「拡張現実」が一気に普及? 世界に「Pokemon Go」インパクト

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成功のカギはARか、それともポケモンありきか
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「Pokemon Go」が世界を席巻している。
世界各国のメディアに「ピカチュウ」が登場し、任天堂とその関連株が急上昇した。
プレーヤーが夢中になるあまりのトラブルも発生し、ゲーム史上でもかつてない社会現象を起こしている。
人気のキャラ、位置情報、そしてAR(拡張現実)を活用したスマホゲームが人々を引きつけている。
これがAR時代の幕開けになるのだろうか――。

■人気爆発、任天堂株は2倍に
Pokemon Goは、内蔵カメラで現実世界にオーバーレイされるポケモンを獲得するというシンプルな基本ルールを持つ。
カメラ、GPSとスマートフォンの基本的な機能を利用しており、ポケモンやアイテムを入手できる「ポケストップ」、チームプレイのための「ジム」などの仕掛けも用意されている。
モンスターボールなどアイテムを購入できるアプリ内課金の仕組みもある。
ゲームは、任天堂、ブランド管理会社のPokemon、Googleからスピンアウトしたゲーム会社Nianticの3社が共同開発した。

ローンチは7月6日。
豪州とニュージーランド、そして米国で行われた。
すぐさま口コミで広まり、翌週の欧州ローンチ時は、米国でのフィーバーを聞いていたファンたちが、歓喜を持って受け入れた。
珍しいポケモンをゲットできると聞いて特定の場所や施設にスマートフォンを手にした人が集まったり、ポケストップでの強盗など犯罪者に利用されたり、世界レベルでさまざまな事象が報じられている。
もちろん、ダウンロード数では各国のアプリストアのゲームカテゴリで首位だ。

VentureBeatは7月19日、全世界のダウンロード数が3億回を超えたと報じた。
課金アイテムなどによる売り上げは3500万ドルにのぼると推定している。
大市場の日本では少し遅れて7月21日にローンチした。
数字は、さらに跳ね上がるだろう。

App InstituteはPokemon Goのリアルタイムのダウンロードと売り上げ追跡をするサイトを用意。
日本時間7月22日22時の時点で、約1時間あたり29万件としていた。
25日朝になっても、その勢いは衰えていない。
また、App Instituteによると、ユーザーは1日平均33分をPokemon Goに費やすが、これはFacebookの22分、Snapchatの18分、Twitterの17分を大きく上回るという。

一方で、同アプリのバッテリー浪費、データ利用容量なども問題となり、米国では下院委員会がNianticに対して、個人データの扱いについて質問する公開書簡を送った。
アプリの公開から2週間もせずに政治家が動いたのである。

1万5000円前後を推移していた任天堂の株価は爆発的な人気を受けて急騰。
一時は3万円を超えた。
Nikkei Asian Reviewは、DeNAなどゲーム業界、任天堂の株主である京都銀行、大阪で「ポケモンEXPOジム」を運営するサノヤスホールディングスなど関連株が軒並み上昇したことから、この現象をアベノミクスにかけて「Pokenomics(ポケノミクス、ポケモノミクスという場合も)」と呼んだ。

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