ポケモンGO人気を受け「規制緩和する」と後手の対応する韓国政府
韓国政府がきのうゲーム文化振興計画を発表した。
ゲーム専門人材を養成するマイスター高校を設立し、青少年は午前0時から6時まで無条件でゲームにアクセスできなくした現行の強制的シャットダウン制(シンデレラ法)を親の選択制に変える内容を含んでいる。
これまで縛っていたゲーム産業に対する規制を緩和するということだ。
文化体育部の金鍾徳(キム・ジョンドク)長官は「ポケモンGOが出てくる環境を作らなければならない」と話した。
ポケモンGOブームが吹いている時の政府のこうした対応はすでに予想されていたものだ。
2008年に任天堂DSが大ヒットすると当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領は「われわれはなぜあのようなものを作れないのか」と述べた。
数カ月前にアルファGO熱風が吹くと韓国政府はそれまで我関せずだった人工知能(AI)分野への大規模投資計画を出した。
こうした政府の後手に回った対応に業界はすでに慣れている。
よほどでなければゲーム業界関係者らがみんな「そうだと思った」「助けなくて構わないから妨害だけはしないでくれ」と話すだろうか。
世界に2つとないシンデレラ法と各種規制により韓国が握っていたオンラインゲーム産業の覇権は中国に移って久しい。
いまはむしろ生き残りを心配しなければならない境遇だ。
2010年に2万658社だった韓国のゲーム業者数は昨年1万4440社と5年間に30%急減した。
ゲーム業界従事者数も2012年の5万2466人から昨年には3万9221人で25%減った。
産業の活力も失われた。
ポケモンGOの成功を呼んだのは拡張現実だ。
実際の空間と仮想のオブジェクトを連結する拡張現実は100%虚構の世界のバーチャルリアリティ、人工知能とともに情報通信技術(ICT)業界の3大核心キーワードと呼ばれる。
第4次産業革命の成否がこれらにかかっている。
ゲームこそこれら3大キーワードを貫通する産業だ。
ゲーム産業を失うのは無限の未来価値を失うようなものだ。
1990年代に韓国のゲーム産業は政府の無関心の中で華麗な成功神話を書いた。
遅れて政府が規制緩和の方針を固めたのはまだ幸いだ。
だが今回もポケモンGOブームに乗って瞬間的にそぶりだけ見せまた再び「そうだと思っていた」という声でも聞くことになるだろう。