<プレステVR>CG映像、迫力満点 襲うサメに叫ぶ記者

◇都内の記念イベントで記者も体験してみた
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は13日、別世界に入り込んだような仮想現実(VR)を体験できるゴーグル型ゲーム端末「プレイステーション(PS)VR」の販売を世界42カ国・地域で開始した。
初回出荷分は世界的に事前予約でほぼ完売しており、滑り出しは好調。
東京都内で行われた記念イベントで記者もVRを体験してみた。

体験したのは、鉄製のかごに入って深海を探索するVR映像「オーシャンディセント」。
いすに座った状態でPSVRの端末を顔に装着する。
重さは約610グラムで思ったほどは重くない。
顔に当たる部分はゴムのため、しっかりとフィットし、首を大きく振ってもずれない。
耳にはヘッドホンを装着した。

すぐに水中の映像が目の前いっぱいに広がった。
記者はかごの中にいて、目の前には格子がある。
上を見ると5メートルほど上に明るい水面、下をのぞくと暗い海がどこまでも続き足がすくんだ。
視線を正面に戻すと目の前に悠々と泳ぐエイや漂うクラゲの群れが現れた。
コンピューターグラフィックス(CG)の映像だが迫力満点。

かごは深海に向けて下降を続ける。
すると、1匹の大きなサメが近づいてきた。
口の周りは血で赤く染まっている。
手を伸ばせば届きそうなほど近くを泳いでいたが突然、猛スピードでこちらに向かってきた。
中が見えるほど口を大きく開け、かごにかみつく。
思わずのけ反った。
かごが急いで引き上げられるが、それでもサメは何度も襲いかかってくる。
心の中で「早く水中から出してくれ」と叫んでしまった。
サメが去った時には、かごは半分ほど食いちぎられてボロボロだった。

映像はここで終了。
5分程度だったが、映像の中に入り込むという未知の体験を十分に楽しめた。

◇PSVRの魅力は「テレビの登場以来のイノベーションだ」
「家庭内の映像体験としては、テレビの登場以来のイノベーションだ」。
SIEの国内事業を統括する盛田厚取締役は13日に東京都内で開かれた発売記念イベントで、PSVRの魅力をそう語った。

ソニーは家庭用ゲーム事業を「成長をけん引する最大のドライバー」(平井一夫社長)と位置付けている。
PSVRは世界販売が4000万台を突破したPS4と組み合わせて遊べ、価格も4万4980円(税抜き)と先行するライバル製の半分程度に抑えたことで普及が進みそうだ。

ただ、国内ではスマートフォン向けゲームが普及し、家庭用ゲームの市場規模は縮小する一方だ。
ゲーム雑誌「週刊ファミ通」を発行するKADOKAWAによると、スマホ向け中心のオンラインゲームの市場規模は、2010年に2963億円だったのが15年には3倍超の9989億円まで急成長。
対する家庭用ゲームは15年に3601億円と5年前から約3割減となった。

野村証券は20年には世界のVR市場は約1兆円規模に達すると予測しており、家庭用ゲームの存在感が低下するなか、ソニーはテコ入れにPSVRを投入した。
対応ソフトの開発にはスマホ向けゲームメーカーのグリーやコロプラなども参入を表明しており、SIEは「多様なゲームメーカーが参入すれば、ゲームの幅を出せる。
PSVRで家庭用ゲーム市場を活気づけたい」としている。

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