『ぷよぷよクロニクル』アリィ役の井上ほの花さんと細山田プロデューサーにインタビュー――井上さんとアリィはかなり似ている!?
文・取材:編集部 北埜トゥーン、撮影:カメラマン 和田貴光
●「アリィちゃんは素直でかわいくて、少し天然なところがある女の子です」(井上ほの花さん)
セガゲームスより、2016年12月8日発売予定のニンテンドー3DS用ソフト『ぷよぷよクロニクル』。
本作で新キャラクターのアリィを演じる井上ほの花さんと『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏のインタビューをお届けする。
――『ぷよぷよクロニクル』の出演が決まったときの感想を教えてください。
井上すごく歴史の長い作品に出演させていただけるということで、うれしかったです。
大先輩の声優さんといっしょにお仕事ができるんだと思うとすごくワクワクしました。
――アリィ役はオーディションで決まったのでしょうか?
細山田オーディションではないです。
『ぷよぷよ』のキャスティングは、プロフィールをあまり見ないで音声だけ聞いて決めることがほとんどです。
ですので、対面してのオーディションという形ではなく、キャラクターの声に合った人を探した結果、井上さんに決まったという感じです。
しかも、今回は珍しいことにスタッフ満場一致で決まりました
井上それはうれしいです!
――そうなんですね。
実際に収録現場で井上さんの声を聞いてみていかがでしたか?
細山田井上さんに限らず、いつも新キャラクター収録のときはドキドキします。
イメージに合った声の方にお願いしていますが、実際にどういったキャラクターにしていくかは現場で相談しながらいっしょに作り上げていく感じですし、演じてもらうまでわからないので。
実際に演じて頂いたところ、イメージ通りで安心しました。
――アリィのことを初めて見たときの印象はいかがでしたか?
井上私の好きなアーティストさんのアリアナ・グランデさんがアリィちゃんと呼ばれているので、キャラクターの名前を聞いただけで興奮していました。
そこからどんどんテンションが上がっていって、キャラクターのイラストを見た瞬間に「こんなにかわいい子をやらせていただけるんだ! だけど、私が演じていいのかな?」という感じで、うれしさと不安が混ざって、感情がぐちゃぐちゃでした(笑)。
細山田ちなみにアリアナ・グランデさんとはまったく関係ないです。
一同(笑)。
――アリィはどのようなキャラクターなのでしょうか?
井上素直でかわいくて、少し天然なところがある女の子です。
口癖が「愛しあいましょう」という言葉で「心から性格がいいんだな」と感じました。
アリィちゃんとは友だちになりたいですね!
細山田井上さんとかなり似ていると思いますね。
――具体的にどういったところが似ているのでしょうか?
細山田素直で、ちょっと照れるところが似ていると思います。
「愛しあいましょう」とは言わないと思いますけど。
井上言わないですね(笑)。
細山田でも、アリィはなんでも好きというような感じのキャラクターなんですよ。
そういうありとあらゆるものを包み込むような雰囲気が似ているという印象を受けました。
――演じる際に意識した点を教えてください。
井上最初に細山田さんから「井上さんが思うアリィを演じてください」と言われたので、私の思うアリィちゃんを演じたら、「もう少し幼く」とアドバイスいただきました。
ですので、かわいさと幼さを意識して演じました。
――そのほかにディレクションされたことはありますか?
細山田今回はある意味、素に近い状態で演じていただいたほうがいいのかなと思ったので、もう少し幼い感じで演じてほしいということ以外はほとんど言わなかったですね。
――収録でたいへんだった出来事はありましたか?
細山田今回は台本がめちゃくちゃ厚かったんです。
通常は1日で終わるのですが、今回は4日間掛かりました。
過去にもセリフの量が多いキャラクターはたくさんいましたが、そのときは何度も『ぷよぷよ』のキャラクターを演じていただいているベテランの方々ばかりだったので、今回が初めての井上さんにはたいへんだったと思います。
――収録の際の思い出に残っていることはありますか?
