといった、どこかおとぎ話の世界のような空間で、これまた寓話に登場するような奇妙なキャラクターたちが織りなす不思議な物語が描かれています。
主人公のシックスは、とても小さな女の子で作品自体の見た目も柔らかい雰囲気ながら、その世界観の作り込みやゲーム性はなかなかに骨太で、謎解きにじっくりと取り組める良質なアクションアドベンチャーに仕上がっています。
本作を見て、とくに印象深かった点が光と影の陰影表現です。
ステージは全体を通して暗いところが多いのですが、そのことによりキャラクターがより引き立ち、また先が見えない、底知れぬ不安感を程よく抱かせるなど、ゲーム性の演出にも大きな影響を与えてくれています。
基本的には左右上下方向のスクロール主体のゲーム性になっていますが、ステージは完全3Dで構築されており、自由度や操作性も良好な印象を受けました。
シックスは、武器を使ったり戦ったりといったことは行えず、か弱い少女でしかありませんが、知恵と勇気を振り絞り、プレイヤーとともにこのダークで不思議な“モウ”からの脱出を目指すことになります。
セリフやメッセージも少ないのでどの国の人でも楽しめると思いますが、本作は日本語にもしっかりと対応。
この世界観やゲーム性が気になる方は、配信後に是非、プレイしてみることをオススメします。

タイトル:『LITTLE NIGHTMARES -リトルナイトメア-』
開発会社:Tarsier Studios
ジャンル:サスペンスアドベンチャー
プラットフォーム:PS4、Xbox One、PC
発売時期:Steam版・2017年4月28日配信予定、PS4版・未定
Little NightmaresTM & (C)BANDAI NAMCO Entertainment Europe
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極寒の終末世界を生き残るサバイバル・アドベンチャー
『Impact Winter インパクト・ウィンター』
次に紹介するのは、隕石の衝突によってすべてが雪に埋もれてしまった終末世界を舞台にした、これまでにないタイプのサバイバル・アドベンチャーゲーム『Impact Winter インパクト・ウィンター』です。
こちらの作品は、2011年に英国で設立されたゲームスタジオ、Mojo Bonesが手掛ける新作タイトルで、新進気鋭のクリエイターたちが集まって作り出された挑戦的なタイトルのひとつとして、今回のイベントで実機プレイ版がお披露目されました。

本作の主人公は、どこにでもいる平凡な男性、ジェイコブ・ソロモンというひとりの男性で、遺棄された教会をホームベースに、生き残った4人の仲間たちとともにこの過酷な世界での生き残るためにさまざまな行動を取っていくことになります。
ゲームは、相棒となるロボット、“アコライト”が受信した無線で、30日後に助けが来るというところから始まるのですが、とにかく物資の乏しい環境の中では、ただじっとしているだけでは30日間をやり過ごせません。
そこで、プレイヤーはジェイコブを操作しながら、仲間たちに適切な指示を与えつつ、助けが来るまでの生き残りを目指すことになります。
それぞれ出生も育った場所も異なる5人のキャラクターたちは、“探索”や“製造”など、それぞれ固有のスキルを持っています。
彼らとどのように協力しながら30日間を生き延びていくのか。
絶望的な世界で、希望をうまく見出すことができるかどうかは、メンバーのリーダーとなるプレイヤーの行動にかかってきます。
見ているだけで寒い気分になる本作ですが、そんな中で仲間との触れあいや、ホームベースにある焚き火の暖かさといった、寒暖のコントラストが非常によく描かれています。
ゲーム性も探索を中心に、手に入れたアイテムを誰がどのように使って、何をするのかという、いろいろなチャレンジングが求められるものになりますが、生き残るための最善の方法を見つけ出すのは、プレイヤーの判断に委ねられます。
この過酷な環境の中で、仲間たちと生存するためにどういった行動を取るべきなのか。
そういった人間性までもが求められる不思議な作品のため、じっくりと取り組むことができるのではないでしょうか。
過酷な環境の中でのサバイバル体験に興味がある方には、特にオススメの一本です。

