『ドラゴンクエストX オンライン』バージョン3.3後期が始動! 新職業“占い師”や新機能の詳細に迫るスペシャルインタビュー

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文・取材:ライター ゴジラ太田、撮影:カメラマン 永山亘
●占い師はどんな職業?あの新機能は……?キーパーソンに直撃!!
スクウェア・エニックスよりWii/Wii U/ニンテンドー3DS/PC向けに発売中の『ドラゴンクエストXオンライン』。
そのバージョン3である『ドラゴンクエストXいにしえの竜の伝承オンライン』のバージョン3.3後期へのアップデートが、2016年7月27日よりスタートした。
そこで今回は、アップデートで実装された新職業“占い師”などについて、スクウェア・エニックスのプロデューサーである齊藤陽介氏と、ディレクターの齋藤力氏からお話を伺ってきたぞ。
占い師のレベル上げに勤しむ手を休めて(?)、ぜひこちらのインタビューで明かされる新情報にも注目してほしい。

●新職業“占い師”について
――ついに新職業の“占い師”が実装されました。
戦闘中にカードが表示されるなど、これまでの職業にはない新システムなので、パっと見で「難しそう」というイメージを持たれかねませんが……。

りっきーバトル中は“使いたいカードを使う”だけなので、実際にプレイしてみると簡単なんです。
強いて言うなら、“太陽のカード”が回復、“力のカード”がバイキルト、“戦車のカード”がダメージを与えるといった、“アルカナ効果”と呼ばれるものを覚えるくらいですね。
スクルトなどの呪文も、使いながら覚えていきますよね。
アルカナ効果も性能を覚えてしまえば、呪文などと同じ感覚で扱えます。

よーすぴあとは、出ているカードでどの効果を使っていくのか、という判断くらいですね。

――タロットカードのデッキは20枚で組んでおいて、戦闘中はその中から4枚がランダムで表示されるという認識でよろしいですか?
りっきーはい、そうです。
占い師に転職したときにカードデッキを渡されて、20枚がセットされた状態から始めることができます。

――ということは、占い師になるためのクエストをクリアー後、すぐに転職してもカードは使える状態なんですね。

りっきーアルカナ効果は22種類あって、そのうち20種類のカードを最初に受け取れるので、まずは触ってみて好きなカードを増やしていってもらえればと。

――なぜ22種類なのですか?
りっきー実際のタロットカードのアルカナ(編註:タロットを構成するカードの図柄は22種類)と同じ数にしました。

よーすぴモンスター効果の種類はいくつあるの?
りっきーモンスター効果は19種類くらいですね。
今後のバージョンアップで、種類を増やしていく予定です。

よーすぴじゃあ、バージョン3.3後期開始直後の組み合わせは19種類×22種類があるというわけだ。

りっきーあとは、モンスター効果にランクが設定されていて、ランクが上がると効果が高くなっていきます。

――単純に強いモンスターのほうがランクが高いということですか?
りっきーそうですね。

――戦闘中に20枚を使い切ってしまった場合は、その戦闘中はカードが使えなくなってしまうのでしょうか?
りっきー20枚全部を使い切ったら、再度20枚がシャッフルし直されて配られます。
なので、カードがなくなることはありません。

よーすぴそうなんだ。
長期戦になってカードを使い切っちゃったら、武器で殴りかかるのかと思ってたよ。

りっきーいやいや(笑)。
タロットカードは使い続けられるので、安心してください。

――20枚をセットするのはなかなか大変だと思うのですが、回復系のデッキ、攻撃系のデッキなど、いくつかのデッキを登録して切り替えられるシステムはあるのでしょうか?
りっきー最初は入れようと思っていたんですけど、ルールとして複雑になってしまいそうなので、今回は入れていません。
なので、つねにデッキは装備する20枚の組み合わせのみになりますね。
ただ、カードは気軽に変えられるようにはなっていますよ。

――タロットカードを装備した際は、装備画面に新しい枠が表示されるのですか?
りっきーいいえ。
コマンドの“どうぐ”から“モンスタータロット”を選んでもらい、そこで持ってるカードの中から20枚のデッキを組めるようになっています。

