任天堂、完全復活なるか 海外で新スマホゲーム大ヒット 業績改善期待で株高騰
任天堂などが米国などで配信を始めたスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の人気が急速に盛り上がっている。
スマホの位置情報機能を使って、現実世界を移動しながらゲームキャラクターを集めるゲームで、米国ではアップルのアプリランキングで首位となったほか、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」ではツイッターに匹敵する人気という。
任天堂の業績改善への期待も高まり、株価が急上昇。
12日には時価総額3兆円を回復した。
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◆ツイッターに匹敵
ポケモンGOは6日に米国、豪州、ニュージーランドの3カ国で配信が始まり、翌日には配信数ランキングのトップに躍進。
英国の調査会社は、アンドロイドを搭載したスマホ利用者の約3%が毎日遊んでいると分析し、既に「ツイッター」に匹敵するほか、利用時間もフェイスブックの「ワッツアップ」や「インスタグラム」などソーシャルメディアより長くなったほどの人気ぶりだとしている。
ポケモンGOは現実世界を移動しながら、スマホの画面上の地図の中に潜んでいるさまざまなポケモンを捕まえてコレクションするゲーム。
見つけたポケモンの姿はスマホのカメラ機能で映し出された実際の風景と合成して表示され、ポケモンが現実世界に存在しているかのような感覚を演出している。
任天堂と任天堂の持ち分法適用会社のポケモン(東京都港区)、任天堂も出資する米ゲームベンチャーのナイアンテック(カリフォルニア州)が共同で開発。
日本でも近く配信を始める見通しだ。
米紙ウォールストリート・ジャーナルなどは現実世界とゲームの世界を結びつけるポケモンGOの波紋をこぞって報道。
家の中にこもりがちだった子供がスマホを片手に外に出かけるようになったり、ゲームが縁となってデートの相手が見つかったりするケースが出ているという。
豪シドニーの観光名所となっているオペラハウス近くでは9日、約2000人が集まってポケモンを探すイベントが開かれた。
◆熱狂保てるか注目
逆にポケモンGOをめぐる「トラブル」も報告されている。
ワイオミング州では8日、水辺で暮らす設定のポケモンを見つけようと川沿いを歩いていた女性が偶然、本物の死体を発見。
ミズーリ州の警察当局は10日、ポケモン探しに興じている利用者を狙った強盗事件が起きたと発表した。
ポケモンGOは基本的に無料でゲーム内で課金する仕組み。
任天堂の業績改善期待が高まり、東京株式市場では株価がストップ高となった11日に続き、12日も前日比2580円高の2万2840円と爆騰した。
低迷が続いていた任天堂の完全復活となるか。
米ブルームバーグテレビは11日、「この熱狂をどこまで維持できるかに注目だ」と論評した。
(ワシントン小雲規生)