(朝鮮日報日本語版) 「ポケモンGO」成功の秘訣を読み誤るな
見たいものだけを見ていては、発展は望めない。
スマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」が世界的にヒットを起こすと、最初に言われたのは「任天堂の復活」ということだった。
20年前、ポケモンGOの基になったゲーム「ポケットモンスター」を作ったのが日本の任天堂だった。
花札を製造していた会社から転身を重ねた任天堂は、イノベーション企業の代表格だった。
だが2010年代に入ると急速に業績が悪化し、今や「失敗事例研究」の対象となっている。
そんな企業が再び革新に成功し、モバイルゲームという翼で不死鳥のように復活する華々しいストーリーを人々は見たかったようだ。
だが、実際にポケモンGOを発案し、開発を主導したのは任天堂というより米ゲームベンチャーのナイアンティックだ。
一時は暴騰した任天堂の株価は、収益が大きく増えないとの見方から30%以上も下落し、本来の水準を取り戻しつつある。
ナイアンティックが米グーグルから独立した企業で、ポケモンGOがグーグルの地図を基にしていることが伝わると、「ポケモンGOが韓国でリリースされないのは、地図データ用のサーバーを国内に置く必要があるという規定のため」という見方が持ち上がった。
グーグルは、この規定のため韓国で十分な地図サービスを提供できないと主張しており、これをめぐり「過剰規制」「グーグルの横暴」という意見がぶつかり合った。
だが、北東部の江原道・束草などでポケモンGOのプレーが可能なように、グーグルの地図問題とは関係なく、ポケモンGOのリリースは可能だ。
地図の件は本質的な問題ではないということだ。
似たようなスタイルの拡張現実(AR、現実世界に仮想の情報やグラフィックを重ねて一体化させる技術)を用いたゲームがかつて韓国にもあったことが伝わると、「20年にわたって積み上げてきたポケモンキャラクターのパワー」が取り沙汰された。
ポケモンのようなキャラクターを、昔から伝わる怪談を応用して作り上げる日本の底力に対する話も出た。
そこには、特定分野への集中、キャラクター産業、伝統との融合など、私たちになじみ深く、また再確認したいさまざまなキーワードがある。