「ザ・フィースト」初のエキシビショントーナメントが開催

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「FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2016 Las Vegas」2日目のメインイベントのひとつとして「FFXIV」のPvPコンテンツ「ザ・フィースト」のエキシビショントーナメントが開催された。
事前に募集した8チームによる一発勝負のトーナメントで、優勝チームは、ガチのPvPプレーヤーである吉田プロデューサー率いる開発チームと対戦できるという特典付き。
パッチ3.4で導入された観戦モードを使った初の本格的な大会ということで、どのような戦いが繰り広げられたのかレポートしたい。

「ザ・フィースト」は、「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」で新たに導入されたPvPコンテンツ。
最初に実装されたPvPコンテンツ「ウルヴズジェイル(現「ザ・フォールド」)」が単純に相手チームメンバーの全滅を狙うシンプルな内容であるのに対し、「ザ・フィースト」は8分の試合時間の中で各人が所持するコインを奪い合い、メダル数で勝敗を決めるという複雑な内容となっており、個別のリミットブレイク「アドレナリンラッシュ」、敵を落としたメダルを拾うことで、その分被ダメが増えてしまう「ヘヴィメダル」など、様々な特殊ルールがあり、チーム戦術や瞬間瞬間の駆け引きが重要となっている。
パッチ3.4から観戦モードが導入され、第三者の視点から手軽に観戦が楽しめるようになり、この観戦モードを使った初のエキシビションマッチが今回の大会となる。

今回のエキシビションマッチは、北米のコミュニティチーム主導で行なわれた。
事前に全チームのメンバーがキャラクター設定や操作設定を終えており、1戦15分程度のサイクルでテンポ良く進められた。
ただ、チーム名は呼び上げられるものの、チームメンバーの名前などはわからず、誰がどのジョブを使っているかもわからない。
このあたりはもう一工夫あってもいいかなと思ったが、その一方で、純粋にバトルの観戦に集中できるため、こういう形もあってもいいかもしれない。

今回出場条件として、事前に自分のアカウントの「ザ・フィースト」ランキングの提示が求められており、経験者であるだけでなく、トップランカーばかりが集まっている。
使用ジョブは、タンクはナイト、DPSは竜騎士、モンク、黒魔道士、召喚士、機工士あたり、ヒーラーは白魔道士が人気で、暗黒騎士や戦士が登場すると、それだけで「おっ」という感じになる。
また、女性プレーヤーが多いのも印象的だった。
PvPは男共のコンテンツという印象があったが、対人戦を楽しむ女性も多いというのは意外な発見だった。

1回戦、2回戦を見ていて感じたのは「ザ・フィースト」は非常に観戦に向いた、よく練り込まれた対戦コンテンツだということだ。
基本的な流れは、壁に隠れたり、距離を取ったりして相手の攻撃を避けながら、4人全員でタイミングを合わせてヒーラーやDPSを一気に落とすというものだ。
ここまでは「ザ・フォールド」と同じだが、1人倒したから、流れが傾くかというとそうでもないところが「ザ・フィースト」のおもしろいところ。

倒れた敵が落としたメダルを拾うことでポイントとなるが、その代わりメダルを拾ったキャラクターは被ダメージが増え、倒されやすくなってしまう。
しかも仮にメダルを拾ったキャラクターが倒されると、拾ったメダルより多い量のメダルを落としてしまう。
このためタンクが拾うのが定石となっているが、拾えば拾うほど硬いタンクが柔らかくなり、倒すチャンスが生まれてくる。
このルールによって最後まで一発逆転の可能性を残したスリリングな展開が楽しめるわけだ。

今回の対戦でもほとんどの試合がシーソーゲームで、残り10数秒で逆転という試合も多く、見応えがあった。
そうした中、1チームだけ圧倒的に強いチームが存在した。
この「Team First Time」は、見た目からしてコアな「FFXIV」プレーヤーであることをうかがわせる男4人チームで、マットによる試合前後のインタビューもあからさまに興味がない様子で、勝つことにしか興味がないといった雰囲気だった。

編成はナイト、竜騎士、機工士、白魔道士で、全員が抜群に上手く、とりわけ竜騎士と機工士のアタッカー2人がまるでマンガのように強かった。
狙いを定めた敵のHPを2人の連携で一気に削りきり、その都度ナイトがメダルを集め、余裕があれば白も攻撃に参加する。
圧倒的な攻めと、鉄壁の守りで、タイムアップを待たずにメダル差でコールド勝ちを決めていくのだ。

彼らがどれぐらい強いかというと、決勝戦にも関わらず、タンク以外のキャラクターを3回ずつ撃破していたほどだ。
あまりの強さに場が白けるほどだったが、場の関心は、その次のTeam First Timeと開発チームとのエキシビションマッチに移っていた。
開発チームの対戦相手としてはこの上なく頼もしいチームだ。

開発チームの編成は、吉田氏が黒魔道士、中川氏が暗黒騎士で、あとは北米のコミュニティチームから経験者が2名。
吉田氏はステージではほとんど付けない度付きメガネを装着し、本気モードで望んだ。
今回、吉田氏がシンボルジョブである黒魔道士を選択していることもあり、会場から「YOSHIを狙え!」コールがかまびすしく、場の雰囲気は完全にアウェイ。

実は吉田氏に事前にエキシビションマッチ参戦の抱負について聞く機会があった。
その際、吉田氏は、「今回、キーボード/マウス、パッドで操作しなければいけないのでキツいのと、USのトップランカーが来ているので負ける気満々です。
とりあえずバインドして逃げます(編注:吉田氏は、『FFXIV』のガチプレイではG13を使っている)」と弱気な発言に終始していた。

試合前に改めてマットに戦術を聞かれた吉田氏は「ない」と即答、中川氏も「恐ろしい!」と回答。
そんなんで大丈夫なのかという雰囲気が漂う中、さっそく試合がスタートした。

試合は予想通り、それ以前の試合にも増して一方的な展開になった。
吉田氏の黒魔道士ばかりが狙われ、開始数十秒でいきなり撃破され、その後も、「YOSHIDA、SLEEP」、「YOSHIDA、RUN」と、ジョブではなく固有名詞で戦況を解説されながら、攻撃魔法を撃つ余裕すらなくアタックされ続けた。
その後も、白魔道士が撃破された隙に中川氏の暗黒騎士まで撃破される始末で、最終的に開発チームは、本大会で最短の2分58秒で敗北するという不名誉な結末となってしまった。
開発チームが弱いというよりは、Team First Timeが強すぎるという印象で、彼らの大暴れは今後も続きそうだ。

試合後感想を求められた吉田氏は、「ウォーミングアップの時間が欲しかったなあ」と言い訳すると、毎回突っ込み役のマットが「あなたが作ったゲームだよ!」と冷静に突っ込みを入れ、見事なオチを付けていた。
吉田氏によれば、日本サーバーにも上手いプレーヤーは多いという。
東京でのエキシビションマッチにも注目が集まるところだ。

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