日本企業「ブランド価値ランキング」 1位の価値は4兆円超

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ブランディング企業大手インターブランドが発表した「日本ブランドランキング 2016(Best Japan Brands 2016)」で、トヨタ自動車が1位に輝いた。
同ランキングは、「財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響力、そしてブランドによる将来収益の確かさ」という観点から、グローバルに展開する日本ブランドを評価したもの。
上位にランクインした企業紹介や前年との比較などを紹介しよう。

■10位ゲームメーカー「任天堂(Nintendo)」
日本企業ブランドランキング10位は「任天堂」で、ブランド価値は2977億円だった。
ただし、ブランド価値は昨年度よりも27%も落としている。
ゲームメーカーとしての知名度は高く、直近でも「ポケモンGO」、「スーパーマリオラン」、「Nintendo Switch」でも話題を集めている。
今後、新しい領域でゲームメーカーとしての地位を確立できるかがポイントになるだろう。

■9位トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス(LEXUS)」
9位は、トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」だ。
ブランド価値金額は3340億円で1%プラスになった。

海外では自動車メーカーのBMWよりも販売台数が上回りブランド存在感が増している。
トヨタブランドとは一線を画して高級路線で勝負をしており、確実に海外で受け入れられていると言えるだろう。

■8位アパレルメーカー「ユニクロ(UNIQLO)」
8位にランクインしたのはアパレルメーカーの「ユニクロ」だ。
ブランド価値金額は5493億円で、前年度比較でプラス13%と好成績を収めている。

アパレル産業でTOP10入りしている企業は同社のみ。
アジア圏やヨーロッパでのビジネス展開によって、ブランド価値が高まったことが要因になっている。

■7位電子機器メーカー「パナソニック(Panasonic)」
日本のエレクトロニクス産業の一角を担うパナソニックが第7位にランクインしている。
パナソニックのブランド価値金額は6436億円。
前年度よりも2%プラスとなった。

多数のドメインに投資をしており自動車関連部品や太陽光発電などで好成績を納めている点が高い評価に繋がった。
またオリンピック公式スポンサーになるなどスポンサー企業としても国際的に注目を集めている。

■6位メガバンク「三菱東京UFJ」
6位にランクインしたのは三菱東京UFJだ。
今回初ランクインでブランド価値は6980億円だった。
TOP10入りした金融機関は同行だけとなっている。

国際展開を進める中で確実に世界金融の中で存在感が増していることが、今回のランクインの要因と言える。
特に同社はアジア展開を急速に進めておりブランド認知度が高まった結果と言えるだろう。

■5位電子機器メーカー「ソニー(SONY)」
5位にランクインしたのはソニーだ。
ブランド価値金額は7702億円で、前年度比でマイナス5%だった。

ソニーのブランド価値を高めている要因は薄型テレビ「ブラビア」の成功だ。
テレビ領域は世界中の電子機器メーカーが競争を強いられているマーケットである。
その中でもブラビアは高い評価を獲得して、マーケットで存在感を高めている。

なお、ブラビアはインターブランドが開発したブランド名称である。
ブランド価値の創出を手掛けるインターブランドに任せるあたりがソニーの強みとも言えるのかもしれない。

■4位自動車メーカー「日産(NISSAN)」
第4位は日産自動車である。
ブランド価値は9082億円で、前年度よりも19%向上している。
日産のブランド価値が高まっている背景には、スポンサー契約が大きな要因だ。
スポーツチームと契約をしていることで、上手にブランド価値の創出に成功をしている。

また若者向けに自動車販売を進めている点も高く評価している。
自動車離れする世代を上手に食い止めることができている点で、今後ますますブランド価値は高まると期待されている。

■3位電子機器メーカー「キヤノン(Canon)」
3位にランクインした企業は電子機器メーカーのキヤノンだ。
同業界のソニーや日立を抑えての堂々TOP3である。
その価値金額は1兆1278億円で、残念ながらマイナス4%だった。

キヤノンのブランド価値が高い要因は戦略的な中国マーケット展開にある。
従来、キヤノンは中国展開に苦戦を強いられてきた。
その理由がキヤノンのブランド価値が浸透していないことにあった。

キヤノンは技術面と先進性のイメージを取り入れ、中国マーケットに打って出ている。
これが功を奏してブランド価値を高めるに至っている。

■2位自動車メーカー「ホンダ(HONDA)」
ホンダのブランド価値金額は2兆2975億円で、前年度よりも6%プラスになった。
ホンダのブランド価値を高めた要因は、F1に参戦したことが大きなきっかけとなっている。
また新興国を中心としてバイク需要が高く、これがブランド価値の底上げにつながったと評価している。

本来の自動車分野だけでなく、関連領域にてその存在感が増しており2位にランクインした。

■1位自動車メーカー「トヨタ(TOYOTA)」
インターブランドのランキングで1位を獲得したのは、日本人だけでなく、世界中の多くの人が知っているトヨタだ。
トヨタのブランド価値金額は4兆9048億円で、前年度に比べて16%プラスしている。

トヨタが特に優れているのは、ブランドの信頼度だ。
要するに「トヨタは安全」「トヨタだから大丈夫」と思われている。
この所以は長期的にブランド価値を高める事業戦略を導入してきたからだ。

またトヨタの存在度も極めて優れていると言える。
ダイハツの完全子会社化や、AIシステムの導入等、先駆的で挑戦的な視線もあるだろう。
トヨタはこのようにブランド価値の創造・成長をさせており、今回インターブランドの1位に輝いた。
なお、視点を世界に移すとトヨタは5位。
初のアジアブランドでTOP5入りを果たしている。
(ZUU online 編集部)

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