家でも外でも、スイッチ! 任天堂、スマホからスイッチなるか

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3日に販売が始まった任天堂の据え置き型ゲーム機「NintendoSwitch(ニンテンドースイッチ)」は、携帯型機としてもプレーできるほか、機能を大幅に向上させたコントローラーを使って、多彩なゲームを楽しめる。
友人や家族との遊びの輪を広げることを狙い、低迷している据え置き型の再浮上を目指す。
3日午前9時半。
京都市下京区の家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア京都」では、予約販売でありながらレジ前にゲームファンの長い行列ができ、期待の高さをうかがわせた。
購入した大学生や会社員らは「職場で休憩中に同僚と遊びたい」「ゲーム大会に向けてみんなで練習したい」とプレーを心待ちにしていた。
スイッチが狙うのは、友人や家族が一緒に遊ぶ需要の掘り起こしだ。
その象徴はコントローラー。
腕の動きを検知したり、触感を再現したりする機能を取り入れ、テレビゲームに慣れていない人でも直感的に操作できるようにした。
さらに「いつでもどこでも一緒に楽しめる」(君島達己社長)ようにと、1990年発売の「スーパーファミコン」以来、久しぶりに2個セットで売り出した。
合体させて1個のコントローラーとしても遊べる。
また、発売初日に2人で遊ぶミニゲームを多数盛り込んだゲームソフト「ワンツースイッチ」を投入。
「真剣白刃取り」や「牛の乳搾り競争」が体験でき、同社は「パーティーゲームの定番にしたい」と意気込む。
タブレット端末のような液晶画面が付いた本体は、外出先に持ち出すことが可能。
友人らと最大8台まで無線でつないで対戦ゲームもできる。
任天堂がこうした仕様を練り上げた背景には、スマートフォン向けゲームの台頭がある。
ゲーム情報誌「ファミ通」の調べでは、スマホゲームの国内市場は2015年で9283億円と、5年前から7・8倍に急増した。
その半面、家庭用ゲーム機は縮小。
据え置き型であると同時に携帯型でもあるスイッチは、ゲームに触れる機会を増やし、スマホに奪われた余暇の時間を取り戻す使命を帯びている。
据え置き型機市場での覇権奪回も大きな課題だ。
先代機「WiiU(ウィー・ユー)」は販売不振で、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「プレイステーション(PS)4」に先行を許している。
PS4は仮想現実(VR)を楽しめるゴーグル型端末も投入し、1人でじっくり遊ぶソフトを充実させている。
対するスイッチは複数で遊べる「マリオカート」(4月下旬)などを計画し、年末の最大の商戦期に臨む構えだ。
任天堂はスイッチが普及するピークは「2〜3年後」(君島社長)とみる。
それまでにスイッチの機能を最大限に生かし、世界的ブームを生むソフトを開発できるか。
ユニークな遊びを追求してきた同社が次にどんな一手を打ち出すのか、世界中が注目している。

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