よーすぴ“どうぐ”コマンドからいつでも組み換えできるのかな?
りっきーはい。
フィールドや町にいるときに、いつでも組み換えが可能です。

――気になるのは占い師の武器スキルですが、こちらのほうは?
りっきーこれは、けっこう悩みましたね……(笑)。
最終的には、片手剣、弓、ムチ、棍になりました。

――弓スキルがあるのはうれしいですね。

よーすぴうれしいよね!どうぐ使いをやっていると、ブーメランと弓の両立が難しいんだよねえ。

――賢者など、一部の職業スキルを切らないとならないので大変ですよね。

りっきー僕も武闘家をやっているので、棍スキルはうれしいです。

――なるほど(笑)。
武器スキルが4種類あるということは、占い師の職業スキルは、踊り子のように2種類あるわけではないんですか?
りっきーそうです。
“うらない”というスキルひとつのみです。

――タロットカードに話を戻します。
カードを集める方法は、タロットパックを1週間に5つ、お店で購入する方法。
そして、“魔法の迷宮”でタロットコインを捧げることで挑めるタロット魔人から取る方法が公開されました。
やはり、タロット魔人から取れるタロットパックのほうがレアカードが出やすいのですか?
りっきーそこに関しては、優劣がないようにはしてあります。

よーすぴタロット魔人を倒したほうが、単純により多くのカードを集められるという感じだね。
「そこに関しては」ということは、ほかにも入手手段があるの?
りっきーいや、ほかにはありません(笑)。

――現状の入手手段は、お店からの購入とタロット魔人からの入手、この2種類のみということですか?
りっきーそうなりますね。

●タロットカードの合成について
――タロットカードを合成して新たなカードを作り出すシステムについてお聞きします。
これは、単純に合成すればするほどモンスターのランクが上がっていくのでしょうか?
りっきーそうですね。
たとえば、ランクCのスライムが2枚あるとします。
その2枚を合成すると、ランクBのスライムベスのカードになるという形ですね。

――ランクBのカードを2枚作って合成すればランクAができる、ということですか?
りっきーはい。
そこはすごいシンプルに作ってあるので、実際に触っていただければ、すぐにわかると思います。
欲しいカードも、合成すれば比較的簡単に手に入るようになると思います。

よーすぴ合成後のカードの性能も隠さないもんね。
合成で生み出されるカードが2種類あって、どちらを作るか選ぶこともできるし。

――ちなみに、モンスターの最高ランクはいくつになるのでしょうか?
りっきー一部の特殊合成を除くと、ランクSが最高ですね。

――ランクSと聞くと強そうなイメージがありますが、やはり作り出すのは大変なのでしょうか?
りっきーそれほどではないと思いますよ。
タロットパックを開いていると、たまにランクBやランクAのカードが出ることもあります。
たとえ高ランクのカードが出なくても、合成で簡単にランクは上げられるので、それほど大変ではないかと。

――運に頼らずランクSのカードを早く集めたい場合は、タロット魔人に通うのが近道になりそうですね。
合成してカードが20枚より少なくなってしまうとどうなるのでしょう?
りっきー20枚セットしていないと、戦闘中にカードが使えなくなってしまいますね。

よーすぴ武器のみで戦うことしかできなくなっちゃうの?
りっきーそうなりますね(笑)。
でも、カードの合成中に20枚を切りそうになると警告メッセージが出てきて知らせてくれるので、気づかないうちに20枚より少なくなっていた、ということはないと思います。

――転職してタロットパックをもらった直後に、合成を始めるプレイヤーがいるかもしれませんね。

りっきーカード合成は、転職直後は使えないようになっています。
占い師のレベルが40に到達することで、カードの合成が解放されるんですよ。
いきなり解放するわけではなく、チュートリアルクエストのようなものを用意してあります。
スライム効果のカードを4枚渡されて、「スライムタワー効果のカードを作ってください」というような内容で、そこで合成の仕組みを覚えていただく形になっていますね。
手順を踏んでから、初めて合成が使えるようになります。