井上口癖の「愛しあいましょう」というセリフをイントネーションや雰囲気を変えながらさまざまなパターンで収録したことが印象に残っています。
そのときに「どういう表現がいいのかな?」と考えながら収録していました。
細山田いろいろなパターンの「愛しあいましょう」が聞けるので、楽しみにしていただければと思います。
――アリィは“愛”がキーワードになってキャラクターですが、井上さんが愛してやまないものを教えてください。
井上いっぱいあるんですけど、やっぱり家でいっしょに暮らしているワンちゃんの“ミルキー”ですね。
本当にかわいくて、私の癒しなので「この子がいなくなったら、どうなっちゃうかな……」と考えてしまうことがあるくらいです。
あと、毎日持ち歩いているクマのぬいぐるみがあって、それもないと不安になりますね。
――そのクマのぬいぐるみにはどういった思い出があるのでしょうか?
井上自分で綿やハートを入れて、ぬいぐるみを作れるお店があって、ひとりで作ったわけではないのですが、やっぱり思い入れがありますね。
――それは何年くらい前から大切にされているのでしょうか?
井上高校生のときなので3〜4年くらいですね。
期間は短いですけれど、思いがいっぱい詰まっています。
――細山田さんは、愛してやまないものはありますか?
井上『ぷよぷよ』じゃないですか?
細山田『ぷよぷよ』は好きですけど、集めると消えちゃうんですよね。
あとは同じく25周年を迎えた『ソニック』が大好きです(笑)。
一同(笑)。
細山田そのほかだと、すごくリアルになっちゃいますけど、ご飯と睡眠ですかね(笑)。
――(笑)。
ところで、井上さんは東京ゲームショウの『ぷよぷよクロニクル』ステージに出演されていましたが、緊張はされましたか?
井上ステージに出る前に手の平に人という字を書いて飲んだくらい、緊張していました。
実際にステージに出てみたら、パニックになってしまいそうだったんですけど、いつも応援してくださる方が見えて、そこからはリラックスできました。
――ステージではミニドラマも生で披露されていましたね。
井上最初にミニドラマをすると聞いたときは、「絶対無理……」と思いました(苦笑)。
細山田無理言ってすみません……。
井上でも、すごく盛り上がって楽しかったです。
細山田じつはリハーサルをちゃんとやってないんですよね。
――そうなんですか!?
細山田直前にアルル役の園崎さんと軽く打ち合わせしてもらったくらいで。
井上そのときの園崎さんがすごくやさしくて「こうやってやろうね!」と提案やアドバイスをしてくださったので、無事に演じることができました。
――井上さんは『ぷよぷよクロニクル』はプレイされましたか?
井上少しだけ遊ばせていただきましたが、すごく楽しかったです。
RPGモードはもちろん、対戦モードもルールがたくさんあって、早くお友だちと遊びたいです!
――ふだんからゲームはプレイされるんですか?
井上私は小学生くらいまですごく遊んでいました。
それ以降は、勉強、部活、お仕事などがあって、あまり遊べていないですね。
『ぷよぷよ』もプレイしていたのですが、従兄弟のお兄ちゃんがすごく強くて、勝てなかった悔しい思い出があります。
でも、『ぷよぷよクロニクル』は絶対に毎日遊びます!
細山田クリアーするとエンディングで井上さんが歌っている曲も流れますし。
――そうなんですね。
その曲はどのような感じなのでしょうか?
井上リズムもメロディーもすごく乗りやすくて、アリィちゃんの性格が出ているような曲ですね。
歌詞は細山田さんが担当されていて、すごくかわいいんです。
――お気に入りのフレーズなどはありますか?
井上「いつも笑顔でいれば、なんでもできる」という歌詞が大好きです。
母に「なんでも笑顔でやるんだよ」と幼いころからずっと言われていたので、すごく心に響きました。
――エンディングテーマとして作られた曲なのでしょうか?
