韓経:「ポケモンGOのヒットは20年以上蓄積されたコンテンツの力…韓国もチャンス多い」

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拡張現実(AR)ゲーム「ポケモンGO」の大ヒットを受け、任天堂が再起の翼を広げ始めた。
人気アニメ「ポケットモンスター」を素材に、任天堂とグーグルが投資したナイアンティックが開発したこのゲームは、発売から2週間でダウンロードが3000万件を超えた。
この期間、任天堂株は倍以上に値上がりした。
宋星ガク(ソン・ソンガク)韓国コンテンツ振興院長は20日、ソウルのインペリアルパレスホテルで開かれた「第3回IPサミットカンファレンス」のテーマ発表で、「ポケモンGOの成功は世代を経て築いたコンテンツの無限価値を見せる事例」と強調した。

◆コンテンツと先端技術の融合
ポケモンGOとはグーグルのPlayストアやアップルのAppストアでダウンロードして実行し、特定の場所を映し出せばポケモンのキャラクターが登場しながら実行されるゲームアプリだ。
表面上ではグーグルマップとAR技術が結合した形態だ。
宋院長はポケモンGOの成功の秘訣をハイテク技術だけに見いだそうとしてはいけないと述べた。

ポケモンGO製作会社の任天堂はマイクロソフトやソニーなどコンソールゲームの競合他社でなく、スマートフォンの登場で衰退の道を歩んできた。
2007年のアップルのiPhone発売後、スマートフォンのゲームアプリに消費者を奪われたからだ。
任天堂には秘蔵の武器が残っていた。
1995年に日本で小学生向けに製作したゲームのポケモンはテレビと漫画、映画に製作され、世界に輸出された。
ポケモンGOをする20代と30代の大半は幼い頃からポケモンを楽しんできた世代だ。
宋院長は「ポケモンGOが成功したのは、ポケモンを愛した消費者がいて、この人たちの好みを正確にとらえた破壊的革新のおかげ」と評価した。
20年以上も維持されたコンテンツ知識財産権(IP)戦略と新技術が結合したため可能だったという説明だ。

宋院長はポケモンほど長くはないが、韓国にもこれに匹敵する人気キャラクターがあると評価した。
2003年に登場したアニメキャラクター「ポロロ」は今でも国内はもちろん海外でも大人気だ。
これをポケモンGOのように発展させるには開発の観点を変える必要があるというのが宋院長の助言だ。
宋院長は「予想外の衝撃的なビッグキラーコンテンツが出てくるには、漫画と情報技術(IT)を結合してウェブ漫画というジャンルを作り出したように、大衆が愛するコンテンツにサービスや技術を加味する戦略が必要だ」と述べた。

◆人工知能の著作権問題が登場
チョン・ジングン江原大法学専門大学院教授は「人工知能が碁を打ち、絵を描き、作曲をしながら、人工知能が機械学習に使う著作物とこれを通じて作られる創作物の著作権を考慮する時代がきた」と診断した。

今年3月に李世ドル(イ・セドル)九段と対局したグーグルの子会社ディープマインドの人工知能「アルファ碁」は、囲碁棋士の16万件以上の棋譜を学習した。
これをもとに李九段との対局で4勝1敗の勝利を収めた。
一部の専門家はアルファ碁が人間の囲碁棋士の棋譜を無料で活用するのは不当だとし、棋譜に著作権を付与するべきだと指摘する。
第20代国会議員になったチョ薫鉉(チョ・フンヒョン)九段は囲碁棋譜を知識財産権保護対象に含む囲碁振興法を発議した。
しかし著作権の専門家はジレンマがあると口をそろえる。
囲碁棋士が人工知能が生産した棋譜を活用する場合、その著作権が認められるかという反論が出る可能性があるからだ。
機械学習とデータ収集技術が使われる自動運転車やグーグル図書館でも似た論争が提起される可能性がある。
これに関しチョン教授は「世界的に人工知能の学習に使うビッグデータは公益目的だという点を認め、著作権を最小化する方向に向かっている」と説明した。

◆技術の発展に追いつかない著作権法
自由なコンテンツ利用を認めながらも違法な使用を防ぐ努力は続くべきだという指摘もあった。
フェイスブックコリアのイ・サンジョン政策総括はこの日、パネルとして参加し、「世界で16億人が使用するフェイスブックでも知識財産権の保護は最も大きな懸案」とし「違法コンテンツを自主的に確認し、著作権を侵害したコンテンツのアップロードを防ぐ措置を取っている」と述べた。
ネイバーのチョン・ヨンア法務室取締役は「1人創作者の時代が来て、コンテンツサービスの国境が消え、さまざまな類型の著作権侵害が発生している」とし「技術は急速に進化するが、侵害に対応する規制と規定がこれに追いついていない」と述べた。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

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