よーすぴカードは何枚まで持てるの?
りっきー80枚ですね。
その中の20枚で、デッキを組んでもらうことになります。

よーすぴ81枚になっちゃったら捨てるしかない?
りっきー80枚を超えてしまう状況になったら、タロットパック自体が使えなくなりますね。

――そこまで貯まったら合成してください、というわけですね。
気になるのは、占い師の職業間における役割というか、立ち位置ですが……。

りっきーカードの効果が多岐にわたるので、攻撃系でも支援系でも、どのポジションも可能性はあるんですよ。
ですが、戦士や魔法使いのようにわかりやすい職業ではないんです。
いかに自分のデッキに効果的なカードを並べられるかというのが重要となりますね。
占い師の特技で、手持ちのカードを入れ替えたり、好きなカードを強制的に引っ張ってくるものがあったりするので、デッキをうまく回して、効果的なカードを用意しておく。
これが基本です。

――いろいろな役割をこなせるという、職業としての占い師の方向性は、当初から決まっていたのでしょうか?
りっきー先ほども言いましたが、カードをうまく回すことによって、かなりのパフォーマンスを出せる職業になっています。
ただ、「回復したいけれど回復のカードがこない!」といった状況はあると思います。
そういうところで、占い師としての特有のバトルスタイルが出てくると思います。

――なるほど。
アルカナ効果には、占い師のステータスが影響するのですか?
りっきーステータスが影響するカードもありますね。
攻撃力に依存するカード効果とか。

――回復系のカードは回復魔力が影響するといった感じですね。
しかし、いろいろな役割をこなせる職業となりますと、占い師の4人パーティは何でもこなせる最強の組み合わせ、みたいなこともあるのでしょうか?
りっきー可能性はあります。
“邪神の宮殿”に新たに増える“4獄”が、まさにそれを体験していただきたい場になっていますね。

よーすぴ8人の占い師で戦うやつだよね。
誰かが回復すると思って、全員が攻撃重視のカードで行ってカオスになるんでしょ?(笑)
りっきー開発チームでプレイしたときは、全員が蘇生のカードをデッキに入れていて、「使いたいから、誰か早くチカラ尽きてくれ」という状態で、メンバーがチカラ尽きた途端に、いっせいに仲間が群がる感じで。
「早くこのカード消費したいんだよ」って、奪い合いになっていましたね(笑)。

――わかります(笑)。
お話を聞いている限りだと、手元のカードをシャッフルし直すような特技はないんですか?
りっきーシャッフルし直す特技はないですが、手元のカードを全部捨てて、新たに4枚引く特技はあります。

――捨てちゃうということは、いまある20枚をすべて使い切らないと、再シャッフルはされないということですね。

りっきーそうなります。
占い師は上手に使っていただければ、かなりのパフォーマンスが出せる職業なので、ぜひプレイしてほしいですね。

――プレイヤースキルに依存する部分が大きい?
よーすぴそれもあるかもだけど、いいカードを引く運のほうが重要そうだよね。

――パーティに占い師がひとりでもいると、戦闘が楽しくなりそうですね。

りっきーパーティのうち、3つの職業は攻撃役や支援役でいいと思いますが、残りの席にパーティ全体を強化できるような位置づけで占い師を入れるのは、かなりアリかなと思いますね。

――デッキすべてに太陽の回復カードを入れたり、特定のモンスターカードのみで組むことは可能ですか?
りっきーいえ、「このカードは5枚まで」というように、種類によってデッキに入れられる制限は設けられています。
あとは、デッキに1枚しか入れられませんが、バトル開始時に100%の確率で手元に出現する効果を持つモンスターカードがあるんですよ。

――それは便利ですね。
では、どうしても初手に入れておきたいアルカナ効果は、そのモンスターカードと組み合わせれば1ターン目から確実に使えると。
しかし、モンスターの種類とアルカナ効果、どちらも望む内容にするには、合成が大変そうな感じもしますが……。

りっきー合成のシステムは、本当にシンプルなんですよ。
モンスターも、たとえばスライムのカードを合成に使ったら、合成後はスライムつむりのように必ず同じ系統のモンスターカードになります。
アルカナ効果も、合成元の効果を引き継げるので、思っているほど複雑ではありません。

――ある程度は高ランクのカードを見据えて、逆算して合成していくことができますね。

りっきーランクSのカードになってからも、モンスター効果を変えたい場合は、合成でランクA以上のカードと合成することで、ランクSを維持したまま、モンスター効果だけ変えることもできます。
口ではうまく説明できないんですが、とにかく実際に試してみていただければ。

