7月はポケモンGO、カジノ関連株が人気化

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先週の東京株式市場は、日経平均株価で1万6500円を挟んだもみあいが続いた。
日銀は29日の金融政策決定会合で追加緩和を決め、ETF(上場投資信託)の買い入れ額を従来の年3兆3000億円から6兆円に引き上げた。

今回の追加緩和策は、消費者物価指数の年率2%上昇を達成し、デフレを脱却するという政策目標とはかけ離れた手段との見方もある。
日銀の政策手段の手詰まり感は否めないところだ。

■月間値上がり率に「ポケモン関連」がランクイン
今回は、東証1部の「7月の月間値上がり率」上位10社をみていこう。

(1) サノヤスホールディングス +114.20%
(2) オーイズミ +67.11%
(3) イマジカ・ロボット ホールディングス +58.35%
(4) ネクステージ +52.62%
(5) 任天堂 +47.45%
(6) メルコホールディングス +39.81%
(7) イーレックス +39.52%
(8) トランザクション +39.46%
(9) 沖電線 +39.18%
(10) 新日本建設 +37.87%
※銘柄、証券コード、7月29日終値、月間値上がり率の順。

7月の東京株式市場では、ゲームアプリ「ポケモンGO」関連銘柄の上昇が特に目立った。
ポケモンについて権利を有する株式会社ポケモンの大株主である任天堂は19日に3万2700円まで上昇。
サノヤスホールディングス、イマジカ・ロボット ホールディングスなどの関連銘柄もランクインした。

22日夜、任天堂が業績見通しに変更はないとするコメントを公表したことで「ポケモンGO相場」はいったん終息した。
しかし、それでも月末の終値でみた月間値上がり率の上位に関連銘柄が並んでいる。
カジノ関連銘柄と同様に、今後もおりに触れて物色される可能性がある。

■サノヤスホールディングスは「ポケモンEXPOジム」が買い材料に
東証1部の月間値上がり率上位10社の中からサノヤスホールディングス、オーイズミ、沖電線の3社を取り上げたい。

サノヤスホールディングスは大阪市に本社を置くサノヤス造船を中核とする企業グループの持株会社。
造船、陸上、レジャーの3事業を基盤とし、株式市場では業種は「輸送用機器」に位置づけられている。

子会社サノヤス・インタラクションズが、大阪府吹田市のエキスポシティで体験型施設「ポケモンEXPOジム」を運営している。
サノヤスホールディングスが2015年10月21日に公表したニューススリリースによると、ポケモンが国内でプロデュースする初のエデュテイメント施設だ。

エデュテイメント施設とは、娯楽性を持たせることで子供が興味をもって取り組むことができる「知育プログラム」のこと。
今回の「ポケモンGO」配信で人気を集め、入場者の増加が見込まれるとの見方から、7月12日に出来高を伴って急伸。
25日には865円の上場来高値を付けた。

■カジノ法案成立期待で人気化するオーイズミ
オーイズミは、神奈川県厚木市に本社を置く、メダル貸機などパチスロ関連機器を主力とする機械メーカー。
パチスロ人気の一服で、足元では業績に頭打ち感が出ていた。

しかし、カジノを含む統合型リゾートをめぐる議論が盛り上がりをみせたことが材料視された。
秋の臨時国会でカジノ法案成立に向けた動きが進むとの期待から、東京市場ではカジノ関連株が人気化した。
オーイズミは代表的な銘柄のひとつ。
7月下旬に動意付き、高値圏でのもみあいとなった。

■沖電線は「電線地中化関連株」として人気化する
沖電線は川崎市に本社を置く沖電気系の電線・ケーブル会社である。

東京都知事選で、防災強化の観点から「電線地中化」を持論として訴えている小池百合子候補が優勢と報道されたのを手掛かりに、沖電線などの電線会社の株が人気化した。
小池氏は国会議員時代から電線地中化について主張し、このテーマについての本も出版していることが買い人気を後押ししたようだ。
(ZUU online 編集部)

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