手軽に遊べるiOS版『クリプト・オブ・ネクロダンサー』を紹介 リズムゲーム+ローグライクは中毒になるおもしろさ
文:編集部 工藤エイム
●指と頭はせわしないけど、それが楽しい!
スパイク・チュンソフトから2016年7月1日に配信されたiOS用アプリ『クリプト・オブ・ネクロダンサー ポケットエディション』。
本作は『風来のシレン』などと同じく、プレイヤーと敵が交互に行動するターン制のローグライクRPGに、 楽曲に合わせてボタンを押していくリズムゲームの特徴を併せ持つ、新感覚のダンジョン探索ゲームだ。
以前すでにPS4、PS Vita版のプレイインプレッションをお届けしているが、今回あらためて本作の魅力とiOS版で追加された機能をお伝えしたい。
『クリプト・オブ・ネクロダンサー』とは、Brace Yourself Gamesが開発を手掛けるアクションゲーム。
特徴は、ローグライクなダンジョン探索ゲームに、リズムゲームを組み合わせていること。
ようするにBGMとして流れる楽曲のビートに合わせて動かなければならないのだ。
1歩が1ターンとなり、プレイヤーがキャラクターを動かさなくともモンスターはリズムに合わせて動き、次々と主人公に襲いかかってくるので、いわば強制的にビートにのって動き続けなければいけないのだ。
止まることなど許されないプレイヤーは童話の「赤い靴を履いた少女」状態である。
筆者はすでにPC版を購入して遊んでいたが、じつを言うと本作やそのほか多くのローグライクゲームで採用されているターン制の戦闘システムはすごく苦手である。
もともと収録されているテクノポップ調の楽曲が非常に好みだったので買ったという口だ。
さて、今回スマートフォンで遊んでみると、いかに本作が携帯機に向いているか分かる。
1ステージ2〜3分ほどで遊べることに加え、電車やベッドの中など思い立ったときに気軽にプレイできるからだ。
そしてiOS版での最大の特徴である、iTuneライブラリに入っている曲でプレイが可能になっている。
合計17ステージに、iTunesのライブラリに登録された楽曲プレイすることができるので、自分の好きな楽曲を手軽に設定し、プレイすることができるのだ。
リズムゲームの特徴も持つ本作において、これは非常にうれしい機能。
自分のお気に入りの楽曲でビートに乗りながらプレイするのは、楽しいの一言につきる。
もちろんプレイステーション4、プレイステーション Vita版で収録されていた『ダンガンロンパ』、『風来のシレン』コラボ、『グルーヴコースター3 リンクフィーバー』の楽曲でもプレイすることも可能だ。
プレイステーション4、プレイステーション Vita版が気になっていたけど……という人も安心してほしい。
ゲームの流れはというと、プレイヤーはランダムで自動生成されるマップ(迷宮)に潜り、“ミニボス”を倒して、さらなる下層へと進んでいくことになる。
基本的には3階層をクリアーして“ボス”を倒し、道中で集めたダイヤを使って体力を増やしたりと有利に進めるようにアップグレードができるようになっている。
ダイヤ以外にも敵を倒すとコインが手に入り、ダンジョン内にいるBGMに合わせてオペラ歌手バリに高らかに歌うキャラクター“Singing shopkeeper”が運営する商店で、武器や防具などが購入できる。
また先述したように、モンスターはリズムに合わせて動き、次々と主人公に襲いかかってくるので、プレイヤーは動きを止めずに敵を撃破していかなければならない。
じっくりと次の一手を考える余裕はないので、指先はめちゃくちゃせわしないけど、頭は冷静に判断しないと一瞬でゲームオーバーになってしまう。
始めたばかりの初心者にとって、容赦なく迫るビートとモンスターの絶望感は半端じゃないはず。
この緊張感はプレイヤーを焦らせ判断力に欠けた行動や操作ミスを連発させることもしばしば……。
ひとつの頭でふたつのことを同時にやらせるような、まるでバチすら触ったことのない人にドラムを演奏させる無茶振りに、筆者は途中でゲームを投げ出しそうになったこともあった。
しかしいたずらに難度が高いだけではなく、モンスターの特徴をしっかりと理解すれば、ノーダメージでクリアーすることだってできるのが本作。
モンスターそれぞれには攻撃するタイミングや進行方向といったパターンが決まっているので、それぞれの特徴を理解していれば“攻略のセオリー”が見えてくる。
徐々に慣れリズムよく華麗にモンスターを撃破でききようになると、リズムゲームで上手くビートに合わせて演奏できた爽快感と、ローグライクでさくさくと敵を倒すふたつの爽快感が同時に味わるのだ。
もちろん、慣れるまでは少々の時間は必要だが、ロビーにいる“ビーストマスター”と“ボスマスター”にダイヤを支払うことで、何度でも練習することができる。
ダンジョン内でゲームオーバーになっても、リプレイ機能でプレイを見直して反省することも可能だ。
またクイックリスタートで“瞬時”に再スタートできる。
何度も何度も同じフロアをくり返すことになってもストレスはほぼ感じられないはずだ。
ちなみに主人公以外にもプレイアブルキャラクターは多数いる。
どうしても「ビートに乗りながらせわしなく動くのはきつい」という人には“バード”がおすすめ。
“バード”はビートに関係なく動くことができ、プレイヤーが1回動くと敵も1回動くので、通常のローグライクとして遊べる。
ほかにもビートに乗れなかったりすると即死するいわゆる上級者・縛りプレイ用キャラクターの存在も。
キャラクターは見た目がかわいらしいものから筋肉質なおっさんとさまざまだが、もし見た目が気に入らなかったら“アバター機能”を使うという手もある。
“アバター機能”ではプレイステーション4、プレイステーション Vita版でも収録されていた『ダンガンロンパ』、『風来のシレン』、『グルーヴコースター3 リンクフィーバー』のキャラクターに変更することができるので、モノクマや江ノ島盾子といった人気キャラクターや、ローグライクでおなじみのシレンで、迷宮に挑める。
能力は元となるキャラクターのものが反映されるので、「“バード”の能力は気に入っているけど、見た目がおっさんなのはいやだ」というひとはぜひこの機能を活用してほしい。
ゲームオーバーになると身ぐるみをはがされて一からスタートがローグライクゲームの常だが、ダイヤのみロビーで消費アイテムとして使える(ただし、1回分の探索で見つけたダイヤだけストックされ、再度探索にでかけるとダイヤの数はリセットされる)。
開始時点ではふたつしかない体力を、ダイヤを消費して増やしていくことで生存率をグンと上げることもできるのだ。
「つぎはもっとダイヤを見つけて体力を増やそう!」、「体力が増えたから、つぎのゾーンはクリアーできるはず!」と、プレイモチベーションにもつながるすばらしいシステムである。
さて、ここまでつらつらと紹介してきたが、数々のローグライクアクションをプレイしてきた人もリズムゲーム+ターン制ローグライクの新体験はやみつきになるはず。
気になっている人はぜひiOS版をダウンロードして、手軽にかつ自分の好きな楽曲で迷宮探索を味わってほしい。