ソニー「PS4 Pro」、その真価はテレビ次第

ソニーが据置型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」を発売してからまだ3年しかたっていないが、同社はすでにアップグレード版の「PS4 Pro(プロ)」の投入準備を整えている。
10日に発売されるPS4 Proの価格は米国で400ドル、日本では4万4980円。
PS4の価格は米国で300ドルだ。
ついにPSを購入しようと考えている人であれ、最新版への機種変更のみを検討している人であれ、プレミアム価格のPS4 Proがその真価を発揮できるかどうかはテレビの性能にかかっている。

通常版のPS4とPS4 Proで楽しめるゲーム、動画ストリーミング(逐次配信)アプリは全く同じだ。
違いはというと、PS4 Proの方がRAM(ランダム・アクセス・メモリー)容量が大きく、CPU(中央演算処理装置)処理速度が31%速く、2倍以上のグラフィック処理能力があるという点だ。

PS4 Proでは、標準的なテレビの大半でもフレームレート(動画が1秒あたり何枚の画像によって構成されるかを表す数)の高いスムーズなゲームを楽しむことができるが、その最大の恩恵はゲームの解像度を4Kテレビ対応に拡大できることだ。

4Kテレビの驚異は高精細(HD)テレビをしのいでいる。
まだ4Kテレビを持っている読者は多くないかもしれないが、次に購入するテレビは恐らく1080画素が標準のHDテレビの4倍の解像度を持つ4Kテレビになるだろう。
価格はすでに1000ドルをはるかに下回っている。
高価格帯の4Kテレビは色彩とコントラストの精度が一段と高い「HDR(ハイダイナミックレンジ)」パネルを装備している。
通常のPS4も現在はHDRに対応しているが、こうしたテレビにうってつけの機器はやはりPS4 Proだ。

通常のPS4では1080画素が最高となり、4Kテレビに接続すると、画面がテレビに合わせてそのまま引き伸ばされることになる。
韓国サムスンの4K対応HDRテレビ(55インチ)で通常版PS4を試したところ、画面が引き伸ばされたせいで光がちらついたり、画像がギザギザになったりすることがあった。
ただ、PS4 Proでゲームをすれば躍動感が目に焼き付き、新しいテレビが必要だと痛感させられた。

第1次世界大戦をテーマにしたシューティングゲーム「バトルフィールド1」の環境はコントラストが豊富で描写が計り知れないほど細かい。
PS4 Proでプレーすると、戦場は映画に近づいた感覚になる。
また、フレームレートの高さがスポーツゲームの流れを滑らかにし、臨場感を高める。

HDRに対応するゲームでは驚くべき繊細さが新たに加えられたことに気づいた。
アドベンチャーゲーム「The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)」では、HDRの効果で太陽、空、雲に奥行きがもたらされた。
以前までは無視されていた効果だ。

PS4 Proを使えば全てのゲームの見栄えが自動的に良くなるわけではない。
1年前に買ったゲームでも(端末に最新版をダウンロードしたおかげで)良く見えることだってある。
ただ、それはフレームレートの高さ、4Kへのスケールアップ、HDRなどに対応させようとするゲームメーカーの努力次第なのだ。
PS4 Proが発売される11月10日には40種類以上の対応ゲームが販売される運びだ。

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