任天堂が最終赤字に転落 ポケモンGOプラスは発売延期 為替相場変動影響や「Wii U」関連不振

任天堂が27日発表した平成28年4〜6月期連結決算は、最終損益が245億円の赤字(前年同期は82億円の黒字)に転落した。
円高に伴い、所有していた現金などの外貨建て資産の為替差損を350億円計上したことが響いた。

任天堂は関連会社が今月配信したスマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」の人気を受けた業績アップへの期待が膨らんでいたが、足元の円高に打撃を受けている。

4〜6月期の最終赤字は2年ぶり。

売上高は前年同期比31・3%減の619億円で、本業のもうけを示す営業損益も51億円の赤字(同11億円の黒字)だった。

6月23日に英国の国民投票で、欧州連合(EU)からの離脱が選択されたことをきっかけに、安全資産とされる円が買われ、急激に円高が進行。
任天堂が通期で想定していた1ドル=110円より、6月末には7円以上の円高になった。

任天堂は売り上げの海外比率が約7割と高く、業績は為替相場の動向に左右されやすい。

据え置き型のゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」は本体の販売は22万台と前年同期の半分。
インターネットを経由したソフト販売も新作が不調だった。

27日には、当初7月末に発売を予定していた「ポケモンGO」の周辺機器の「ポケモンGOプラス」(税抜き3500円)の発売を9月に延期すると発表。
ゲームで捕まえるポケモンが出現すると、光や振動で知らせる腕時計型の機器で、任天堂としては、「ポケモンGO」の効果を最も業績に取り込める製品だった。
ゲームと連動させる作業が遅れているためとされる。

27日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=105円台前半で取引され、円相場は高止まり。
新製品の投入も遅れるダブルパンチを任天堂は受けている。

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