タイトル:『Impact Winter インパクト・ウィンター』
開発会社:Mojo Bones
ジャンル:サバイバル・アドベンチャー
プラットフォーム:PS4、PC
発売時期:PC(Steam)版・2017年4月12日配信予定、PS4版・未定
Impact WinterTM (C)2017 Mojo Bones Ltd. Published by BANDAI NAMCO Group. All Rights Reserved.
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見えているものは現実か幻か?魂を揺さぶる新感覚スリラー
『GET EVEN』
最後に紹介するのは、プレイする者の感情を揺さぶる異色作、『GET EVEN』です。
本作は、ポーランドに拠点を置く“The Farm 51”というデベロッパーが開発を手掛けており、“もし自分が、過去の結果を変えることができたなら……?”というコンセプトを元に、リアルな世界の中でひとつの大きな謎に挑んでいく、まったく新しいタイプのサスペンス・アドベンチャー作品となっています。

ゲームが始まると、主人公のブラックはとある誘拐事件で被害者の救出に失敗し、すべての記憶を無くした状態で古びた精神病院で目覚めます。
自分がいったい何者で、彼はなぜこの場所に捕らえられているのか?失われた記憶と真相を突き止めるべくブラックは、彼を捕獲している者に与えられた、過去に遡って起こった出来事を変えることの出来るデバイスを手に、さまざまな時間と空間をさまよい歩きながら謎を解き明かしていくことになる……。
と、ストーリー概要を聞いただけでもかなり期待感が高まる作品ですが、実際にプレイしてみると、その世界感の構築振りには驚くばかり。
とくに、3D技法を駆使して収録されたサウンドの効果は抜群で、ここまで音響面での演出にこだわった作品には出会ったことはないほどです。
また、フォトグラメトリー(複数の観測点から撮影した写真情報を元に3D空間を構築する技術)によって描かれたゲーム世界とも相まって、プレイしているうちに段々と物語に引き込まれていくことになり、いつしか“何が真実なのか……”がわからなくなってきてしまうほどでした。
これは本作がキーワードとして掲げている“WHAT IS REAL?”(何が現実?)そのものの体験にほかなりません。
この『GET EVEN』は、序盤はすべてが謎の状態でスタートし、進行によって徐々に謎が解き明かされていくという、映画的なストーリーテリング手法が用いられていますが、プレイヤーの取った行動によって、その後の結果に影響が出てきてしまう、所謂バタフライエフェクト効果が採り入れられているなど、伏線のはり方や物語の展開がとにかく秀逸で、一度プレイを始めたが最後。
この不思議な世界にどっぷりと引き込まれてしまうに違いありません。
ただ、2017年5月より欧州でのリリースこそ発表されたものの、現時点で日本でのリリースは決まっていないのが残念なところです。
今後、日本でのリリースが決定するかもしれませんが、そのときはこのファミ通.comにてあらためて紹介させていただきます。

タイトル:『GET EVEN』
開発会社:The Farm 51
ジャンル:1人称スリラー(調査/探索/シューティング)
プラットフォーム:PS4、Xbox One、PC(欧米)
発売時期:2017年5月26日配信予定(欧米)※日本配信は未定
Get EvenTM (C)Bandai Namco Entertainment Europe S.A.S. developed by The Farm 51 Group S.A. All rights reserved.
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今回のイベントで紹介された4本のタイトルは、これまでのIP資産を活用した同社のタイトルとは異なり、いずれも今後の発展が期待される新作として登場したものとなっています。
とくに、シリーズの続編となる『Project CARS 2』を除き、完全新作タイトルとなる意欲作をこれだけ取り揃えたバンダイナムコエンターテインメント・ヨーロッパの今後の活躍は、非常に期待されるところです。
また、『LITTLE NIGHTMARES -リトルナイトメア-』、『Impact Winter インパクト・ウィンター』、『GET EVEN』の3タイトルは、ダウンロード販売を主軸に捉えたタイトルということで、パッケージソフトと比較して破格のブロックバスター価格が設定されている点も見逃せないポイントです。
今回のイベントでは、各タイトルの試遊と開発者インタビューも行っているので、そちらの模様は追って紹介していきます。
また、今後も各タイトルの情報が届き次第、週刊ファミ通並びにファミ通.comでお伝えしていくので、続報もお楽しみにお待ちください。

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