『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』の“発売後なんでもOKトークショー”がフリーダムすぎた……記事にできる範囲で総まとめ!
文・取材:編集部 川島KG
●発売から2ヵ月経ったから、やるしかねぇか!
アトラスより2016年8月4日に発売された、ニンテンドー3DS用RPG『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』(以下、『世界樹V』)。
本作の発売から約2ヵ月が経ち、そろそろネタバレもアリのトークイベントを開催してもいい頃合いではないか!? ということで、動画での配信はいっさいナシの“世界樹の迷宮V 発売後なんでもOKトークショー”が2016年9月30日に開催された。
トークの場に登壇したのは、本作のニコニコ生放送やWebラジオでも“世界樹大好き声優”として愛に溢れるトークをくり広げてきた川原慶久さんと村瀬歩さん、加えて、バンド“ストレイテナー”のギタリストにして同じく世界樹ファンである大山純さん、そして『世界樹』シリーズのサウンドコンポーザー・古代祐三さん、キャラクターデザイナー・日向悠二さんの計5名。
……このトークショー、終わったあとに「とても楽しかったけれど、記事にしづらいです!」と、アトラスさんや川原さんあたりにも感想を申し上げたところ、皆さん揃って「そうでしょうね(笑)」的なことを仰いまして、しかし記事にしても大丈夫そうなことは全部書きたい! ということで、開き直って箇条書きでリポート。
いかにフリーダムなイベントであったかをお伝えできれば幸いだ。
※上記の通り、一部ネタバレも含まれますので、『世界樹V』を含むシリーズ作品を未プレイ・未クリアーの方はご注意ください。
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●ほかの登壇者がカクテルなどのアルコール控え目な飲み物を注文する中、川原さんは堂々とテキーラを注文。
今宵の自由度を初っ端から予感させる。
●本来はトークショーの後半で登壇する予定だった日向さんを、川原さんは前半の開始直後に召喚。
もちろん台本にそんなことは書かれておらず、川原さんの完全なるアドリブで、お客さんは歓迎の拍手!
●ストレイテナーの全国ツアーを行っている大山さんは、トークショーの翌日に新潟、その翌日に金沢でライブを行うという多忙なスケジュールの中、今回のトークショーに参加。
この“世界樹愛”にお客さんも感激!
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●川原さんが「キャラクターへの愛がいっそう深まった」として挙げたのは、『世界樹III』の酒場にいる女主人。
「イザユケー! ボウケンシャー!」などのカタコトな口調が独特で、『世界樹V』のニコ生番組などでも、シリーズのプレイヤーを指す代名詞として“ボウケンシャー”のフレーズがよく飛び交っていた。
●「ロボットアニメでも、土煙の上がっている中を無傷で立っているような、質量のある機体が好き」と語っていた川原さん。
『世界樹』シリーズでは、耐えて戦う“盾職”が好きで、『世界樹V』のドラグーンは盾職でありつつ銃を装備している姿を見て、すぐさま「コレだ!」と惹かれたという。
●村瀬さんのイチオシは『世界樹IV』のモノノフ。
村瀬さんはこれまで、人生のいろいろなタイミングで“ケモノ”系のキャラクターに心を動かされてきたらしい。
ちなみに、このあとの“いちばん印象に残っているモンスター”のお題では、『世界樹V』の風船モモンガを挙げ、それにソックリだという村瀬さんの愛猫を会場のスクリーンで披露。
その写真に、会場からは「かわいい!」の声が続々と上がった。
●大山さんが挙げたキャラクターは、『世界樹IV』のインペリアル。
ロボットのごとく重厚な鎧をまとった姿に惹かれたようで、コトブキヤから発売されたプラモデルへと話題が発展。
その造形の細かさは、プラモデル化のためにデザインを描き下ろすなどした日向さんいわく、「採算度外視」のコダワリで手間をかけたという。
●古代さんが見た目的に好きなのは『世界樹II』のガンナーで、思い出深いのは“ししょー”とのこと。
ししょーは、『世界樹』第1作と『II』にあった“パラディン”の職業に就いている金髪のキャラクター。
ししょー自身はゲーム中に登場しないが、宣伝や特典用に描き下ろされたおまけマンガなどでユニークな個性を発揮し、人気を博してきた。
●日向さんは、描き手としてそれぞれに思い入れがあるので一番は決められないと前置きしつつ、シリーズの各作品で(パッケージビジュアルなどの)センターを張ってきたキャラクターにも、個人的に思い入れがあるという。
