大ヒットPS VRタイトル「サマーレッスン」がついに台湾デビュー
PlayStation VRの日本での最大のキラーコンテンツとなった「サマーレッスン」がついに台湾で公開された。
日本ではファーストパーティータイトルを上回る人気と、装着率の高さで関係者を驚かせた。
PS VRはグローバルでまだ生産が追いついていないため、通常のPS4タイトルのように50万本、100万本という単位のヒットではないものの、PS VR購入者の実に数割が「サマーレッスン」を購入しており、VR市場で数少ない大ヒットコンテンツといっても過言ではない。
日本ではローンチタイトルとなった「サマーレッスン」だが、残念ながらアジア市場ではローカライズが必須となるため同時発売が見送られ、アジアのゲームファンを悲しませた。
Taipei Game Show 2017では、アジアのゲームファンの期待に応えるべくアジア展開の先駆けとしてバンダイナムコブースと、SIETブースの両方で試遊台が展開されたほか、両社のステージでイベントが行なわれた。
アジア版「サマーレッスン」は、繁体中文版、ハングル版、英語版で台湾、香港、韓国、シンガポール向けに2017年春発売予定。
ビジネスモデルは「ベストな形を検討中」として、今回も発表されなかったが、日本のようにスターター+DLC個別販売ではなく、全ダウンロードコンテンツをセットにしたオールインワンでの発売を含め、様々な形を検討しているという。
初公開された繁体中文版の仕様は、テキストのみのローカライズで、音声は日本語のまま、宮本ひかりちゃんのセリフは字幕を通じて理解する形になる。
また、もともとの雰囲気を壊さないように、喫茶店の壁に掲示されているメニューなどは日本語のままで、ダイアログや質問、回答の選択肢、携帯電話のメッセージなどは繁体中文化されている。
字幕の位置は、海外ゲームや映画のように画面下ではなく、“中央やや下”といった感じで、ひかりちゃんを正面から見て、胸元位置あたりといった感じだろうか、ほとんど目を動かさずに、ひかりちゃんの顔と字幕が見られるようになっており、チーフプロデューサーの原田勝弘氏によれば、トライアンドエラーを重ねて調整を加えた結果だという。
吹き替えの可能性については、言語を変えるとセリフの尺が変わるだけでなく、顔の表情変化のタイミング、リップシンクの内容がすべて変わり、実質的に作り直しになるため、現実問題としては難しいという。
だからこそ、字幕位置の最適化に力を注いだということだ。
さて、ステージイベントに登壇したのは、「サマーレッスン」プロデューサー兼ディレクターの玉置絢氏。
初の台湾、飛行機を乗るのもまだ3回目という玉置氏は、「ひかりちゃん」という単語を連呼しながら笑顔でゲームの魅力の説明を行なった。
ステージイベントの基本的な流れは、スライドによる概要紹介の後、台湾ユーチューバーによる実機試遊という流れで、デモには、日本でリリースされたばかりの最新DLC「デイアウト」の繁体中文版が使われていた。
アクティブな光ちゃんに、水筒を手渡したり、団扇であおいだりしてお手伝いをするという内容。
団扇は2度チャレンジしたものの、手の動きが緩慢すぎたのか2度共ともうまく扇げず、さらに2度目のプレイでは水筒をあえて手渡さず、ひかりちゃんがムッとしながら体を伸ばして水筒をとるところを、プレーヤーは女の子が間近に来る感覚を楽しんだりしていて、グッドエンディングからガンガン遠ざかっていた。
SIETのステージでは、玉置氏に加えて、上司でチーフプロデューサーの原田氏も登壇し、「ストリートファイター」ステージにおける小野義徳氏的なポジションで、「偉そうに言ってますけど、彼女がいたことは一度もない」、「でも彼は彼女と外に出たことは一回もない」、「彼は独身でフリーですので日本のプロデューサーと付き合っても良いよという人がいたら連絡下さい」と、可愛い部下をぼろくそにこき下ろし、小野氏不在のSIETステージをひとりで盛り上げていた。
その原田氏からはサプライズとして「アイドルマスターシンデレラガールズ ビューイングレボリューション」の繁体中文版の発売が決定したことも発表された。
プロデューサーの坂上陽三氏からのビデオレターも公開され、「アイドルマスター」と共にVR市場を盛り上げていく方針が告知された。
原田氏からは、この2作品に加えて、「鉄拳」シリーズ最新作「鉄拳7」も発売されることがアナウンスされ、「忘れないで欲しいんですが『鉄拳7』も出ますのでお財布の用意をお願いします」と自身のライフワークのアピールも忘れなかった。
原田氏に大事なステージイベントをぐちゃぐちゃにされた感もある玉置氏だが、「現実世界で疲れたら、『サマーレッスン』を遊べば心が癒やされますので、ぜひ買って遊んでみて下さい」とけなげにアピール。
「サマーレッスン」の海外展開がどうなるのか注目したいところだ。
なお、ステージイベント後にメディアインタビューが行なわれたので、その模様については後ほどお届けしたい。