「ポケモン」のゲームクリエイターが語る「アイデアの生まれ方」

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11月18日は、ニンテンドー3DSソフト『ポケットモンスター サン・ムーン』の発売日!
11月14日放送のTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」では、ポケモンを生み出した会社・株式会社ゲームフリークよりプロデューサーの増田順一さんとディレクターの大森滋さんをゲストに迎え、お二人の10代の頃や発想の原点などについて聞きました。

――ポケモンとの関わりを教えてください。

増田「20年前に一番最初に作られた『ポケットモンスター 赤・緑』の時からプログラムや作曲をしていて、それからゲームのディレクターをやったりしています。
今回はプロデューサーですが、この20年間ずっとポケモンと共に開発をしてきました」
大森「自分は、『ポケットモンスター ルビー・サファイア』の時からずっと今まで企画一筋でやってきました。
ひたすら、“こうやったら面白くなるんじゃないか”とか、“通信でこういうことをしたらみんなが喜ぶんじゃないか”というようなことを13〜14年考え続けて、今はディレクターになってゲームを作っています」
――10代の頃はどんな毎日を過ごしていましたか?
増田「何も考えずに外で遊んでいた子どもでした。
自転車が大好きで、サッカーをやったり空手を習ったり。
もちろん、ゲーセンに行ってゲームをしたりもしていました。
自分の時はまだファミコンとかがなかった時代なので、ゲームセンターに行くしかないんですよ。
そんな10代から、中学になって少しずつオタクになり、高校になると更にオタクになって、部活の先輩の影響で高橋留美子さん(『うる星やつら』や『めぞん一刻』の作者)のワールドに引きずり込まれて、完全にいってましたね(笑)。
それから声優さんにはまったりとか、どんどんアニメ・声優さんという方向に進んで行きました。
でも同時にゲームもしていたんですよ。
やっぱりプログラムもしていましたし、ゲーセンも行っていました」
大森「10代の時にはもうファミコンがあったんでゲームをやったりしていたんですけど、10代の頃は工作が好きで段ボールで色んなものを作ったり電子工作をしたり、ひたすら物を作るということをやっていました。
それが、年齢を重ねていくごとにだんだんオタクになっていって(笑)。
自分たちの世代だとわかると思うんですが、14〜15歳の時に『エヴァンゲリオン』にはまってしまって、絵の勉強をして漫画家になろうと思うようになりました。
そこから、なぜかプログラマーに戻って行くんですが、やっぱり当時のアニメとか非常に影響を受けました」
――ポケモンなどゲームのアイデアは、どうやって生み出しているのですか?
増田「大体、風呂に入ってる時に思い浮かぶことが多いんですけど(笑)。
ずっとそのことを考えてるんですよ。
みんなで考えることももちろんあるんだけど、一個一個のアイデアをずっと考えてると、急に“来た!”ってひらめくんです。
ストーリーとかもそうなんです。
ポケモンの場合は、それぞれのポケモンも大事にしているんだけど、“みんなが平和に暮らせますように”という大きな意味があって、神話を考えてみようかなとか、時間と空間が無限ってことだよなとか、ひとつひとつ調べてアイデアを一個ずつ積み上げていったり考えたりしています。
だから、いきなりドーンってアイデアを考えているわけじゃないです」
とーやま校長「ずっとアンテナを張り続けていて、それがスタンダードな状態で、いつでも受信できるようにっていうことなんですね」
増田「そうなんですよね。
ずっと考えています」
とーやま校長「大森先生はいかがですか」
大森「自分も常に考えてアイデアを出しているんですけど、例えば子供がどういう反応をするんだろうとか常に見ているんです。
“いないいないばあをしたらどうして喜ぶんだろう”とか、“どうしてずっと走り回っているんだろう”とかずっと見ているんですけど。
顔をパーンって出したら驚くんだと気づいたら、草むらからポケモンの顔がパーンって出てきたら、みんなびっくりするんじゃないかなとか。
そういうことが日常にはあって、それをどういう風にゲームに切り取るかというところがアイデアなのかなと思っていますね」
――音楽はどういう風に作っていますか?
増田「道はポケモンが出て来るのでちょっと緊張感があるようにしていて、街はポケモンが出て来ない場所なので安心感があるような曲にするなど大きく分けていますね。
道も前半は軽い気持ちでスキップで行けるような曲にして、でも後半になると“冒険しているぞ!”という感じになるように作っています。
これはどういうことかと言うと、プレイしている人が気持ちをどうやって高めていくかということを考えながら作曲してるんですよ。
なので、バトルに入ったら少しテンポが速くなって、ドキドキするように曲を作ったりとか。
プレイヤーがどういう気持ちになるかなっていうのが一番大事ですかね」
――一番思い入れのあるポケモンは何ですか?
大森「シリーズごとにいろいろいますね。
自分だと企画的な発想も好きなんで、例えば『X・Y』だと、マーイーカが進化する時に3DSを逆さまにしないと進化しないんです。
これはキャラクターと仕組みが合っていてすごい発明だなと思います。
進化するとカラマネロになるんですけど、それを使ってる人はみんな3DSを逆さまにしたのか、っていうのをイメージすると面白いですね(笑)」
増田「イカなんですけど、逆さまにしないと進化しないんですよ。
そのアイデアを考えたのが大森なんです。
みんなが“どうやって遊んでいるんだろう”とか、“公園でやってるのかな、ベッドの上なのかな”とか、“机できっちりやってるのかな”とかっていうのを、色々想像しながら作っていますね。
今もこうやってしゃべってる時も、みんなはどうやってラジオを聴いてるんだろうってすごく思います」
大森「ゲームの中だけじゃなくて、ゲームの外をイメージしてどういうコミュニケーションが取れるのかなどを、常に考えながらアイデアを出していますね」

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