『FFXIV』拡張パッケージ第2弾『紅蓮のリベレーター』情報まとめ in Vegas
文・取材:ライター Mainai、撮影:ライター バーボン津川
●ティザートレーラームービーも初お披露目に
『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)のワールドツアー“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2016”の初回公演が、アメリカ・ネバダ州のラスベガスにて開幕。
同作を愛する大勢の北米プレイヤーが会場のParis Las Vegasに集結し、さまざまなアトラクションやステージイベントを楽しんでいる。
すでに速報でお伝えしたとおり、イベントの冒頭で行われた基調講演で、『蒼天のイシュガルド』に続く拡張パッケージの第2弾、『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』(以下、『紅蓮のリベレーター』)のリリースが発表。
新エリアの追加やレベルキャップの開放など、全世界のプレイヤーが待ち望んでいた情報を吉田直樹プロデューサー兼ディレクターみずからが明かしたのだ。
本稿では、速報でお知らせした内容も含めて、基調講演で判明した一連の新情報を振り返っていこう。
●レベルキャップ上限が60から70に引き上げへ!
基調講演に先立ち、会場内のスクリーンで『紅蓮のリベレーター』のティザートレーラームービーが上映。
そのうえで、拡張パッケージの第2弾の具体的な解説に突入していった。
今回の基調講演で吉田氏が語った同作の内容は、以下のとおりだ。
以下、吉田氏の説明(要旨)
『紅蓮のリベレーター』のリリースまでパッチがまだ残っており、そのストーリーをジャマしないために、今回のティザートレーラーはロングバージョンのほんの一部になっています。
リリース日は映像でお知らせしたとおり、2017年の初夏を予定しています。
開発は順調に進んでおりますが、リリースまでに日本・欧州のファンフェスティバルの開催やパッチの公開が控えています。
随時、ストーリーが繋がっていくように(情報の公開時期を)計画しています。
『紅蓮のリベレーター』では、エオルゼアの悲願であるアラミゴの奪還を皆さんに目指していただきます。
アラミゴはガレマール帝国に支配されて、すでに20年が経過しています。
長い年月が過ぎていますが、ラウバーンやイルベルドのように、いままでは若いころに祖国を奪われた人が登場してきました。
その一方で、20年という歳月が流れた結果、帝国に支配されたアラミゴで生まれたアラミゴ人たちもたくさんいます。
彼らは果たしてアラミゴを解放したいと思っているのか……そんな思惑も絡まったディープなストーリーを皆さんにお届けしたいと思います。
皆さんが新たに戦う敵は、ドラゴン族からガレマール帝国へとふたたび戻ります。
注目すべきキャラクターは、ゼノス。
アラミゴを統治する、最近赴任したばかりの第XII軍団長です。
この人物はこれまでの将軍とは異なる性格を持っています。
皆さんがどういった状況でこの将軍と出会い、そしてどう戦っていくのか……ぜひご注目ください。
光の戦士と解放軍(レジスタンス)というキーワードが出てきます。
光の戦士たちである皆さんと、解放軍の交わりにもご期待ください。
そして『蒼天のイシュガルド』で好評だった、MMORPGでありながら仲間とともに旅をしていくという展開を、さらにパワーアップしてお届けしようと思っています。
『蒼天のイシュガルド』のメインジョブは竜騎士でしたが、『紅蓮のリベレーター』のメインジョブのひとつはモンクです。
今回の旅が始まる場所は、解放軍の隠れ里であるラールガーズリーチです。
アラミゴの守護神であるラールガーの巨大な像をいただくこの拠点から皆さんの冒険がスタートします。
新たな複数のジョブが追加されます。
(詳しくは秘密ですが)2年前、私は『バットマン』が好きと言いましたが、Marvelのキャラクターも大好きです。
……これ以上は、言わないでおこうかな(笑)。
今後の情報公開を楽しみにお待ちください。
※『FFXIV』パッチ4.0“紅蓮のリベレーター”の新ジョブをにおわせる