――『ドラゴンクエストモンスターズ』のような仕組みとは違いますね。

りっきーそうですね。
キャット・リベリオを作るのにプリズニャン32体を揃えないと……みたいなことはありません(笑)。

――すごくわかりやすいです(笑)。

●新コインボスや新機能“遊びたいことリスト”について
――新たに追加された召喚符のボスに“剣王ガルドリオン”が出てきますね。

りっきーこちらは、わりと正統派のボスとして登場します。

よーすぴいかにも力押しでくるというか、わかりやすい攻撃をしてきそうなボスだよね。

――新ボスではありませんが、ついにグラコスにも強カードが実装されました。
いっしょに出現するのは、『DQVII』に登場したグラコス5世でしょうか?
りっきーはい。
“DQX TV”でお見せしたら、視聴者は気づいて一瞬でコメントが出ていましたね(笑)。
現状のコインボスくらいの強さはありますが、グラコス戦とは少し毛色の違う戦闘にはなっています。
HPも低めにしてあるので、グラコス強を問題なく倒せるパーティだったら、グラコスよりもアクセサリーは集めやすいと思いますよ。

――こちらも仲間呼びをするのでしょうか?
りっきー呼びますね。
まあ、うまく戦えば呼ばれずに倒せるかもしれません(笑)。

――グラコス強は、Sキラーマシンのアクセサリーで“海魔の眼甲”が伝承の対象になったことで実装されたのでしょうか?
りっきーそれもひとつの理由になります。

よーすぴ本当は、グラコス強を先に実装したかったんです。
グラコス強は、かなり前からプレイヤーの皆さんからの要望がありましたし。
ただ、どうしても新しいボスのほうを優先するので、このタイミングになってしまいました。

――実装された“遊びたいことリスト”ですが、これはどのような使いかたを意図しているのでしょうか?
よーすぴおもに、大人数のチームを対象にした機能ですね。
チーム内でほかのプレイヤーさんがパーティを組んで遊んでいるのを見て「いいな」と思うけれど、自分からはなかなか声をかけられない方も多いと思うんですよ。
でも、この機能を使えば自動でパーティを組めるようになるので、チームがより活性化するんじゃないかなと考えています。

――最初にひと声かける勇気がない、という気持ちはすごいわかります。
でも、実際にパーティを組んでしまえば、チャットが盛り上がったりするんですよね。

りっきーそうですね。
そのきっかけになってくれればと思って、実装しました。

――これはすべてのMMORPGに共通することですが、何十人もいるチームに後から加入した場合、壁を感じて声をかけにくい状況があるじゃないですか。
それが、この機能のおかげで解決されるんじゃないか、と感じました。
ちなみに、“遊びたいことリスト”は自分で直接入力するんですか?
りっきーいいえ。
仲間検索に“目的”の項目があるじゃないですか。
それをそのまま使える仕組みにしています。

よーすぴもぐらカードがいっぱい余っているんだけど誘いづらいな……というような人は、ぜひ使ってほしいですね。

――Sキラーマシンを希望している4人が集まったけれど、誰も僧侶ができなかった……そんな状況もあるかもしれないですね(笑)。

よーすぴそのときは、僧侶なしでやりましょう!
――この機能をチームだけでなく、フレンドに対しても使えるようにする予定はあるのでしょうか?
よーすぴそういうご意見も多くいただきましたね。
でも、自分のフレンドで集まっても、そのフレンドどうしが知り合いじゃないという状況も多いじゃないですか。
そこが少し難しいですね。

――確かに。
チーム内だけでもパーティの活性化につながると感じました。
最後に、今年は毎年恒例の“七夕イベント”がありませんでしたね。

りっきーそうですね。
今年はふたりで静かに過ごさせてあげようかなと思って(笑)。

よーすぴ今年は、ふたりのあいだに揉めごとが起こらなかったんじゃないでしょうか(笑)。

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興味深い話も飛び出した、2016年7月27日に行われたバージョン3.3後期アップデートに関するインタビューはここまで。
2016年8月2日には、いよいよ『ドラゴンクエストX』4周年記念インタビューを掲載予定なので、こちらもお楽しみに!気になる情報がたっぷりのロングインタビューになりますよ!

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