上場1カ月、ポケGO余波で失速もLINE復調 初日終値上回る
無料通信アプリを手掛けるLINE(ライン)が東京証券取引所に株式を上場して、15日で1カ月を迎えた。
この間、株価は一貫して公開価格の3300円を上回ってはいたが、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の大ヒットで投資マネーが任天堂株に流れた影響などから一時、株価は軟調となった。
ただ最近は復調し、15日終値は前週末比195円高の4430円と、終値として上場初日の終値(4345円)を初めて上回った。
LINEは7月14〜15日に米国と日本で上場。
上場前の高い期待を反映し、東京市場では上場初日に4900円の初値をつけ、その日は一時、5000円まで上げた。
だが、上場2日目には早くも前日比で一時10%超も下落。
8月1日には3780円の安値をつけた。
一時軟調となった背景の一つが、ポケモンGOのフィーバーと時期が重なったことだ。
米国などで配信が始まった7月6日以降、任天堂株は急騰。
株価は約2週間で一時、約2倍まで跳ね上がった。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「LINE株は任天堂株に食われて失速した」との見方を示す。
ただ最近は、証券会社のリポートでLINE株について「買い」を推奨する内容が相次いだことで、株価はじわりと回復している。
SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、中長期で市場の評価を高めるには「(LINEが重視する)日本やアジアの一部で収益化の取り組みを進め、株価がついてくることが必要だ」と話した。