おまけマンガなどで描く面々には独自のキャラクター性を持たせており、「ししょーはああいう人なので、ゲーム中のパラディンとは別ものと受け止めていただければ」と語ると、お客さんたちも笑いながら頷いている様子だった。
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●歴代のシリーズ作品を遊んできた登壇者たちも、『世界樹V』の最後の階層(第六階層)ではかなりの歯応えを感じた様子。
村瀬さんは、28Fから登場するアイツ(と言うだけで、わかる人には伝わった様子)に苦戦したとのこと。
第一階層で登場するキュートな風船モモンガも、出会った当初こそ苦戦したが、パーティーが強くなるにつれてむしろ癒しを感じられるようになったという。
第六階層もいつかそんな風に歩くことが可能なのだろうか……?(遠い目をする記者)
●大山さんは、鹿やカマキリ(と言うだけで、ボウケンシャーには大体通じる)といった歴代の強敵や、『世界樹V』ではかわいらしいドングリ(第一階層で登場するお化けドングリ)が印象的で、さらに上の階層で鉄のドングリ(アイアンドングリ)が出てくるという衝撃も味わったらしい。
●古代さんが挙げたのは、ジェットアッパー(と言うだけで、やっぱり伝わる)をくり出してくる強敵、うろつく跳獣。
このモンスターが登場した『世界樹IV』は、敵がすべて3Dモデルで描かれるようになった初のシリーズ作品でもあり、うろつく跳獣の動きと、古代さんが手掛けた戦闘BGMが絶妙にマッチ。
「なんてハイテンションでダンサブルでノリノリなカンガルーなんだ!」と、開発当時のチームが沸いたという(日向さん談)。
●川原さんは、『世界樹V』のゴーレムを粘土で自作してしまうほどお気に入り(下のツイートを参照)。
公式でも作ってほしい! と、心の叫びを吐露していた。
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●村瀬さんがとくに印象深い曲として挙げたのは、『世界樹III』でタコ(昏き海淵の禍神)と戦うときのBGM。
日向さんもこの曲を振り返り、タコとの戦いはBGM、グラフィック、プログラムが一体となって作り上げられた特別な演出で、作り手のひとりとしても思い出深いという。
●大山さんは、『世界樹IV』の第六階層のBGMが「超怖かった」と話し、その曲を作った当人である古代さんも「プレイしたら自分も怖かったです」とのこと。
まさに、第六階層の不気味な光景にふさわしい曲だった。
●川原さんは、“印象に残っている曲”とはちょっと異なる切り口だが、自身がナレーションを担当した『世界樹V』のPVで流れる曲が、第四階層からの戦闘BGMであることを、ゲームをプレイして初めて知り、「なんて贅沢なPVだったんだ!」と驚いたとのこと。
●シリーズの第1作よりサウンドコンポーザーを務めてきた古代さんは、キャラクターに対する日向さんの思いと同様、自分にとっての一番の曲は決められないとしつつ、「若いころは最初から全力投球して、最後のほうでガス欠になってしまうこともありましたが、仕事はやはり“完投”しないといけない。
力の入れようをコントロールして、今はいい意味で力を抜くことも覚えました」と語った。
そのうえで、プレイヤーが何度も聴くことになる探索時と戦闘時のBGMは、やはり毎回とりわけ力が入るという。
●そんな古代さんのこだわりを聞いたあと、『世界樹V』の第六階層で流れる戦闘BGMがじつは3時間ほどで作られた曲であることも明かされ、ほかの登壇者もお客さんもビックリ。
その曲は、ダーク・アンビエット系の激しい曲調で、しかも変拍子(曲の途中で頻繁に拍子が変わること)のため、たった3時間ほどで作られたものとは思えない仕上がりだったからだ。
演奏するのも難しそうなこの曲について、演奏者に譜面を渡せたのは録音当日だったが、すばらしい演奏をしてもらえたことに古代氏は感謝していた。
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●軽快にお酒を注文していく川原さん。
チェイサー(口直し用のお水)を飲むように村瀬さんから促されるも、「チェイン? 追撃しちゃう?」と、ボウケンシャーならではの返しを決めた川原さんがステキでした。
●かくいう村瀬さんからも時折フリーダムな発言が飛び出し、さすがの川原さんも「いろいろなことを許すこの俺が一瞬ヒヤリとした!」と驚かされる一幕もあった。
このふたり、本当に仲よしだなぁ。
……というわけで、
『世界樹』シリーズへの愛がひしひしと感じられたイベントとなった。
もしも次の機会があるならば、ボウケンシャーの諸君はお見逃しなく!
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