<任天堂>33%減収…00年以来最低 ゲーム販売不振

任天堂が26日発表した2016年9月中間連結決算は、ゲームソフトの販売不振のため、売上高が前年同期比33.0%減の1368億円と、中間連結決算の公表を始めた00年以来、最低に落ち込んだ。
また、本業のもうけを示す営業損益は、円高による為替差損などで59億円の赤字(前年同期は89億円の黒字)になった。
最終(当期)黒字は確保したものの、通期決算の見通しは引き下げており、ヒットソフト、ハード不在のなか、苦戦が続いている。

新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発売を来年3月に控えており、据え置き型の従来機「WiiU(ウィーユー)」がハード、ソフトとも大幅に販売が減少した。
米国を中心に海外の売上比率が約7割を占めているため、円高で399億円の為替差損が発生した。

一方、今年7月から各国で配信が始まったスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO(ゴー)」のヒットで、ゲーム開発にかかわった関係会社の利益などが120億円加算された。
8月には米大リーグ・シアトル・マリナーズの運営会社を売却し、627億円の利益を得たため、最終利益は3.3倍の382億円の大幅増となった。

通期見通しについては、売上高は300億円下ぶれの4700億円、営業利益は150億円下ぶれの300億円に引き下げた。
最終利益は150億円上ぶれの500億円に引き上げた。

今後、年末商戦に向けて、ポケモンGOの想定外のヒットで生産が追いついていない周辺機器「ポケモンGOPlus(プラス)」の販売を加速する。
来月には80年代に大ヒットした「ファミリーコンピュータ」を小型化したゲーム機を販売し、巻き返しを図る。
また、12月にはアップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」などに対応した新作ソフト「スーパーマリオラン」の配信を予定している。
記者会見した任天堂の君島達己社長は「ポケモンGOが、従来の(ゲーム機)ソフトの売り上げも伸ばす相乗効果が期待できる」と語り、出遅れているスマホ市場で挽回し、主力のゲーム機・ソフト販売の底上げにつなげたい考えだ。

据え置き、携帯兼用のスイッチは今年度200万台の出荷を見込んでいる。
ただ、今月にゲーム機の動画が公開されると革新的な新型機を期待していた市場は失望し、株価は大きく下げた。
他社は仮想現実(VR)を打ち出した新型機を相次いで発売しており、スイッチ発売で任天堂が競争力を取り戻せるかは不透明だ。

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