PPAP、ポケモン、TPP…=この一年、猛威を振るった「P」
日本漢字能力検定協会が主催する2016年の「今年の漢字」は「金」である。
2000年、12年に次いで3度目の選出とか。
五輪で金メダルをいっぱい取った年はえてしてそうなるものだ。
漢字は「金」だが、アルファベットなら文句なしに「P」だ。
思いつくままに挙げても指が何度も折れる。
右を見ても左を向いても「ピー、ピー、ピー」。
昔はカネに困った状態を例える擬音とされたが、今年のそれは何かしら大金の流れを連想させる。
まず、ユニークな歌と踊りで人気を集めたピコ太郎さんの「ペンパイナッポーアッポーペン」。
いわゆるPPAPにはPが3つも入っている。
8月にネットで公開されるとたちまち世界中で人気となり、動画の再生回数は1億回を超えた。
苦労人のピコ太郎さんも、大いに潤ったことだろう。
世界中でブームになったといえば「ポケモンGO」の頭文字もP。
任天堂などが開発したスマートフォン向けのゲームだが、7月にリリースされるや否や世界中が熱狂。
モンスターを求め、あちこちをうろつく人々の姿が話題になった。
熱中するあまり、思わぬ交通事故につながることもあった。
多国間の貿易ルール作りの基本となる環太平洋パートナーシップ連携協定も、略称は「TPP」。
太平洋沿いの12カ国で共通の貿易・投資ルールの構築を目指す自由貿易協定。
2月に12カ国が署名した。
今後、日本の貿易に多大な影響を及ぼしそうだ。
地球の裏側では、リオデジャネイロ五輪で大いに盛り上がった。
オリンピック(OLYMPIC)・パラリンピック(PARALYMPIC)にも、もちろんPがある。
4年後の東京大会を見据え、競技場などの巨額な建設費問題が取り沙汰されている。
スポーツでいえば、シーズン中あれほどの勢いを見せたプロ野球の広島カープ(CARP)にもP。
それでも日本シリーズで日本ハムに敗れたのは、相手がパ(PACIFIC)・リーグだったからか。
野球でいえば、高校野球の名門PL学園(大阪)が事実上の休部になるという寂しいニュースもあった。
海の向こう米国では大統領(PRESIDENT)を決める選挙があり、大方の予想を裏切ってトランプ(TRUMP)氏が選ばれた。
名前にPのないクリントン氏、今年はどうもトシが悪かったようだ。
年末になってもPの勢いは止まらない。
日本の真珠湾攻撃(PEARLHARBOR)から75年目に当たる今年、安倍晋三首相が現地に訪れてオバマ米大統領とともに戦没者を慰霊した。
年内をもって惜しまれながら解散する人気グループの名は「SMAP」。
1年の最後の締めくくりも、やっぱり「P」だった。
(時事ドットコム編集部)