すべてのクラスとジョブのレベルキャップが70まで開放されます。
既存ジョブにも新アクションが追加されるので、そちらの情報も楽しみにしていただければと思います。
アクションが増えることでゲームパッドのボタンの数が足りなくなる……と不安に思っている方もおられるかと思うので、バトルシステムを変えます。
今回は、その中の一部をご紹介します。
まず、アディショナルスキルのシステムにオーバーホールをかけます。
皆さんはいろいろなジョブを使っているかと思いますが、そのなかでたくさんのアクションが存在しています。
たとえば、タンクであれば物理ダメージをカットするような技を個別に持っているため、ジョブを切り替えるたびに別の技をセットしなければならなくなっています。
『紅蓮のリベレーター』で技の数が増加することにより、操作がさらに難しくなってしまわないよう、ロール共通のアクションというシステムを作ることで、その問題を解決しようと考えています。
そのロール共通アクションの中から使用するものをチョイスして、バトルを行ってもらうことになります。
そしてもうひとつ。
フェザーステップを代表とする、効果が小さかったり、用途が限定的だったスキルをすべてのジョブにおいて全面的に見直します。
レベル60のジョブを開発した結果、(時間制限つきの)バフを維持しなければ火力が出せないなど、ちょっと難しくなりすぎたと考えています。
このため『紅蓮のリベレーター』では、できるだけ各ジョブの個性をまっすぐ伸ばしつつ、もう一段、扱いやすくなるようにシステムを変更していきます。
たとえば竜騎士を扱う方は、蒼の竜血のバフタイマーをつねに注視しているかと思います。
『紅蓮のリベレーター』リリースを機に、ジョブ専用のUIを用意することで、バフ(アイコン)よりも視覚的にその職業の特徴を把握しやすいデザインに変更します。
とにかく、ひたすらバフを見るゲームとなっている現状を変えたいです(苦笑)。
たくさんの新規フィールドを用意しています。
もちろんそのエリア数は、『蒼天のイシュガルド』よりも少なくなることはありません。
しっかりと、皆さんに新作のRPGソフト1本分のゲーム体験をお届けしようと思っています。
アラミゴは砂漠や荒野のイメージが強いかと思いますが、地域ごとに変化に富んだマップをご用意します。
『紅蓮のリベレーター』にも、新たな蛮神がたくさん登場します。
皆さんがよく知っているものから、まったく新しいものまで、開発チームが総力を挙げて制作を進めています。
インスタンスダンジョンもたくさん用意されています。
皆さんのゲーム体験がさらに盛り上がりのあるものになるよう、新しいコンセプトのもとで制作を進めています。
新しい高難易度レイドダンジョンがスタートします。
これまで我々は、大迷宮バハムート、機工城アレキサンダーというふたつの大きなハイエンドレイドを開発してきました。
それらが公開されるたびに、多くのフィードバックをいただきました。
「難易度はひとつでいい」というお声から、「もっと難しいレイドダンジョンがほしい」まで、さまざまなご意見がありました。
ノーマル版と零式のシナリオを別々にしてほしいなど、多様なご意見を参考にしながらディスカッションを行いつつ、開発を進めています。
『FF』らしいハイエンドレイドにしていきますので、続報をお待ちください。
クリスタルタワーとマハに続く、新たなアライアンスレイドの制作が始まりました。
こちらにもビッグニュースがあるのですが、日本(での開催)まで待ってもらおうかな……(苦笑)。
かなり『FF』らしいものになっています。
禁断の地エウレカという、新しい探索エリアをお届けします。
雲海探索 ディアデム諸島に続く探索コンテンツはパッチ3.5の公開に向けて開発を進めているのですが、禁断の地エウレカは、それとは異なるフィールドを使ったコンテンツにしていく予定です。
もしかしたら、72時間に一度しか出現しないノートリアスモンスターなどがいるかも……? アニマウェポンに続く武器・防具成長コンテンツに、このコンテンツを用いる予定になっています。
既存のコンテンツ(を周回するの)ではなく、禁断の地エウレカで育ててもらおうかなと思っています。
もうリットアティンと戦うのはイヤですよね(笑)。