細山田いや、テーマソング的な立ち位置の曲ですね。
ただ、オープニングなどにもオーケストラアレンジがされていたり、随所で使われていたりするのですが、ガッツリ聞けるのはエンディングだけですね。
井上絶対にクリアーして聞きたいと思います。
細山田『ぷよぷよクロニクル』の限定版“アニバーサリーボックス”に同梱されているサントラCDにも入っているので、ぜひそちらもチェックしていただければと思います。
――本作はRPGになっているところが大きなポイントだと思うのですが、RPG以外の部分の魅力を教えてください。
細山田今回はキャラクターを3D化していて、すごく動くので、そこはぜひ注目してほしいです。
フル3Dでしっかりモーションをつけているので、いままでは2Dのアニメーションを見ていた方にとってもすごく新鮮だと思います。
それから、連鎖のカットイン。
RPGモードでは、パーティメンバーの3人が順番に言っていき、対戦モードでプレイすると1連鎖から最後までひとりで言っていきます。
そこも注目していただけると。
――プレイされる方に攻略のアドバイスなどがあればお願いします。
細山田RPGモードで使用されているスキルバトルでは、連鎖のタネが振ってくるようになっています。
設定でオンとオフを切換えられるので、パズルゲームが苦手という方はそれをぜひ活用していただければと思います。
もちろん、得意な方はオフにして自力でバリバリ組んでもらえればと。
それから、敵キャラクターと戦闘に入るときに、後ろからアタックすることで、バックアタックになってプラス1連鎖されたりするので、敵にぶつかるときは後ろを狙うことをオススメします。
ただ、逆に自分が後ろから当たられてしまうと、不意打ちを受けて、おじゃまぷよが降ってくることもあるので注意してください。
井上そうなんですね。
細山田『ぷよぷよクロニクル』で初めてRPGをプレイする方もいらっしゃると思うので、初心者の方のために配慮したポイントもあります。
通常のRPGだと戦闘で全滅してしまうと、前のセーブポイントに戻されたりするんですけど、『ぷよぷよクロニクル』では、その場ですぐにリトライができるやさしい仕様になっています。
それでも勝てなかった場合は、レベルを上げてから挑戦してみてください。
――勝てなかったらレベルを上げることも重要ということですね。
細山田そうですね。
それと、ソフトと本体がこのモードだけ人数分必要になりますが“みんなでボス戦”というモードでは、レアなアイテムがゲットしやすくなっているので、それでカードを強化してもらえると、先に進みやすくなると思います。
――なるほど。
逆に上手な方が低レベルでクリアーを目指すというのも盛り上がりそうですね。
細山田低レベルでも進められるようにはしていますが、けっこう敵が強くなっているので相当がんばらないといけないと思います。
――低レベルでクリアーできた方は、ぜひ「●●レベルでクリアーできた!」というようにSNSなどで報告してほしいですね。
細山田そうですね。
楽しみにしています。
――最後に読者の方にメッセージをお願いします。
細山田『ぷよぷよクロニクル』の今後の展開については、皆さんの反響次第で考えようと思っているのですが、私の頭の中では『ぷよぷよクロニクル2』、『ぷよぷよクロニクル3』のお話はある程度イメージできています。
ただ、『ぷよぷよクロニクル』で物語は完結しているので、ご要望があればという感じです。
ですので、本作をプレイした後には、SNSや購入者アンケートなどで忌憚のない意見をいただければと思います。
そして、井上さん演じるアリィは発売に先駆けて、『ぷよぷよ!!クエスト』と『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』にすでに登場させているのですが、『ぷよぷよクロニクル』の発売にあわせて、再度アリィなどが登場するコラボを実施しますので、すべての『ぷよぷよ』シリーズ作品で盛り上がってもらえるとうれしいです。
井上『ぷよぷよクロニクル』は子どもから大人まで皆さんが楽しめる作品になっています。
ゲームそのものの楽しさはもちろん、キャラクターたちの動きなども楽しんでいただけるとうれしいです。
ぜひ、プレイしてみてください!