マエケン、PS3度目の登板も初勝利ならず

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◆ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦ドジャース―カブス(20日・ロサンゼルス)
ドジャースの前田健太投手(28)が20日(日本時間21日)、カブスとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦に先発。
4回途中3安打6奪三振1失点で降板し、3度目のポストシーズン(PS)登板も初勝利はならなかった。
1点ビハインドの4回2死一、二塁、投手レスターの打席で、降板し「2死で投手でしたし、確実に0点で切り抜けられたと思う」と無念の表情。
継投策も実らず、カ軍に敗れ、対戦成績2勝3敗でワールドシリーズ進出へ王手をかけられた。

まさかの交代だった。
前田は必死に感情を押し殺しながら、ベンチへと歩みを進めた。
4回。
無死一、二塁から2死までこぎ着け、打席にレスターを迎えた時、ロバーツ監督がマウンドへやってきた。
「代わるとは思ってなかった。
びっくりしました。
2死で投手でしたし、確実に0点で切り抜けられたと思う」。
打者が投手なのに代えられる“屈辱”で、PS3度目の登板でも勝利はならなかった。

粘り続けた。
初回、1死一塁からリゾに右翼線へ適時二塁打を浴び、先取点を与えたが、その後の1死一、二塁は連続三振で切り抜け、珍しくほえた。
2回、3回と球数は増えたが、徐々にスライダー、チェンジアップが決まりだして無失点を続けた。
4回の危機も脱して乗っていける、というところで76球での早期降板。
3回2/31失点で勝敗は付かなかったが「早い回で降板して、チームに迷惑をかけた。
あのまま行けば先発としての仕事を果たせたかなという悔しさはある。
あんまりすっきりしない感じ」と不完全燃焼の思いをあらわにした。

ただ、ロバーツ監督の目は違った。
レスターには第1打席でいい当たりの左飛を打たれており「スイングはいい。
3回2/3で76球を投げていた。
速球の制球が乱れ始めて、変化球にも切れがなくなってきていたと感じた」と交代を決断。
継投策に出たが、一度は追いついた後に救援陣が炎上し、崖っぷちに追い込まれた。

PS過去2試合で3回4失点、4回3失点と結果が出せなかっただけに、前田も信頼が揺らいでいるのは感じている。
「(早期降板は)ポストシーズンなんで仕方ないことかも。
ここ最近いい投球ができてなかったので、それも影響していると思います」。
最後はこれまでのツケとして、屈辱を受け入れた。
勝たなければ明日なきPSの厳しさを、身をもって痛感した。
(西村茂展)

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