たくさんのギアやレシピが登場します。
先日開催した装備コンテストの優秀作品は、『紅蓮のリベレーター』の発売を機に(ゲーム内に)リリースが始まります。
たいへん長らくお待たせしました。
スクウェア・エニックスのサーバーインフラチームと『FFXIV』のサーバーチームが総力を挙げて、インベントリの拡張を行っております。
サーバーレスポンスの関係もあり、所持品を増やすことはなかなかこれまで実現できませんでした。
たくさんのプレイヤーの方に遊んでいただいたことによって生じた利益を、所持品の追加という形でみなさんに還元しようと考えています。
できるだけたくさんの容量を増やしたいと思っていますが、サーバーを安定させるために、もしかしたらインベントリの増加を2段階に分けて行うかもしれません。
こちらの詳細も、プロデューサーレターLIVEなどでお伝えしていきます。
既存の3つの都市に加え、『紅蓮のリベレーター』リリースのタイミングでまったく新しい4番目のハウジングエリアがオープンします。
イシュガルドかな……アラミゴかな……? メインストーリーにとても大きく関わってくる部分でもあるので、まだ秘密です。
今回はアラミゴに行くということで、これまで以上にアラミゴ様式が登場してきます。
(現地の)エーテライトは、冒険が進むと形が変わり始めたりします。
皆さんは、グリダニアとアラミゴを分ける(黒衣森の)バエサルの長城の向こう側へ行けるようになります。
どうやってバエサルの長城を越えるのかは、パッチ3.5をお待ちください。
アラミゴは、帝国に支配されて20年が経過しているので、既存の仮の基地ではなく、本当の意味でのガレマール帝国様式の建築物も登場します。
アラミゴと帝国の文化の融合みたいなところも、今回のフィールドデザインのポイントのひとつになっています。
さきほどもお伝えしたとおり、アラミゴは砂漠だけではありません。
変化に富んだフィールドをたくさん制作しています。
『紅蓮のリベレーター』で追加される新しいフィールドは、すべてフライングマウントに対応しています。
ただし、(飛行するには)風脈の泉を集めてもらうことになるかもしれません(笑)。
●Windows版のスペック変更とPS3版の今後
皆さんに最高のゲーム体験を味わっていただくために、『紅蓮のリベレーター』リリースのタイミングで、Windows版の必要動作環境を見直させていただきます。
32ビットのOSでプレイされている方もおられると思いますが、できれば拡張パッケージの発売を機に、64ビットのOSに切り替えていただければうれしいです。
もちろん発売後も、可能な限り32ビットOSもサポートさせていただくつもりではあります。
ですができれば、(OSを)変えてほしいです(苦笑)。
また、PS3版のサポートを終了させていたきます。
ここまでたくさんの方に『FFXIV』をプレイしていただけたのは、PS3という偉大なゲーム機でリリースできたからこそだと思っています。
ですがこちらも、皆さんにグレードの高いゲーム体験を味わっていただくために、(PS3版の終了という)決断をさせていただくことにしました。
ただし、いまなおPS3版で遊んでくださっている方もたくさんおられます。
そこで、ソニー・インタラクティブエンタテインメントさんと協力し、PS3版からPS4版へのアップグレードキャンペーンを再度行います。
PS4本体さえご用意いただければ、キャンペーン利用に際しての費用は一切かかりません。
『紅蓮のリベレーター』が発売されるまでは、PS3版のサポートは全力で続けます。
ただし、拡張パッケージが発売されて、パッチ4.0がリリースされた瞬間、PS3で『FFXIV』は起動しなくなります。
ぜひそれまでにアップグレードキャンペーンをご利用いただければと思います。
『紅蓮のリベレーター』のリリースを機にせっかく復帰しようと思ったらPS3版だったという場合もあるかと思うので、そのタイミングでまだ旧バージョンだった方は、我々が責任を持ってPS4版へ自動的にアップグレードさせていただきます。
次期拡張パッケージに関する情報の公開はこれにて終了。
最後に、天野喜孝氏のイメージイラストがお披露目されて基調講演は閉幕となった。